航星日誌、宇宙暦、3141.9。現在我々はモールス信号を受信し、その発信源の位置へ向かって飛行中だ。と言っても23世紀の我々が「モールス信号」が分かるはずもなく、ヴァルカスカ人の血を含む副長の助けで何とかそれが遭難信号であるらしい事を突き止めた。
USSエバンゲリオン零号機。後代の各機に比べると何とも直線的かつ単純なデザインの船だ。そしてそれが大宇宙を飛ぶ様は、まるで糸で吊った模型をノッポさんがつつーいと動かしているかのようにぎこちなく、ウソっぽい。
船内では、ちゃっちい、どうしようもなくちゃっちい艦長席に座っている艦長に、前方で真っ平らなボード(何やらコンピューターのパネルらしいのだが、どっちか言うと麻雀卓に見える)を操っている操舵手がにこやかに振り返って報告をしていた。
「艦長、前方に信号の発生源を確認しました。」
「分かったミスタ・カトー。スクリーンへ。」
丸い、余りにも角が丸く縁の厚い、おまけに扉と足が付いていて何か上に神棚が付いているスクリーンに、宇宙船の姿が映し出される。
「あれは?」
艦長は右手を顎にやる。彼が何か考えごとをする時の癖だ。
「DIY100型、1990年代の地球の船と同一の形状さ。」
後方のコンピュータの並ぶ壁で立ちながら報告する副長。あまり副長らしい扱いではない。どこぞの特務機関の副司令みたいだ。
もっともここの副長は常に実務的であり無駄を嫌っているので、そういった問題には関心を示さないだろう。
「非論理的な地球人の戯言だね」という彼お決まりの台詞が飛び出すまでである。
彼は地球の人類が初めて遭遇した異星人、ヴァルカスカ人と地球人のハーフである。彼等ヴァルカスカ人は人間とは比較にならない程の知性と記憶力を持ち、論理を重んじ感情を否定する。少なくとも、この船のボロコンピューター(任天堂のピンポンゲーム機をベースとしている。自慢だが私はこれを持っていた。)よりは1人のヴァルカスカ人副長の方が大分増し(おおいたふやし)であろう。
「しかし、一体何故そんな時代の船が?」
「全く、謎は深まるばかりだわ。と言うところかな。」呟く副長。自慢のトサカ
髪を振り上げた。
「ふっ。ふっふっふ…」
「(ミスター・スネック、頼むから突然女言葉とかで訳分からん事言うのだけは止めてくれ…)」全クルーの心が一つになる数少ない瞬間である。
―宇宙。それは人類に残された最後の干拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ちうけていたら楽しいね。これは、人類初の勇み足として、5年間の調査飛行に飛び立ったふりをした宇宙船、USSエバンゲリオン号の驚異に満ちたり満たなかったりする小話である―

「上陸班を結成する。スネック、マッコイ、チェコフ。」
指をさされて立ち上がる3人(1名は元々立っていたが)。
3本(もっと多いという説もある)のトサカのような物がありながら全体としてはおかっぱ頭という、CG描き泣かせの(そもそも描く人いませんけど。)髪型の副長、ミスター・スネックはカーク艦長に提言する。
「船が20世紀後半の物である以上、歴史学者を呼んだほうが良い。」
「分かったスネック。」艦長は腰にぶらさげた通信機を取り出した。何となく10円で投げ売りされているPHSに見えなくもないが、あくまで23世紀の最新鋭の通信機だ。
「あー、アーレ、元気してた? 今ぁ、HMV前でかけてんだけどぉ、そぉ、ガンブーな野郎ばっかで超ホワイトキックって感じぃ。ん、そぉ、そぉ。え、まじぃ?
それ、超ヤバくない? うん、取れるもんだけ取ってとっとと逃げちゃった方が良いよぉ。あ、ごめんキャッチ入っちゃった、じゃ、またね、うん。(訳:ああ、歴史学者のアーレ・マクガイバー君か。今より船の探査に向かう。そうだ。歴史学者の、君の助けを借りたい。ああ、作者は大分困っているみたいだったな。まさか外伝にまで君のようなゲストキャラを設定しなくてはならないとはな。毎回ゲストが出て来るスタトレの方式に「良い加減にしてくれ」と怒っていたらしいぞ。本編でもその設定だけで毎回数時間かかるとか言ってたよ。まあ、自業自得だけどな。ああ、頼む。)」
艦長は通信機を畳んだ。
「それでは転送室へ行こう。」頷く3人。
「ミスター・カトー、後を頼む。」
艦長は前方の電脳麻雀卓で脱衣麻雀をプレイ中の操舵手に声をかけた。彼は日本人とフィリピン人のハーフである。若いころは色々差別に苦しんだ、ってこれってギャグになってないぞ。
「分かりました。」
ミスター・ノビタ・カトーは快活に頷いた。
3人は転送室でアーレと会い、エバンゲリオン零号機の前に漂流している船へと転送されて行った。
4人は遭難船内に転送された。船内には棺桶程のサイズのボックスがあり、実際に人が寝ている。
「Хорошо(ハラショー)! これは何なんだろう。」若きロシア人士官、ドラ・アンドレイビッチ・チェコフは呟いた。彼はロシア人(強引だが、人だ。何せキャストが足りないんぞなもし)なので、これ見よがしのロシア語が台詞に入るのが特徴だ。当然そんな台詞を書く作者はロシア語にも堪能な訳だ。ああ私ってば何て知的な美少女なのかしら。
「恐らく冷凍保存されているんだな。老人達には良い薬だよ。」
一目見て的確な指摘と無意味な戯言を吐くミスター・スネック。
「「(何が薬なんだよ。)」」わざわざ口にするのも面倒臭いので心の中で突っ込むカーク艦長とドクター・マッコイ。
「冷凍保存? という事は、本当に彼等は20世紀後半の地球人という事なのかな、ダスビダーニャ。」
「ええ…確かに彼等の姿形は、地球人類が本格的に宇宙に乗り出して行った1990年代のファッションではありますね。この船も、確かにその時代の物ですわ。」
アーレ・マクガイバー女史は指摘する(誰でも分かると思うが、このキャラの元ネタはリリパット星のアーレ・オッカナ姫だ)。
「全体の数は84名だ。但しその内12名は死亡。残りの72名は冬眠中。内30名は女性だな。」
忙しく医療センサーでチェックをしていたドクター、タケシ・G・マッコイ、通称ジャイアンが報告する。彼は渋く男気のある当艦の船医だ。
ちなみに彼がこんなあだ名なのは、もちろん長嶋巨人の熱烈なファンであるからに他ならない。典型的なヤなオヤジである(多分に私情である)。
その時、寝ていた人間の内の一人の男性が徐々に目を覚ました。何故こんな良いタイミングで起き上がったのかは原作の脚本家にでも聞いて欲しい。
彼の格好は白いプラグスーツと水色のカツラで、股間のモッコリひょうたん島がチャーミングな27歳だ。ちなみに他の冷凍保存されている人物達も多かれ少なかれ似たような格好で、カラフル過ぎて目が痛い状況である。典型的な20世紀末の地球のファッションだ。
彼はふらぁっと起き上がり、デキスギ艦長に挨拶した。
「私はSSボタニーガーデンの艦長、カンと言います。よろしく。」
27歳でカンと言っても、別に神田@大家さんとは無関係である。
「心配無いからね、どんな時にも、信じる事を、決してやめないで、どぉおんなぁあに困難でぇ、くぅじぃけっそ、おうでもぉ、信じぃるぅこぉとぉさぁ、か・な・ら・ず最後にマイバガズーのカンか?」
熱唱する艦長。ドクターでなくて良かった。
「違います。」
「その後山田かつてないウィンクが出たカンか。」
「違います。」
「今はTBSの土曜深夜に良く分からないけど何か自分が良い思いする番組をやっている山田が昔ゴールデンの番組を持っていて、その」
「違う!」
「まだ言い終わってなーい!」
睨みあう2人。
「Да(だぁ).じゃあ、君達は一体何物なんだい?」
そう言えば「どらえモンズ」にロシアン・ドラいたかもな。知らないけど。
「私達は、「優性人類」です。」
カンは胸を張った。
「ああ、あの普通の卵より高い…」
「つまらんボケかますなぁ!」他のクルー全員から蹴飛ばされるカーク艦長。
カンはエバンゲリオンに乗船、ブリッジに入っていた。
会議室では、クルー達が彼について話し合っている。
「保安上の点からは、彼が乗船している事には非常に懸念を感じるの。」
黒人の勇敢な女性士官、ドラミ・ウーラ(繰り返すが人だ)は短い両手を広げた。黄色と白の顔で何故黒人なのか、深く考えてはいけない。…まぁ、いろんなジャパニメーションの登場人物が日本人なのに黄髪だの青髪だのピンク髪だのになってるのと同じだ、大体。
「チェルノブイリ!(ロシア語で「そうだ」の意味) それにカンさんは自分の事はほとんど話していないよネ。」ドラ・チェコフも同意する。ちなみに彼とウーラは、言うまでもないが兄妹などではない。
「確かに優性人類には謎が多い。少なくとも言えるのは、「彼等は当時権勢を誇った」と言う事だ。」
デキスギ艦長の言葉を、生きるデータバンクのスネックが補足する。
「優性戦争。1990年代、ごく一部の遺伝的に優性に創造された人類が他の大多数を押さえ付け、独裁し、それぞれが統一の独裁国家を目指して起こした争い。別名、第三次世界大戦。優性人類はその引き金となった。我々人類、最後の切り札よ。」
「最後の部分は無視してくれ。」クルー達に念のためフォローする艦長。
「実際あいつの体は凄かったぞ。筋力、各臓器の健康度、そして知性も、一般の地球人の軽く10倍は行くな。」頷くジャイアン。
「しかし、それ故彼は興味深い存在だ。」ヴァルカスカ人特有のV字型の眉を上げるスネック。
「そうです。彼から話を聞く事で歴史上の謎が一挙に解明されるかもしれないのです。」アーレ・マクガイバーは熱っぽく語る。
艦長は頷いた。
「確かに。あの時代は謎が多い。人類が初めて宇宙に一歩を踏み出しつつあった反面、暗黒の戦争が地球上を覆っていた暗黒の時代でもあった。その時代の人間が現代に蘇ったのだ。歴史学上、こんな好機は無いだろうな。」
「しかし、艦長…」不満気なドラミ・ウーラ。
艦長は聞く。
「ミスター・スネック。SSボタニーガーデンのデータは?」
「File not found。見つからない。」
「雑誌で見付けたエロページは大体それですね!」憤慨するミスター・ノビタ・カトー。
「へえ、ノビタ君てそんな物見てるんだ。いやらしい!」
「あ、いや、ミスター・チャーリーがそんな事を言ってたなあって、誤解だよう、シズカちゃん!」
金髪の通信士、シズカ・ランドに弁解するカトー。
「へっくし!」ミスター・チャーリーはクシャミをした。
「大丈夫ですか。」
「いえいえ、問題無いです。」
にこやかにカンに答えるチャーリー。
ミスター・ノビオ・チャーリーは焼酎(と書いていいちこと読む)を片手に、カンにエバンゲリオン艦内を案内していた。
彼は何と言うか、うまく言えないけど簡単に言うとアル中であり、しかも真性である。ちなみに今さっき艦長室で得意の責任擦り付けをしていたノビタと親子関係には無い。
彼は他のクルー達から邪険に扱われており、今もこうやって面倒な仕事を押しつけられている。
「エンジンのシステムを見せて貰っても良いでしょうか。」
「(グビッ)ええどうぞ。(プハー)」
機関部主任のチャーリーは彼を機関室へと案内していた。
その晩。
船の1室では「ようこそ23世紀へ! 20世紀風パーティー」が開催されていた。発案者はアーレだ。
「わざわざ私の為にこんなパーティーを開いてくれて、有難うございます。23世紀の未来の宇宙船にいるなんて、まるで夢のようです。(その割には、皆さんの雰囲気も、セット、もとい宇宙船の内装もどう見ても60年代テイストですが…)」
挨拶するカン。
「しかし、何故我々がこんな格好を?」
セーラーマーキュリー(「船乗り・水銀」)のコスプレのカーク艦長が副長に聞く。
「これが20世紀風の服装という訳さ。まあ、郷に入りては、郷に従え。こっちの習慣にも、少しは慣れてちょうだい、と言った所かな。」
ミニスカポリスのコスプレ(そこの君、そんなの無いとか言わない。)で答えるスネック。扇風機が下にあったら脳天直撃だ。
艦長は副長に聞いた事をいつものように少し後悔しながら、カンに近付いた。
「それにしても、私にとってもこれは素晴らしい経験です。まさか20世紀の人間と、現実に会う事が出来るなどとは考えた事がありませんでした。」
「そうですね。」
「ええと、20世紀のあなた方の言葉で言う所の、「ちょべりぐぅ」な気分です。「超イケてる」ですな。」
「(妙にダサい表現で腹立つね…)ああ、そうですか。」
「しかし、記録によると、優性人類は地球を暗黒時代に導いた。」
カクテルグラスを持ちながらカンに言うスネック。
「そうだ、確かにそう記録されている。」頷くカーク。
「と言う事は、あなたは人殺しなのか?」
カンを睨みつけた。
左足をバレエダンサーのように上げ、くるくると回るカーク艦長。
「月に代わって、お仕置きよっ!」ウインクしながら、バッチリポーズを決める。
「(それはマーキュリーじゃねえよ! ああ、すっげえ腹立つ…)」
眉がヴァルカスカ人並に吊り上がって行くカン。
「そんな事はない。私は確かに優性人類だが、一部の者のように他の民衆を抑圧などしなかった。」
デキスギに反論する。
艦長と副長は、何か目で合図をした。
「当時の地球人は、やはり井の中の蛙で、判断力に乏しかったのだろう。」腕を組むスネック。ピチピチかつミニスカでとてもセクシャルヴァイオレットナンバー1だ。
「ああ、あなたに言い忘れていたが私はヴァルカスカ人、地球人ではありません。あなた方地球人よりも遥かに知性を持つ種族です。私の地球人への気持ちを一言で言い表わすなら、「あんたバカぁ?」と言った所でしょうか。」
カン(忘れていたが格好は綾波のコスプレだ。今までずぅーっと)はその言葉に露骨に嫌な顔をした。
「あんた見てると、ホント人形みたいでイライラするのよ。」
ムカ。
「あなたにだけは、私の弐号機に触って欲しくないの。」
ムカムカ。
「何よ、シンジの悪口言われるのがそんなに不愉快?」
怒り心頭、という表情になっていたカンはここまで来て、ふと笑った。
「はは、はっはっはっは。」
「どうされました?」シンジリラのコスプレで聞くアーレ・マクガイバー。
「そうか、そういう事か!」カンは痛快そうに笑っている。何かカタカナ3文字の言葉を必死で付け足したがっているミスター・スネック。
「いや、君達2人の演技力には恐れ入るよ、艦長、副長。つまり君達は私を怒らせて、感情のコントロールを失わせたうえで私の事を聞きだしたかった訳だ。しかし残念だが、私は君達に言うべき事は何も覚えていないのさ。」
艦長と副長を愉快そうに見やる。
「いや、仮に何かを心に持っているとしても、私はそれを覆い隠す事が出来る。それくらい、優性人類の知性を持ってすれば訳無い事だ。ところで副長。」
ヴァルカスカ人は感情を示さないので、地球人のカークと異なりスネックは「やられた」という表情は顔に出してはいない。
「何だ。」
「いや、最後の台詞運びは見事だったよ。私がアヤナミストだと何処で分かったんだ?」
「はあ? 何処でって、あんた…(本当に優性人類か?)」
寒い風の吹くパーティー会場。
しかしそんな中、シンジリラ(マクガイバー博士)は綾波(カン)に何故かお目目はぁと型になっていた。彼女はモッコリフェチ(断じて作者が今勝手に作った言葉ではない)だったのだ。
翌日。
コンピュータを調べていたミスター・スネックが艦長に報告する。
「艦長。データベースに、カンの事が書いてあるぞ。」
艦長席のデキスギ・ヒデオ・カークは顔を上げた。
「どうなっている。」
「まあ、言ってみれば、「状況は芳しくないわね」、と言った」「どうなっている、と聞いたんですけど。」
「戯言さ。気にするな。」艦長は、スネックに素で喋らせれば充分カンを怒らせる事が出来たであろう事を今更ながらに気付いた。
「カン・アカンベーダー・シン。当時の優性人類のリーダーの一人。」
「何だと!」この時艦長はそんな重要人物の検索に24時間弱かかる艦のボロパソコンにつくづく嫌気がさした。
「まだある。彼は1992年から1996年にかけてアジア全域、全地球のおよそ4分の1を占める大帝国を支配していた独裁者だ。正に、「白旗でも挙げますか」と言った」
「第一種警戒体制! 至急カンを拘束しろ!」
ドラミ・ウーラとドラ・チェコフがカンの部屋に急行する。
しかしそこは既にもぬけの殻だった。
ピロピロ。(別に飲んでいるわけではない、通信機の発信音だ。)
「艦長、カンが姿を消しました! ピロシキ(くそっ)!」
「何だと! 奴め、何処へ行った!」
「僕ならここさ。」素晴らしすぎるタイミングでリフトからブリッジに入ってくるカン。作者手抜きの御都合主義全開である。
そしてカン(未だにプラグスーツ)の後ろには、色鮮やかな方々が並んで入って来る。皆さんやや太めか、眼鏡をかけてらっしゃる方が多い。男性の場合長髪の方も多うございます。何だかフケや寝癖が目立つのでございます。目が死んでいるのでございます。全体としてイケてらっしゃらないのでございます。
「お、お前達は!」立ち上がって応戦しようとするミスター・カトー、意外に勇敢だ。
「ノビタ君!」見守るシズカ・ランド。
「みぎゃーっ」しかしカンの後ろからやって来た人間の一人にかるーく腕をひねられてしまった。
「良いわノビタ君、もっと行っちゃって(、向こうの世界に)!」手に汗とキュウリを握って観戦している、実は「女王様」なシズカ。
「他の優性人類達も、目覚めさせる事に成功したのだな。…大ピンチって、奴か。」最後の部分だけハスキーな女声で言うスネック副長。
「ふっ。」鼻で笑うカン・アカンベーダー・シン。
「未来の人間と言っても、所詮お前達は劣性の人類だ。我々選ばれし種から見れば、お前達は、華原朋美のM○sic
Cl○mp程の価値も無いな。」
「何だと!」いきり立つカーク艦長。
「ふっ。(全く、アイドル番組のクイズで下世話な引っかけ問題に素直に「おちん○ん」と絶叫していた遠峰ありさ時代が目に染みるぜ…それに比べて今のあんた、背中が煤けてるぜ…頭もね。)」
「しかし、これだけ優性人類がいればさぞかし歴史学者氏はお喜びだろうよ。」皮肉屋のドクター・タケシ・マッコイはチクリ、と言った。
「ええそうですわ! ダ・バンプ並におしゃれ関係ですわあ!」引用が多過ぎて台詞の意味が分からなくなっているアーレ・マクガイバー博士が、優性人類達の後ろから現われて来た。両手を組んで、目はハート。口の両端から唾液が土石流の如く流れている。
「うぃー。っく。(そ、そんな!)」驚愕するミスター・ノビオ・チャーリー。
「愛の為、正義を裏切る悲劇のヒロイン!! 正におしゃれ関係!」勝ち誇ったように叫ぶマクガイバー博士。
「悪いが、この船を乗っ取らせてもらう。この船に来た時から、彼、チャーリー君に艦内を案内してもらっていたので、この船の構造は把握している。」
全員がトロイ、じゃなかったチャーリーを白い眼で見る。
「ちょっと待て! 艦を案内するのは艦長の命令だったろ! 別に俺の責任じゃないぞ!」
何だ、ちゃんと喋れるんじゃないですか。
「まあ勝手にし給え。私達は顔を見せに来ただけだ(演出上な)。一旦ボタニーガーデンに戻っている。」カンがそう言うと、優性人類達は自分達の船へ戻って行った。
「一体彼等は、何をするつもりなんだ…」拳をきつく握り締める艦長。
「これもあなたのシナリオの内ですか、と言う所かな。」
「無理矢理使うな。「あなた」って誰だよ。全然分かんねーよ。」
「…そうだな。」
異常に最初に気付いたのは、ずっと興奮して何故かキュウリを握り締めていたシズカ・ランド通信士だった。
「はぅ。」
ミスター・カトーが後方の壁で計器を操作しているシズカに振り向いた。
「どうしたの、シズカちゃん?」
「う、ううん、何でもな…」ばた。
「シズカちゃん!」
「ごめんなさい、私、あなたに大事な事伝えようと思って…」また勝手に台詞を付け足しているスネック。表情が無いのではっきりとは分からないが、どうも相当楽しそうである。
「シズカちゃん!」立ち上がったミスター・カトーも
ばた。
床に倒れた。
艦長が腰をあげる。
「これは、まさか!」
「彼等はエバンゲリオンの生命維持装置をオフにしたらしい。」腕を組むスネック。
「何という事だ…」
艦長は苛立たし気に聞く。
「この船には無いのか? あの、飛行機で席の上に収納されててイザという時にぷしゅーって出て来る奴。」
「ありません。って言うか今の状況でそれがあっても無意味です。」呆れながら伝えるドラミ・ウーラ。
「マクドナルドモスクワ店(何て事だ)!」
作者の手抜きで描写なしにバタバタと倒れて行く皆様方。
「うぅ…く…ぅぐ…うう…」ばた。
艦長死亡(ウソ)。
「有難う。君に逢えて、嬉しかったよ…」ばた。
とうとうスネックまで倒れてしまった。
数時間後
再びエバンゲリオンの生命維持装置は作動しだしている。しかし弱り切ったクルー達は再び船にやって来た優性人類達に包囲されていた。
各クルーに数人の見張りが付き、動けない状況の彼等。
「皆さん聞いて下さい。これよりこの船の監督権は、私が握りました。」
ブリッジに戻って来たカン・アカンベーダー・シンは得意満面に乗員達に呼びかける。
「抵抗は無駄です。私達優性人類は、知力体力時の運全てにおいてあなた方の10倍以上の能力を誇る。グアムでじゃんけんに負けて「東京直行」の皆さんとは質が違うのです。」
頭に血が昇ぼりやすい性格のデキスギはすっくと立ち上がった。
「どうされました、元艦長。」
「私は元艦長などではない、この船の現艦長のカークだ!」
「ほほう。」カンは何処からかムチを取り出した。やれやれ、と頭に手をやるスネック。
ぴしゃ。ぴしっ、ぴしっ。
「ぎゃーっ、血、血ぃ出た、血!」
「綾波にムチ! もはや常識でしょう。」遠くのお星様へ飛んでしまっている目でカークをシバキながら呟くカン。
カンは高らかに宣言した。
「これから皆さんが私に歯向かうとどういう事になるかをお教えしましょう!
連れて行け。」
カークは、優性人類の2人に腕を引きずられてずるずるとブリッジから出て行った。
「皆さん。これがかつてこの船の英雄を気取り、今、愚かにも私に歯向かおうとした男の憐れな最期です。」
カークは独房のような場所にいれられ、その姿がモニタで全艦に映し出されている。(にしてもこの時代の話って善と悪がはっきりしてて分かりやすい。)
ウィーン、と言う不気味な音が響く。
「な、何をしている」厚い窓ガラスの向こうのカンを睨み、うめくデキスギ・ヒデオ・カーク。既に苦しそうだ。
「少し、君の部屋の気圧を下げているのさ。ここが科学実験用の減圧室であるという事も忘れたのかい?」
「グ…く……うぅ…」もがくように差し出した右手を床に置き、カークはゆっくりと目を閉じる。
ブリッジではそんなカークを各クルー達が見ている。驚愕するカトー、険しい表情のドクター、目をグーの手で覆うウーラ、冷静に状況の判断に務めるスネック、気にせずどら焼きにネコ夢中のチェコフ、何故かお風呂に入っている(サービスシーン)ランド。
「待って!」その声はカンの隣から発せられた。
「お願いですから、彼の命だけは助けて!」カンに寄り添うように居た、アーレ・マクガイバー博士だ。
「な、何を言う。お前、もしかあの男と」
「そんなのじゃありません。」涙に頬をぬらすアーレ女史。
「でも、でも、死んじゃったら嬲って楽しめないじゃないですか! 生かさず、殺さずが基本でしょ!」
「(そうか、確かにそうかも!)」ショックを受ける優性人類達(とクルー)。
目をつぶって一人しきりに頷いているミスター・スネック。感動しているらしい。
「さあ、速く!」
アーレの声にせかされ、カンは減圧室の気圧を少し戻した。意識を取り戻すカーク。
「ぬ、ぐ、ぐぉおおおおお」渾身の力を振り絞りドアに突進する。
「ふっ、馬鹿な事を…」
ピ、ポ、パ、カチャ。
ドアのそばのパネルを操作するカーク、減圧室のドアは呆気無く開いた。
「え、え、えええ」声が素になるカン。
「馬鹿たれが。実験設備だから、不慮の事故に備えて常に内側からロックが外せるようになってんだよ。」
「あ、そういえば…」なるほど、と手を叩くアーレ博士。
「あんた知ってたんか!」激昂するカン。
「忘れてましたぁ。アーレ失敗、てへっ」
「てへっじゃねえよてへっじゃ!」
自分の姿が全艦に流れている事を推測していた艦長が、叫ぶ。
「ドクター、歌え!」
数分後。
耳を手でしっかり押さえ、音波を見ぬように目もつむっていたクルー達が恐る恐る目を開くと、見るも無残な惨状がそこには広がっていた。
優性人類達はことごとく倒れ、意識を失っている。
「俺の…世界も…ここまで…か」カンは、「アフロ」と書かれたスイッチを押そうとしている。この船の自爆スイッチだ。
「させるか!」カークがカンに体当たりをし、「アフロ」のスイッチは投げ飛ばされる。そのままカンに殴る蹴るの暴行を加えるカーク艦長。何故か目が血走り、口が半開きでニタニタ笑っている。とっても楽しそうだピー。
そしてカンを始めとする優性人類達は取り押さえられる。
エバンゲリオン零号機はその危機を脱した。
「…って、そもそも最初からドクターが歌えば良かったんじゃないか?」口を挟むスネック。
「ふん、誉めたって何も出ないぞ。」渋く返すマッコイ。いぶし銀である。
「いや、全然誉めてないぞ。」
「ふっ。お前達は、私達の力をまだ分かっていないようだな。いつか星を征服して、またお前達の前に現われてやるからな。」
転送室で、常にフェイザーを向けられながらも堂々とした態度でカーク艦長に言い放つカン。
「勝手にしろ。…いや、その方が伏線的には好都合だしな。と言ってもこの話の続編は、さすがに私も無いと思うが。」
確認するように呟く艦長。
「どうせエヴァキャラと違ってお前達は暇なんだろう。めぞんDORAでも何でも作って、出てやれば良いさ。かっかっかっか…」
カンは転送されて行った。最後まで綾波の格好で。
医療室ではその頃、一人の白衣の女性が別の船の知り合いから頼まれた通販商品の改良研究をしていた。
「全くドクター・リツコジージ・クラッシャーったら、変な物また作って。何、「これさえ付ければ、あなたもパーティーで人気者。好みの顔に大変身!」ですって?
こんなの付けたら顔と体のバランスが崩れちゃうじゃない。」
タマゴ・チャペル、当船の看護婦長である。出番が無かったので最後に無理矢理引っ張りだされている。ちなみにミスター・カトーと親子関係には無い。
「そうだ、思い切ってもっと顔を大きくさせて、最初からジョーク商品にしてしまうのはどうかしら。…駄目ね、あの人、こういった冗談分からないから。…そうだ、この際「この方が売れる」って言ってヤツに真面目な顔で巨大顔を売らせて、恥をかかせてみるのはどうかしら。…ふふ、ふふふふ、ぐふっぐふっ、おーほっほっほ」
今日も医療室に名物のお叫びがあがっていた。
つづかない
次回予告
しずかの突然の告白はのび太に衝撃を与える。子供らしい憧れから、男女の恋愛への感情の変化に戸惑いを隠しきれない2人。一方ジャイ子はそんな2人を見て不愉快に感じる自分に気付く。自分はただの幼馴染ではない、やはりのび太を愛していたのだ。女手一つで孤児ののび太としずかを引き取り育てて来た玉子。彼女は、夜、自分達の家にずぶ濡れになってやって来たジャイ子に驚きを隠せなかった。次回「真冬のちびっこ達」第3875話、「ラブラブコロリンの巻」。御期待下さい。
のび太「何と言うか…」
スネ夫「いや、中々面白いじゃないですか、野比さん。」
のび太「しかしこれは、いや、これも、間違いなく盗作ですよ、骨川さん。」
スネ夫「それは厳しく解釈し過ぎという物でしょう。そもそも私達がこう丁寧語で喋っている事が何処かの国の特許になったりは、していませんよ。」
のび太「それでは骨川さんは、この文体には著作権が発生しないとおっしゃる?」
スネ夫「そこまで言うつもりはありませんよ。まあ、これ位のパロディは、洒落として許せる範囲の物ではあるかもしれない…低級ですがね。」
のび太「はあ……しかし嬉しそうですね。」
スネ夫「別に嬉しいという事はありません。しかし私が頭脳明晰なヴァルカン人という設定は、中々的を得ていて的確であったな、と。」
のび太「どうでしょう。出来杉君はともかく、あなたが頭脳明晰だと言う設定は、少なくともどらえモン本編では聞いた覚えがありませんが…」
スネ夫「それはあなたが不勉強と言う物です。それに、真実の私はむしろド○大の方で描写されている訳ですから。」
のび太「……伏せ字ですか、一応。」
スネ夫「今更ですがね……。」
のび太「ところで、この話の解説を少し頼まれているんですよ。作者の方から。」
スネ夫「的確な配役を見せた作者の方から。」
のび太「……そうでしょうか? そもそも私がヒカル・スールー(ミスター・カトー)だと言うのは、正直納得が行かないのですが…私は主人公でしょう?」
スネ夫「やはりそれが不満でしたか。しかしこの部屋では、「新」エヴァントレックでも、本来主人公たるシンジ君はクラッシャー少年という脇役に甘んじている。これがここの作者氏のやり方なのでしょう。…つまり、あくまでキャラ本体の価値を理解し、的確な役に配置する。あなたの価値は「脇役の東洋人操舵手」以上の価値は無かった、と。」
のび太「ぶちコロス……それで、彼から解説です。ええ、この話は「新エヴァントレック」のほぼ100年前にあたる2260年代の話で、こちらが本家、オリジナルの元祖「エヴァントレック」にあたると…その為、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の大先輩にあたる「どらえモン」のキャストを使用させて頂いた。…中途半端に卑屈ですね。」
スネ夫「しかし、何故私達なのでしょう? つまり、スタトレという非常にヲな題材で、エヴァ小説界で有名であるとはいえ、私達を選ぶというのは? …例えばガンダムや、ヤマトでなく。」
のび太「やはりそれだけ私達が偉大だと言う事でしょう。」
スネ夫「それもあるでしょうが…恐らく彼はガンダムやヤマトを知らないのでは?」
のび太「なるほど…。やはり良い加減な作者であるという事ですね。」
スネ夫「いや、それは少し違うのですが…」
のび太「そろそろ帰りますか。」
スネ夫「やはりここでも、オチのない終わり方でしたか……。」