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魔法OLらぶりぃーナイ
 

    「青桐君またこの報告書計算が間違ってるじゃないか」
    「す、すみません。課長」

    ここは日向建設(株)の第三設計部である。一人のOLが上司である青葉課長に小言を言われていた。そのOLはしゅんとして下を向
   いている。よく見ると実にナイスプロポーションであるのだが今一歩制服の着こなしが悪くずんどうに見える。鼻筋も可愛いおちょぼ口
   も実に奇麗であるのだが今時珍しいぐるぐる眼鏡が台無しにしている。

    青桐ナイ、今年で入社四年目の花のOLである。

    「もういい、この書類コピー50部頼む」
    「はい」

    ナイは書類を受け取ると急いでコピー室に向かった。

    ドテ

    ベチャ

    見事に転び顔から床に突っ込んだ。

    「っとに。まったく」

    青葉課長は呆れていた。

    「ナイちゃん。大丈夫かい」

    同僚のまっこうが慌てて抱き起こそうとする。ちなみにまっこうはあだ名で本名は松 向(まつ むかう)である。

    「平気、平気。慣れているから」

    ナイは赤くなったおでこをさすりさすり起き上がった。よく眼鏡が割れないものだ。本当に慣れているのだろう。あまり慣れたくないも
   のだが。心配そうなまっこうを横目にナイは今一歩危なげな足取りでコピー室に向かった。
 
 
 

    お昼のひとときお弁当も終えOL達はお菓子を摘み雑談に花を咲かしている。お菓子とお弁当はきっと入るところが別なのであろう。
   仲良し三人組のナイとマヤとソウミである。

    「ねえねえ聞いて、聞いて。今日の朝、日向社長と挨拶しちゃったのよ」
    「えうっそぉ〜〜どおしてぇ〜〜教えてよぉ」
    「ほら日向社長って会長の後を30歳でついで社長になったけど(建設会社の社長としては一般の人の通勤方法を身に染み込まし
   た方がいい)とか言って電車で通勤してるじゃない」
    「うんうん」
    「でさぁ今日たまたま社長と同じ電車だったのよ」
    「それでそれで」
    「駅から社長と並んで歩いちゃって挨拶はしちゃったし話しちゃったのよ」
    「すっごぉ〜〜い」
    「日向社長って私達OLの憧れの的よね。容姿もお金もばっちし。才能だって日本の大学を卒業した後米国に留学して建築学と経済
   学の博士号をもってるし、実際の経営手腕だって中小企業だった日向建設を今や業界でも有数の企業にしちゃったものね」
    「そうそう、ほんとよねぇ〜〜」
    「……」
    「ねえナイさっきから何黙ってるのよ。また青葉課長にお小言言われたの気にしてるの?あれは課長の趣味なんだから気にしない
   気にしない」
    「別に気にしてないわ」
    「はっはぁ。じゃぁ隣の席のまっこうの事ね。あんなどんくさい男のデートの誘いなんて断っちゃいなさいよ」
    「でもいつも助けてくれるから……」
    「あんたってほんと義理固いわよねぇ」
 
 
 

 ナイが自分のアパートに帰宅すると一匹の猫が待っている。三毛猫の鯖雄である。鯖が好きな雄猫の為そう言う名がついた。ナイ
   はシャワーを浴びるとボーイッシュな格好に着替えポテチの袋を持ちテレビの前にペタンと座る。鯖雄もゴロゴロと寄ってくる。テレビの
   スイッチを入れるとちょうどニュースをやっていた。

    「……次のニュースです。昨夜東京高円寺の路上で衰弱した男女が発見されるという事件がありました。発見されたのは六分義ゲ
   ンドウさん(32)さんと友人の碇ユイさん(26)で商店街の裏通りに入ったところで折り重なるように倒れているところを発見されまし
   た。二人は何かの原因で大量に血液を失っておりそのせいで衰弱したと診断されています。ただ外傷等はない為現在原因を調査中
   と発表されています。今月に入って類似の事件はすでに五件も起きており……」

    ナイはニュースを食い入るように見入っていた。

    「これはもしかしたら奴等の仕業かもしれないわ……」

    にゃぁ〜〜

    同意するように鯖雄がナイの膝の上で鳴いていた。
 
 
 

    その翌日もナイはあいかわらず床のコードに蹴躓いてパソコンは止めるわ、何もないところで転けるわと活躍?をしていた。就業時
   間も終わりに近づいた頃である。ナイがまっこうにひそひそと言った。

    「まっこうさん」
    「なんですか」
    「今日これから時間有ります?」
    「有りますよ」
    「ちょっとつきあってくださらない」
    「いっいいですよ」

    ついまっこうは大声になってしまった。

    「本当にあいつらは……ぶつぶつぶつぶつ」

    青葉課長の小言がまた始まった。
 
 
 

    「今日は楽しかったです」
    「私もよ」

    ナイとまっこうは二人で並んで裏道を歩いていた。二人は就業時間後にまっこう行きつけのJAZZバーとナイ行きつけのカクテルバー
   に行った。二人ともほろ酔い気分である。

    「じ 実はお 俺……」
    「どうしたんですか」

    まっこうが急に立ち止り真剣な表情をしてナイに何かを言おうとしたその時だった。
 
 
 

うへへへへへへへ
 

    裏道に変な声が聞こえてきた。二人とも振り返る。そこには潜水服を着たいかにも怪しげな男が立っていた。

    「何ものだぁ」

    まっこうがナイをかばって立つ。

    「ふぉっふぉっふぉっ。わが名はフラン研。今私は世紀の大発明をしているのじゃ。それには大量の男女のカップルの血液がいるのじ
   ゃ。お前達の血液を貰うぞ。やれモスキトントン」

    いきなり蚊の化け物のような怪人が現れまっこうをたたきのめした。血を注射器で一リットル位取るとバケツに入れる。

    「あ。まっこうさん」
    「こんどはお前の番だ。モスモスキンキン」

    怪人がナイに迫る。しかしナイは飛び上がると空中で後ろに一回転して自動販売機の上に立つ。

    「なに?」

    怪人が言う。

    ナイはハンドバックを開けるとコンパクトを取り出した。開いて呪文を唱える。

    「マジカルマジカル コロコロ マジカル らぶりぃらぶりぃらぶりぃナイちゃん!!!!」

    ピカァ

    ナイの体が七色に光るとナイは魔法OLらぶりぃナイに変身していた。無意味に体にフィットし過ぎている真っ赤なレオタードにミニス
   カート頭には銀のティアラ、なぜかコンパクトはバトンに変化している。眼鏡もしていない。もともとナイスバティの上にぐるぐる眼鏡もし
   ていない為本来の美貌が輝いている。眼鏡を取ると凄い美人。お約束である。とにかく魔法少女物をいっしょくたにしてプラグスーツを
   着せたような格好である。

    「愛の力を守る為らぶりぃ星からやって来たちょっぴりお茶目な愛の戦士、魔法OLらぶりぃナイ。私が悪い子お仕置きしちゃうわ(は
   ぁ〜と)」

    パチ

    ウインク付きの名台詞である。

    「「お〜〜」」

    思わずフラン研と怪人も歓声をあげる。

    「いきなり必殺技行くわよぉ。私に集まれ愛の力〜〜らぶりぃ・ぷりてぃ・らぶらぶ・ショット」

    バトンを振り降ろすとビームが飛び出る。それは怪人に当たる。が、しかし怪人は何ともない。

    「あれ 何で効かないのぉ〜〜」
    「私の怪人にはそんなへなちょこな技は効かん。大人しく餌食になれ。お前の血は生きがよさそうだ」
    「いやぁ〜〜」
 
 

ナイは怪人の注射器攻撃を辛うじてさけていた。が追いつめられた。

    その時であった。いきなりナイの側に薄絹をまとった白人の女性が現れた。

    「兄さんやめて」
    「フランソワか。いまさら遅いわ」
    「これ以上罪を重ねるのはよして」
    「ふふふ。ワシは全世界の支配者になるのだぁワッハハハハ」
    「しょうがないわ。ナイちゃん。この魔法のリボンをバトンの先端につけて。そして技の前に(きゅーてぃー・ふぁにー)を追加して」
    「判りました」

    むすびむすび

    「じゃ行くわよ。きゅーてぃー・ふぁにー・らぶりぃ・ぷりてぃ・らぶらぶ・ショット!!!!」

    バトンを振り降ろすとさっきより太いビームが飛び出る。それは怪人に当たる。

    ぎゃ〜〜

    怪人の姿は消えてしまった。

    「ちきしょ〜〜らぶりぃナイ覚えてろ。フランソワ今日から兄でも妹でもないぞ」

    フラン研は何処へともなく姿を消した。

    「フランソワさん。あのフラン研さんってお兄さんなんですか?」
    「ええお兄さんたらパチンコで負け続けてぐれてしまって世界制服を企むようになってしまったのよ」
    「そ そうなんですかぁ」
    「そうよ。あ 私コンビニでバイトの時間だわ。じゃばぁい」

    フランソワも唐突に消えた。

    「フランソワさんもいなくなっちゃった」

    ナイは首をひねった。

    「あいっけない。まっこうさん」

    ナイがまっこうに近寄るとまっこうはぐうすか寝ていた。血を一リットル抜かれても全然平気な様である。タフと言うより鈍いのであろ
   う。

    「とにかく変身を解かなくっちゃ。コロリンコロリン コロコロパ」

    するとナイの姿は元のOLに戻っていた。ナイはまっこうを電柱にもたれ掛けると起こそうとした。

    「まっこうさん まっこうさん」
    「……あれ どうしたんだ俺?」
    「私が石に躓いたのをまっこうさん受け止めてくれたんです。ただ勢いよかったものですからまっこうさん電柱に後頭部ぶつけてしま
   って気絶してたんです。大丈夫ですか?」
    「そうですか。それで何か頭が痛いんだ。平気ですよ。大丈夫だけが取り柄ですから」

    まっこうの記憶が見事にとんでいるのをナイは神様に感謝したのであった。
 
 
 

    行け行け僕らのらぶりぃナイ。皆の愛と勇気を守る為

     今日も変身

      「私が悪い子お仕置きしちゃうわ(はぁ〜と)」

       終わり


ver.-1.00 1998-04/23公開
ご意見・感想・誤字情報・らぶりぃりっちゃん情報などは lovely-ricchan@EVANGELION.NETまでお送り下さい!


 
(第二話)
「にゃー」「みゃー」
「はっ、こんなところにやぶみが!! どれどれ…」
取っては見たものの、漢字が読めず挫折のアスカ嬢、勝手に解釈。
「くっ、とにかくぜんじろうの行方は既に関東人には分からないという事ねっ! 待ってなさい潜水服男、っておい。」
「あーあー今日も5万もすったか…」
「あんた何潜水服で普通にパチンコ屋入ってんのよ!!」
「おあ、あ、アスカ様、こ、これはこれは。」
「しかも良く見たら今日はレディースデーじゃない…ってそんな事はどうでも良いわ。ふっ、潜水服男、今日こそはあんたの首を貰うわよ。」
すぽ。
苦しむフラン研。
「ぐ、な、何ですかこれはあっ」
「これは惣流家に伝わる最強兵器、人類に残された希望の光、「詰まりトイレバコバコ」よっ!!」
「くうっ、て、てごわい…」
顔が吸い込まれていくフラン研。
「ほら、これでもか、これでもか!!」(@v@)
「あ、アスカ様、顔文字がオモシロフェイスに…(SPEEDの1人ってそんなにダメ? たいしてそういう感じしないなあ)」
「うっさい、それからカッコの中が長い! あんたみたいなヤツはこうよ、こう!」
とどめにラジカセから大音量で「東京プリン」の曲を聞かせるアスカ。
「ぐう、そ、それだけは…」
ぼこぼこぼこ。
フラン研は溶解した。

次回に続く!

(まっこうさん第2作ありがとうございました。我等がプリンセス(・プリンセス)あおぎり嬢への公開セクハラ献上物は見ての通りとってもらぶりぃ。次回(もちろんあるはずだ!)はらぶりぃーないのどんな活躍が見られるのでしょうか? ちなみにこの話の誕生の経緯はぼのぼの掲示板の方を見て下さいね。)


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