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総合 (ろぐ206)
ここはわたくしフランソワが逃げた兄に代わり仕切っていた(過去形)掲示板の跡ですわ。
大体何でも好きに書き込んで下さって構いませんわ。わたくしが気に入らない書き込みはプチ消しますけれどもね。


祝新宮様ご誕生(笑
No. :56
Name 岡島
Date :2001/12/04(Tue) 11:37

逝去する方あり、誕生される方ありということで(笑。

けんけんZさんへ

>貧困や差別や紛争より「もっと根が深い、何か」を抱え
>ているのが「テロの世紀」なんじゃ無いだろうか、と感
>じます。

テロリズムというのは政治思想というよりは政治運動なん
でしょうね。そういった「破滅志向」型の政治運動につい
ては、ハンナ・アレントというおばちゃんが50年前に「全
体主義の起源」(大島和郎訳、みすず書房)という本で考
察しているので、お勧めします。あとエーリッヒ・フロム
というおっちゃんも「自由からの逃走」(日高六郎訳、東
京創元社)という名著で社会心理学の立場から

>むしろ根が深いと思うんですよね>破滅志向

を論じているので、これもお勧めですわ。

あと、

>「常設国連軍を設けて紛争の調停、停戦監視の他、実力
>行使も有りうる組織とする」ってのはどうでしょう?

というのは、集団安全保障制度の考え方の基礎です。詳し
い事は省きますが、国際連盟の失敗を踏まえて国連憲章に
そのための条文(第43条から第47条まで)があります。た
だ政治的環境がまったく整わないために、そのような「国
連常備軍」は(夢物語のまま)現実には存在しないという
ことなのですわ。ちなみに国連平和維持活動は国連設立当
時にはまったく予定になかったもので、泥縄式に(いきあ
たりばったりで)発展したものです。

「計画倒れ」というのは、人間の常のようです(笑。

それと実務的には「平和維持活動」と「軍事的強制行動」
を両立させるのは極めて難しいということは、コンゴやソ
マリアでの経験で実証済みですわ。「平和維持活動」の場
合は、国連に中立性が求められるのに対して、軍事制裁の
場合は「紛争の当事者」になってしまうからです。その観
点からアフガンでの多国籍軍駐留問題を考えてみてもおも
しろいと思いますよ。

あと日米安保の問題ですが、コスト・ベネフィットの問題
はもちろんですが、決してそれだけではないと思いますよ。
私が親英米派ということはありますが(笑、「日本の国益
とは何か?」ということを「現実的に」じっくり考えてみ
てもいいと思います。

最後に「自由党」ですが、小沢さんが戦前に政治家として
存在していれば「左」と罵られていたことでしょう(笑。
外交政策としては意見は一致するのですが、「公共の利益
と人権の両立論」で支持できないのが残念です(笑。「公
共の利益論」は国際的基準から見れば、説得力のない議論
なので。

民主党は・・・、左派が社民党に戻ればすっきりするのに(笑。

それでは、また。

ジョージ・ハリスン氏 逝去
No. :55
Name けんけんZ
Date :2001/12/01(Sat) 06:02
E-mail ken-kenz@kk.iij4u.or.jp
Website http://www.kk.iij4u.or.jp/~ken-kenz/kurige/

 久しぶりにビートルズを聞いたり<分かりやすいヤツなのです(苦笑)。

「世界を変える事は出来ないかもしれないけれど、世界をどう感じるか
は一人一人が変えていく事が出来る」……ジョージではなくジョンの考
え方ですが、今ビートルズが見直されるのは意味が有ると思います。

 端的に言えば「共感能力」でしょうか。

「疎外感」と「絶望感」が自死をも厭わない過激なテロを産む。
 それを感じるのも感じさせるのも「人々の考え方」だと思うんですよ
ね……とか断言しちゃうアタリが「左向き」なんですけど(笑)。
 でも突き詰めて考えると「世界がそこに有る」のかどうかは分からな
い。実際には「世界が有ると感じている自分が居る」だけなワケで。
 世界を破滅に導くのも自分一人が絶望するのも結局は同じ事だと思う
のです。

 アルカイダの指導者達は、主に裕福な資産家や高学歴のインテリ層の
出なわけで、貧困と地域紛争を解決すればテロは無くなるかと言えば、
話はそうも単純では無い。
 日本でもオウム真理教が「破滅テロ」を志向して自らを破滅に導きま
したが、その中で指導的役割を担った人物も「残念ながら師を誤った」
以外は「むしろ尊敬される人格と能力を備えた者」と裁判所すら認めて
るわけで、むしろ根が深いと思うんですよね>破滅志向。

 貧者や被差別者が自棄を起こして暴動するのとはわけが違う。
 貧困や差別や紛争より「もっと根が深い、何か」を抱えているのが
「テロの世紀」なんじゃ無いだろうか、と感じます。

 遅くなりましたがレスですm(_ _)m

行里さん>

 レスどうもです。
 いきなりですが、まあ一つの究極的な理想の空論を聞いて下さい(笑)。

「常設国連軍を設けて紛争の調停、停戦監視の他、実力行使も有りうる
 組織とする」ってのはどうでしょう?

 そのぐらいじゃないと地域紛争やテロとの戦いを強いられる今世紀、
国連のプレゼンスや期待される役割は全うできないんじゃないかなと(^^;
 実現までの道程は言うまでも無く困難ですが、最終的に目指すモノが
有っても良いのかなあと思うんですよね。
 ただそうなった時には米国が国連を離脱しそうですが(爆)。
 それでは元の木阿弥と言うか、第一次大戦みたいな状況で(^^;

 私の理想とする「紛争の調停者」は、自ら紛争地域を平定できる実力
を備えた国連軍なのです。有り得ないですけどね(笑)。
 アメリカの国益とアメリカの軍事力を切り離す事は、アメリカの国論
からすれば無理だと思います。何の為に軍事費と兵器の開発費に大金を
つっこんどるんじゃ、と、国連そのものに分担金を払うにも渋々の米国
世論が到底納得しない事は想像に難くない。

 それでも世界はアメリカとは別の「実力者」を望んでいる、と思うん
ですよね。まあ国連が大きくなれば今度は国連が憎まれ役になるだけの
事なんでしょうけど(苦笑)、アメリカ一国がグローバリゼーションの
「仇役」になってる現状よりはまだマシかもと。

 ただまあ、そうなったら今度はアメリカと国連が敵対しそうでコワイ。
普通の国には「アメリカとその同盟国」という枠組みと「国連全部」と
いう枠組みのどっちを信用するかなんですが、アメリカにとっては
「自分とこか、それ以外か」になっちゃいますから承服しかねるでしょ
うね。それを認めた大統領は国益を損なったとして再選されないでしょ
うし、なにより「愛国心」と「国連主導」が相容れない国ですので(^^;

 かと言ってアメリカの軍事力を抜いた国連軍には実力なんぞ有りませ
んので、冒頭申し上げた通このアイデアは単なる絵空事なのです。

 というアタリが前回への補足。
 残りはレスです。

>北部同盟はマスード司令官の政治顧問だったアブドラ外相の存在が
>大きいようですね。イランがタリバン穏健派の政権参加を容認する
>姿勢を見せたことに、やや意外な印象を受けましたが、果たしてど
>うなるのでしょうか。

 やっぱり外部より内部の「出世レース」が波乱要因では?(^^;

 軍功を上げた彼らと国外に亡命した「元国王」ではどうやっても折り
合いつかないでしょうが、互いの軍功や指導力をどう受け入れて行くか
というプロセスはもっと難しい。
 故マスード将軍が存命なら思想的に指導者の地位に足ったかも知れま
せんが、ドングリの背比べしてる仲間が自分を差し置いて出世する方が、
関係無い人間が加わる以上に受け入れ難いのはまあ心情的にも理解出来
ます。
 ある意味アルカイダがアフガンに残したもっとも深い爪痕は、マスー
ド暗殺であったかもしれないと思う今日この頃<ボン会議の印象(笑)。


 さてその他ですが……タリバンの真実は闇の中ですな(-_-;)

 恐らくオマル師が殉死し大半が投降すれば、その後は裁判という事に
なるのでしょうが、ビンラディン氏やオマル師に関してはアメリカが非
公開の軍事法廷を用意してるようですから、生きて捕縛されると逆に、
実際のトコロが分からなくなると言う状況。
 口火を切ったスペインはじめ、大統領直轄の秘密軍事法廷にはEU全体
として犯人の身柄引き渡しに慎重姿勢で、アメリカ国内の政策ブレーン
からも行き過ぎを引き戻そうとする動きが有るみたいです。
 実際にはビンラディンが法廷に出てくるのはマズイでしょうから、
「戦死」が「落とし所」なんでしょうね(^^;

 いっそアメリカが「正義」と言わず全部「国益」と言いかえれば世の
中丸く収まるのかもしれないとか思えてきました(笑)。
 詭弁で体裁繕われるより遥かにマシかも。

 ま、次の焦点は何を口実にイラクに空爆するかですが(^^;

 最後に。

>「総論」の部分が足りない等苦情がありましたら、お申し付けく
>ださい。(笑)

 そうですね、疑問が残るのは「日米安保に対するスタンス」かも。

 安保を「安全保障のコストメリット」から重視されていますか?
 それとも「米国との絆を弱めない為に必要」と思われてますか?

 分かりにくい例えですいませんが、そこのトコロが良く分かりません(^^;

 私は「独自の軍備で中立を保持するよりも安上がり」と言う考え方は
アリだと思います。が、「アメリカと喧嘩しない為の安保」では危うい
と思うんですよ。アメリカは決して間違えない国ではないですから(^^;

 ですから安保に対しても是々非々で受け入れるべきかと考えます。
 アメリカの方針を「無批判に受け入れる」不平等な同盟国であっては
いけないと思っていますので、拙速な政策決定には異を唱えたいと思う
事も有ります。

 そこのトコロが最初の「スタンスの違い」じゃ無かったでしょうか?


岡島さん>

 私の場合イチローを見て「大リーグでも活躍するイチローは凄い」と
思い、新庄を見て「大リーグはひょっとして」と思ってしまいます(笑)。
 二人が同じ年に渡米して良かった気が(^^;
 結局「野球というスポーツに求められる最高のレベル」は世界中どこ
へ行っても同じと言う事ですかね。

>実際のところ、(「理想」そのものが間違っていないこと
>を前提として)「理想」と「現実」のバランスが重要かと思います。
>要はけんけんZさんがおっしゃったように、理想の「実現可能性
>の点検」が必要だということだけですね。

 ええ、まさしく。
 なので私は朝日的主張には「実現可能性はどないやねん」と不満を持
ち、自民党的政策には「長期的な国家展望は有るんかい」と不満を持つ
のです(笑)。

 今回小沢氏を評価したのも正にそこなんです。
 国防上のコストメリットから安保の破棄は無いと、アメリカとの連携
は強い状態を保持するのが国益なんだと、そうはっきり主張した上で、
「拙速はダメ、憲法改正を視野に入れた将来像を描くべき」として自民
党の「場当たり」に反対票を投じた。
 これ、旧来の保守・与党からは出て来なかった主張だと思うんです。
 言うなれば「右寄りの理想論」ですよね。今まで無かったので新鮮。
 私は小沢氏の描く将来像には同調しませんが、彼の政治手法とその実
現に向けた歩みが旧来の保守の主張より正論・王道であると感じます。

 また、軍縮と平和を同じレールの上で語るオタカさんが反対するのは
分かる。その主張に納得するかどうかは別にして筋が通ってるから(笑)。

 しかし野党第一党の鳩管は……どうなんでしょうね?(^^;
「政権担当能力」と書いて「場当たり」とでも読むんでしょうか?

 別に反対しろとか賛成しろとかそういう事を言いたいんじゃないんで
すよ。民主党の描く日本の将来像がどういうモノで、そこへ向けてどう
いうステップが必要で、今この法案に投じる賛否がどういう意味を持つ
のかと、国民に説明できなければ仮に政権交代したとしても、看板の違
う自民党がもう一個有るだけで何も変わらんと思いました。
 なんせ党内の議員も納得させられないんだからどうしようも無い(苦笑)。

 そーすると次の選挙では消去法で「小泉内閣の構造改革を支持」する
しか無いのかなあと憂鬱になるんですわ。その辺がフラストレーション
ですねん。受け皿が無いとはこう言う事かと(笑)。
 ま、橋本派が別の党派だったら小泉内閣の政策実現に向け一票投じる
のもやぶさかではないんですけどね(^^;

 次の国政選挙までに「政界の構造改革」もお願いしたい所です>首相

そんでわ(^_^)/~

イチローと新庄の活躍を見ると、大リーグと日本のプロ野球のレベルはそんなには変わりがないのかなぁと勘違いしがちな今日このごろ
No. :54
Name 岡島
Date :2001/11/24(Sat) 19:07

けんけんZさんと行里さんのカキコミに対して2,3コメントを。

「現実論と理想論」という区分は確かに分かりやすいものなので
すが、かなり相対的な区分で大雑把な捉え方なので、注意は必要
です。実際のところ、(「理想」そのものが間違っていないこと
を前提として)「理想」と「現実」のバランスが重要かと思います。
要はけんけんZさんがおっしゃったように、理想の「実現可能性
の点検」が必要だということだけですね。いわゆるアサヒ・日教
組的思考と呼ばれるものはこの「実現可能性」を点検していない
考え方としか思えないので、知的に怠けているなぁという印象が
あります(行里さんのおっしゃる左翼の「御伽噺的世界観」に対
しても同様の印象を得ています)。その意味でけんけんZさんの

> 教条的理想論」から「現実的な中道路線」へとスタンスを移
> していかないとアカンと言う自覚

は大切なことだと私は思います。

あと、メディア環境を整えるのも大切ですが、やっぱり個々人の
「メディア・リタラシー」を育てる事の方が大切だと思っていま
す。最後には個々人の実力に行き着くことは古今東西変わらぬ真
実だと思いますので。

それと、

> これに懲りて立場が違う人との意見交換はメンドウだ、とな
> らない事を願ってます(^^;

というご指摘には感謝しています。基本的には「立場が違う人と
の意見交換」は好きなのですけどね。ただ「(立場がどうであれ)
話の通じない人との意見交換」が苦痛なのは否定できませんが(笑。

それでは、また。
Ichiro captures AL MVP
No. :53
Name 行里
Date :2001/11/24(Sat) 01:14
E-mail yukisato@mcn.ne.jp

はるか昔のレスですいません。
岡島さんとけんけんZさんが、論点を丁寧に整理してくれたおかげ
で、だいぶ見通しが良くなった気がします。さて、私が何か付け加
えることがあるかどうか、少し考えてみました。

○「理想論と現実論」
けんけんZさんがおっしゃっている事柄は、「理想論と現実論」と
いう捉え方もできるのでしょうが、それとは別の意味も読み取れる
と私は思います。アメリカが、世界の警察として振舞うことの、是
非に繋がるのではないでしょうか。それは、国際安全保障をどう捉
えるかという問題とも関係するような気がします。

岡島さんが、けんけんZさんの
>「北部同盟を武装解除しアメリカ(もしくはPKF)が停戦を実現する」
という提案についてコメントされていますね。実現の可能性が難し
いという岡島さんの指摘は、それはそれで正しいと思います。
ただ、私はこの提案は、アメリカの力で実現が可能かどうかという
こととは別に、アフガニスタン国民や周辺諸国の理解を得ることが
難しいのではないかと感じます。
「アラブ人テロリストと一体になったタリバン政権が、アメリカに
攻撃を加えた。それに対する対抗措置として、アメリカがタリバン
との戦争を始めた」
そのような説明が、一番分かりやすいのではないでしょうか。タリ
バンと北部同盟に対してアメリカが中立を装うというのは、地域に
不信感を煽るだけで、戦後の新政権作りに対して悪影響を与える。
アメリカの傀儡政権という、イメージがついてしまいますから。
調停者は争いが一段落した後に登場すべきであって、その意味で治
安維持のための多国籍軍にアメリカの関与を減らすという現在の方
針は正しいと思います。

そういえば、ひつぢ小屋掲示板で、岡島さんが、ホッブスを話題に
だしたことがありましたね。あれも、『リヴァイアサン』の「万人
の万人に対する闘争」が「万国の万国に対する闘争」と読み替えら
れて、国際政治の基本原則になったということだと、私は解釈しま
した。つまるところ、国家と国家の関係というのは、猜疑心の体系
であると。
こう表現すると何か悲観的なようですが、そう悪いことばかりでも
ない。自分のためにもなると思えばこそ、支援の持続性も期待でき
る。国益は文明の違いを克服すると、私は考えます。

アメリカはタリバンと戦争をする正当なモチベーションがあるのだ
から、速やかに戦争を終わらせるように努力すればよい。日本はア
フガニスタンの戦後の復興に協力すればよい。これが私の結論です。
「タリバン政権には良い人(穏健派?)もいる」という意見もある
かもしれませんが、それはタリバンが降伏した後に、新政権に加え
るかどうか検討すればいいことだと思います。

というか、けんけんZさんのおっしゃる通り、すでに政権構想の駆
け引きの段階になってますね。(^^ゞ
北部同盟はマスード司令官の政治顧問だったアブドラ外相の存在が
大きいようですね。イランがタリバン穏健派の政権参加を容認する
姿勢を見せたことに、やや意外な印象を受けましたが、果たしてど
うなるのでしょうか。


○アメリカの国力に対する過大評価
岡島さんの50の書き込みとけんけんZさんの51の書き込みを読んで、
少し前の朝日新聞の夕刊に掲載されていた、岩井克人(経済学)の
「テロリストの誤った世界認識」という文章を思い出しました。
webになかったので、少し引用します。

「今回の同時多発テロは世界認識における誤りでもある。世界の中
でアメリカの存在感が突出しているのは、アメリカが世界の「基軸」
国としての位置を占めているからにすぎない。ドルが世界の基軸通
貨だというのは、世界中の国々がアメリカと取引するためにドルを
大量に保有しているという意味ではない。日本と韓国との貿易がド
ルで決済され、ドイツとチリの貸借がドルで行われるということな
のです。同じことが英語に関してもいえ、日本人と韓国人、ドイツ
人とチリ人の間の対話がアメリカの言語でしかない英語を媒介とし
て行われているということなのです。このような基軸国と非基軸国
との関係は、すべての国に一票という国連的な平等意識を逆撫でに
する。だがそれを支配と従属の関係と見なしてしまうと、事の本質
を見失ってしまう。どうやら私たちの頭脳は世にあるすべての非対
称な関係を支配と従属の関係として理解するようにプログラムされ
てしまったようです。それは簡明直截で、未だ世界で広く認識され
ている世界認識だけれど、不幸なことに、グローバル化された現代
においてはもはや誤謬でしかありません(大意)」

「悪い王様」をやっつければ世界が良くなるという、まるで御伽噺
のような世界認識。しかし、日本の左翼もこれと同じ発想で物事を
考えてきたのではないでしょうか。私は、これが取り立てて新しい
誤謬だとは思いません。
70年安保の時に、三島由紀夫が東大全共闘と対話したとき、「朕は
たらふく食べているぞ」という野次がとんだ。三島は「そういう下
品な文句は、君達の大嫌いな民青が作る文章だ」と応じたそうです。
そのころから全く進歩していない日本の左翼が、私は余り好きでは
ありません。


そうそう、けんけんZさんが薦めてくれた『カブール・ノート〜戦争
しか知らない子供たち』(柴田芳幸、幻冬社)を読みました。著者
が見聞きした範囲で、誠実に書いてある本だと思いました。

>「民主主義的に正しくない」という一方的な価値観でもって国際社
>会は認知しなかった。
>重要なのは「タリバンが望んで孤立した」訳じゃ無いって事。
>国際社会の側が彼らを「秩序の側」に受け入れられなかったんです。
>その辺は山本芳幸氏のカブール・ノートに詳しいので、一度目を通してみ
>て下さい。http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/

ただ、私が『タリバン』(講談社、アハメド・ラシッド 著)を読
んで、タリバンに対してけんけんZさんと全く逆の印象を持ったの
も事実です。主観の問題なら仕方が無いですが、けんけんZさんが
見落としていらっしゃる事実もあるのではないでしょうか。
世直し運動としての「タリバン神話」は、94年の誕生から、南部諸
州を制圧したところまで。国連の調停を振り切ってカブールを攻撃
した95年以降は、当てはまらないと思います。
たった3カ国しかタリバン政権を承認しなかったのは、世界が偏見
に満ちていて傲慢だったからなのか。それともタリバンが、イスラ
ム諸国にとっても不信と困惑を引き起こす存在だったからなのか。
いずれにしても、過去のものとなりつつありますが。


反応が鈍くてすいません。m(__)m
「総論」の部分が足りない等苦情がありましたら、お申し付けく
ださい。(笑)

続報(?)
No. :52
Name 行里
Date :2001/11/20(Tue) 19:51
E-mail yukisato@mcn.ne.jp

下記は、先週用意して、投稿するのをためらった文章です。
時期をはずして間抜けな内容ですが、衛星で鯖さんに対して発言してそのままというのもどうかと思いましたので。
けんけんZさんに対するレスは後ほど。m(__)m

======================================================

別に善人ぶるわけじゃないですが、鯖さんの主張というのは、私はさほど特別に珍しいものとは思っていません。
実際、毎日新聞のサイトの一般投稿などを読んでみても、似たような意見というのは、一定数ありますから。
社民党の原よう子議員の「ざまーみろ」発言なども、同じ根を持っていると思いますし。
(鯖さんの文章に誇張が含まれていることを除けば。)
もちろん、私自身は別の意見を持っているということです。

結論から言えば、私は昨日始まった自衛隊の派遣に賛成です。
北朝鮮や中国との兼ね合いも考えれば、日米同盟が片務的でないということを、アメリカに示しておく必要がある。
議論すべきは派遣する規模だと思いますが、騒ぐほどのことは何もやっていないし、やれないでしょう。(安全保障についての国内論議が泥縄なので)
米軍と英軍が、基本的には自分達だけで対処するといっているのだから、後方支援で充分だと感じます。

9月11日の時点で、戦争はすでに始まっていたと感じます。
反撃をせずに攻撃を受け続ければ、民間人への被害がさらに拡大する可能性がある。
その意味で、アメリカの一方的な報復攻撃とは感じていません。
そういえば、小泉首相も「報復」という言葉の是非について、少しやりとりがあったようですね。
これは翻訳の問題だと思うので、私自身は報復と表現しても良いと考えています。
ただ、「双方が報復を繰り返していたら争いはなくならない(だからアメリカは軍事力を使うべきではない)」という主張には反対です。
初めからテロに屈服した発想ですから。

アメリカも形通りのビンラディン引渡し要求を、タリバン政権に対して行ったようですね。
しかし、北部同盟側の主張を信じるとすれば、マスード司令官暗殺の対価として、WTC爆破以後も支持するという確約をアルカイーダはタリバン政権から引き出したとか。
この辺の真相は私には分かりませんが、アルカイーダとタリバン政権が一心同体となっているのは確かなことであるように思います。

加えて、アメリカが対アフガニスタンの戦争というよりも、民族紛争への介入(北部同盟への支援)という形式を取っていることも、今回の特徴です。

鯖さんには、『モーターサイクル南米旅行日記』(チェ・ゲバラ)をお薦めします。
(とっくに読んでいらっしゃるかもしれませんが)
これは私も好きな本で、邦訳が出た当時は夢枕獏も書評で褒めていました。
この本は面白いです。そして、反米の革命家が輝いていた時代が永遠に去ってしまったことを、私は同時に感じます。残念ながら。

読み違え(^^;
No. :51
Name けんけんZ
Date :2001/11/17(Sat) 16:37
E-mail ken-kenz@kk.iij4u.or.jp

 イスラム諸国がラマダンに入りましたが、北部同盟(と言うか、タリバン以外)は
更にイキオイを増しているようです。南部・東部の諸州においても、タリバンの支
配下で息を潜めていたパシュトゥーン人の諸侯が続々と「タリバン後」に名乗りを
上げて、反タリバンの戦いへ参戦を表明して、文字通り「タリバン総崩れ」の様相。

 読み違えの原因を考えると、多分こんな感じかと。

・アルカイダ・タリバン残党への追撃戦の戦果は、対外的にカブール入城以上の意
 味を持つ軍功である、という認識が北部同盟指導層に有る。

・多国籍軍の進駐と国連による新アフガン政権構想が固まってしまえば、それ以降
 に政治的影響力を増大させる事が難しくなる(ので焦っている)。

・タリバン以降の新政権にもパシュトゥーンの権益を確保する為、タリバン以外の
 「民族を代表する勢力」が求められているが、その影響力確保の為の「競争」は
 タリバン敗走によって幕を開けた(こちらも焦っている。ラマダンどころでは(^^;)。

・前線に「お尋ね者ビンラディン・生死不問・懸賞多額」と言う話が伝わった(^^;

 最後のは「未確認の噂話」ですが、ブッシュ大統領が西部劇式の手配書を出して
きた時には「時代錯誤も甚だしい」と苦笑した向きが多かった(私もそうでした)と
思います。んが、アフガンは西部劇どころか戦国時代な分けで、どーやら「賞金首」
による「一攫千金」と言う話はわれ我の想像以上に魅力的らしい、と言うのが噂話
の背景のようです。

 言われてみれば一利有る……のか?(^^;

 ホントに賞金首への懸賞だけでカタが付けば、これ以上のコスト/パフォーマン
スを備えた対テロ戦略は無いですが(笑)。


岡島さん>

●「現実論と理想論」 要はそういう事でしょうか?

 一つ前へのレスになりますが、船橋氏は手嶋氏(NHKワシントン支局長)と並んで
注目しております。国際情勢を読み解くオピニオン・リーダーの一人ですよね。
 朝日は購読紙なので全部読んでますが、新聞紙面に載ったのだけじゃなく、週刊
誌の方のコラムもWeb読める事を思い出しました。
 ご存知かもですがこちらにまとまってます。
http://pps.asahi-np.co.jp/span/briefing/new.htm

 また色々と読み直したり、レスを頂いて考えたりしたんですが、冒頭の通りです。
 多分、私の認識は「その先に何が来るべきか」の理想論から入っていて、岡島さ
んの考え方は「今出来る事の限界」という現実論から入ってるんだと思いました。

 保守政党と革新政党の支持層調査で、どんな人がどんなメンタリティで支持する
政策を決めてるのかって話で、なるほどなあと思った事があります。
 それは政経や法学を修めた人は、他の人文系より保守・与党支持になりやすい、
ってな調査なんですが、法治のシステムや政策論の実際を知ってる人ほど、現状の
政策が「必ずしもベストで無くとも、ベターでは有る」事が分かってるのかも。

 で、私の言うような「理想論」は気付かない内に「絵空事」が混じるんですよ(笑)。
 朝日的、日教組的な空論と、言えばイメージ近いかと思います。
 多分その点、実現可能性の点検無しの理想論が、岡島さんの現状認識と相容れな
いんじゃないかなあと思ったり(^^;
 今回、一連の情勢の認識をわざわざ掲示板で表明しているのも、以前ひつじでも
少し触れましたが「教条的理想論」から「現実的な中道路線」へとスタンスを移し
ていかないとアカンと言う自覚が発端です。

 さて、話しはそこで終わりませんで、日本に居てネットでニュースの詳細まで読
む事が出来る時点で、私や岡島さんのメディア環境と言うのはある程度恵まれた状
態を保ってると思います。
 ところが、その私と岡島さんでも現状認識にこれだけ差が出る。
 さらに現状認識以上に、現状に対する感覚、感情的なモノはもっと差がある。
 この差を、アメリカ国内での認識と、世界から見たアメリカのイメージとのギャ
ップに置き換えたら、もっと大きな情報の断絶が有ってもある意味当たり前だなあ
と思ったんですよね。

> アメリカが先進諸国の中で頭一つだけ抜けた国であるにすぎないと
> いう事実を忘れると、叶えてもらえるはずのない過剰な「期待」を
> 勝手に裏切られたと思ってしまうことになると思いますよ。

 この指摘はまさにその点を突いてると思います。

 岡島さんは英文記事を生で読めますでしょ? ニュースを主音声で聞いてらっしゃ
るか副音声で聞いてらっしゃるか存じませんが、変な事言ってると思った時に聞き
比べれば、訳がおかしいかどうかも分かる。
 海外での生活経験も有るし、世界の中でアメリカをどんなポジションを置くかと
言う点で、多分岡島さんの感覚は私なんかよりもずっと、欧米人(という大雑把な
括りは危険ですが(^^;)の意識に近いと思います。

 一方私は、海外のニュースは通訳無しでは聞けませんし、記事を読む場合は大抵
「日本人の手で」咀嚼された翻訳なり要約なりを読んでます。
 つまり自分では「欧米のニュース」に接しているつもりでも「日本人から見た欧米」
というフィルターに通した上で受け取っているに過ぎないわけで、余程気を付けな
いと、目にした時点で既に情報が歪んでる可能性が高いと思うんですよ。
 日本の中で右から左、偏らないように情報を摂取しようと気を付けてはいるんで
すが、この「日本語になってる記事」の時点でもっと大きな偏りが生じている事に
先日まで思い当たらなかった(^^;

 ・・・そりゃズレルわなあと思います(苦笑)。

 BSやCS、更にはネットでメディア環境をいくら充実させても、自身のメディア・
リテラシーに不備が有れば、これはどこまで行っても差違が埋まらない。
 メディア・リテラシーを育む教育、と言うのも議論が始まった所だと思いますが、
これからの世代がそういった能力を身に付けるようになったとしたら、我々も
「全共闘時代」のようなニュアンスで「新聞・ニュースをそのまま受け取る世代」
と呼ばれてしまうのかも知れません(^^;

 重々気を付けないと、と思った次第で、それはモノの見方も立場も違う岡島さん
の考え方に触れた、一つの成果だと受け止めてます。
  #まるで立場が正反対の鯖さんと岡島さんの「論戦」が、ちゃんと噛み合って双方
  #からの意見が出尽くしてくれたら嬉しいなあと「勝手な期待」を膨らませていた
  #のもその点です。現実には不幸な結果になりましたが、これに懲りて立場が違う
  #人との意見交換はメンドウだ、とならない事を願ってます(^^;
  #僭越と自覚しつつ申し上げております。失礼はご容赦ください。


●情報の南北格差

 さて、書き込みの「本題」は更にその先です。

 日本よりももっと情報が限られた地域に住んでいる人達の感覚って、どうなって
るんでしょ? と心配になってくるんですよね(^^;

 この、欧米の事情に通じた現実論が感覚として咀嚼できる岡島さんと、翻訳・要
約された情報にしか接していない私の差(ギャップと言っても良いですね)以上の差
が、当然有るんじゃないかと。
 そんな事を考えてる時にちょうどこの記事に行き着きました。
 前出の船橋氏のページの「対米憎悪というもう一つの戦場」と言うコラム。
http://pps.asahi-np.co.jp/span/briefing/584.htm

 既にお読みかも知れませんが、まさにこの事を言ってると思ったんですね(^^;

 グローバル・メディアが「情報後進国」にどんなアメリカ像を流しているのか、
一度世界的に点検した方が良いのかもしれない。想像に過ぎませんが、日本人以上
にアメリカに対する「極端な憧憬」を抱いている地域が有るのかもしれない。

 ディズニーやハリウッド、マクドナルドやコカコーラを通じてしかアメリカを知
らない人達。また三十年も前に月までロケットを飛ばしたアメリカは知っていても、
公民権運動や貧富の格差や減らない犯罪の問題等は知らない人達。
 もっと言えば「目に見えるアメリカ人」とは、天文学的報酬を得るスポーツ選手
やドラマや映画の主人公になるハリウッドスターだけなのかもしれない。

 一方で、先進国で目にする第三世界に対して我々が接するニュースや知識は、貧
困や抑圧や疾病や災害といったモノに偏っている気がします。
 何百人というオーダーで人が死んだり、何万人というオーダーで飢餓や紛争難民
が出たりしないとニュースに映らない地域や人々が、普段どんな幸福を求め、どん
な豊かさの中で暮らしているのか、まったく知らない。


●喩えて言うなら

 唐突ですが、世界各国を「リンゴの木」だとします。

 アメリカという木は素晴らしく枝振りが良く、その枝に付く実も一つ一つ大変立
派です。ところが、その「木の中」に入ってみると、実を付けない枝や腐って今に
も折れそうな枝が有り、その大きなシルエット程には豊かな木では無い。しかも根
元を調べてみると、土壌が痩せ病害虫も発生し、この先も実を付けられるかどうか
も危うい事が分かる。

 一方「第三世界の木々」はどれも小さく、しかも枝の低い所にしか実を付けない
ので、小さいながらも結実し実は上から見るとまったく見る事が出来ない。
 しかし、そんな小さな木でもその足元に居る人々には、小さいながらもちゃんと
実を付けているのが見えている。

 大きな木の立つ場所から見ると、小さな木々は実を付けられない病んだ木に見え、
もう育たないので植え替えるしか無いと思ってしまう。実はこれから伸びる木なの
かもしれ無いし、小さいながらもとても美味しい実を付ける木なのかもしれ無いの
に、大きな木と大きな実でないと「豊かでは無い」と思ってしまう偏見が払拭され
ない。
 一方小さな木の有る所から大きな木を見ると、その全体の大きさと目立つ立派な
実だけしか目に付かない。本当は大きく実った果実を実際に手にして居るのが
「極一部の限られた人」でしかない事を知らず、その木の下では誰もが輝く巨大な
果実を平等に手にしていると思ってしまっているのかもしれない。

 そんな想像をしてみたんですね(^^;


●メディアとリテラシー

 つまり、現実の世界とは関係無く、「認識の南北格差」が余りにも開いているの
では無いでしょうか? 反米・嫌米感情や、過大な期待を裏切られたという気持ち
も「現実が見えたら」緩和されるのかもしれ無い。

 アメリカという国は余りにも大きいので、「一国の中に南北問題を抱えている」
と言われていますよね。メキシコ国境やフロリダ海岸へと押し寄せる人々が居て、
「新移民」と「旧移民」の格差が有って、人種による偏見や差別や生活水準の差が
今も有って。またベトナムの失敗以降、ニューディール政策やアポロ計画のような
国家を挙げた大事業はもはや不可能と言われるような状況で、現実的で身近な問題
を先ずは解決していかないと、政治家も支持を失いかねない世論が有る。

 そうは言っても、国土の大半を覆う旱魃や貧困や疫病や紛争を抱えた地域から見
れば、やっぱりアメリカはディズニーランドとハリウッドが示す通りの豊かな国で、
誰でもマクドナルドでお腹一杯になれる「恵まれた国」なんだと思うんですよね(^^;
 また地球環境条約に批准もしなければ対案も出せないアメリカ、CTBTに唯一反対
を表明するアメリカ、国連への分担金を滞納し続けるアメリカ、という見方も払拭
されない。

 20世紀が「映像の世紀」と呼ばれ、世界の人々が共通のニュースを通じて共通の
認識を持ち、21世紀は更に進んで世界市民と言えるような意識と連帯感が生まれる
かもしれ無い、なんて話はどうやら夢のようでして、現実にはむしろ世界を覆う様
に発達したグローバルメディアこそが、認識の南北格差を日々生み出しているのか
も知れません。
 もちろん、メディアの発達は政策や戦略に根差したモノでは無く、技術革新と人々
の好奇心によって普及した純粋な「手段」に過ぎませんから、後戻りする事は有り
得ません。
 更に進んだメディアが「認識の格差」を埋める日が来るのか、それともやはり個
人のメディア・リテラシーが発達しなければギャップは永遠に埋まらないのか、今
はまだ想像も付きません。

 ただ、世界中どこに居てもどんな立場であっても、日々流れるニュースをただ聞
き逃していては、永遠に「不完全な認識」と「不自由な思考」の中に閉じ込められ
てしまうだろうなあと愚考します。
 「情報後進地域」に「十分な情報」とメディア・リテラシー教育を届ける事が、
貧困や疾病、紛争や飢餓等の救済と並んで重要な意味を持つようになるのかも知れ
ない……と、そんな事を感じました。

 以上、またも長い割に論旨がハッキリしませんが(苦笑)、とりあえず(^_^)/~

こちらのほうこそ、どうも(^_^)
No. :50
Name 岡島
Date :2001/11/14(Wed) 22:14

けんけんZさんへ

長文のレス、ありがとうございました。状況が急展開しているなか
ではもしカキコミの内容の一部が展開で不適切になったとしても仕
方がないと思います。ごくろうさまですm(_ _)m

基本的には私もそれほどお互いの見解に相違はないと思います。た
だ、その違いを一言でいえば、けんけんZさんは「何がなされるべ
きか?」という理想を重んじているのに対し、私は「何ができるの
か?」という現実の具体的な実現可能性を重視しているのでしょう。

さて、二点だけコメントしておきます。

一つは、けんけんZさんの持論である
>「北部同盟を武装解除しアメリカ(もしくはPKF)が停戦を実現する」
についてです。

武力行使開始時において、このような政策を取るべきであったとは
私は思いません。というか、無理です。それは一つには、別件(爆)
でけんけんZさんが述べたように、「和解する意思のない当事者間
に割り入って、第三者が仲介を斡旋することなどできない」という
ことが挙げられます。第二に、旧ソ連の戦車軍団ですら敗北したよ
うな土地で、タリバンだけでなく北部同盟まで敵に回せるはずがな
いのは、ちょっと現実的に状況を考えればすぐに分かることだと思
います。つまり、けんけんZさんがNo.45で述べたような

> アメリカがするべきは大規模な地上軍を北部同盟とタリバンの「
> 間」に展開して、双方を軍事的に圧倒して「停戦」する事

をしようとすれば、タリバンだけじゃなく、(停戦の意思もなく、
武装解除など応じるわけもない)北部同盟まで敵に回すわけですか
ら、そんな中に大規模な地上軍を展開したら、まさしく旧ソ連の二
の舞になっていたと思います。

ただ、カブールが陥落した現状においては多国籍軍がカブールに駐
留して予想される北部同盟の圧政と暴力を封じ込めることは可能で
すし、緊急の課題であるのは事実です。現在、アフガン近隣諸国と
アメリカ・ロシアの「6+2」グループを中心に「アフガニスタン
の新政権づくり」の問題が国連で積極的に討論されていますし、速
報よればアメリカが安保理に多国籍軍のカブール進駐を提案したそ
うですので、今後の推移を見守るべきでしょう。

http://www.yomiuri.co.jp/05/20011114it12.htm

この点を考えてみただけでも、アメリカ政府が北部同盟を「信頼で
きるパートナー」とは見なしている訳ではないというのは明らかだ
と思います。

第二に、けんけんZさんはアメリカの現在の国力を過大視しすぎで
す。アメリカ一国で国際社会の秩序を維持できるような力はもう3
0年も前にすでに失っています。少なくても現在は同盟国を中心と
した国際協調による国際統治がなされている状況です(国際関係論
では、一般にこの動向を覇権主義(ヘゲモニー)から国際レジーム
への動きとして捉らえています)。

この点、国際問題の中でアメリカはリーダーシップを取るべきだと
いう見解には賛成するものの、アメリカは世界政府などではなく、
(強大ではあっても)単なる一主権国家であることを考えると、

> 詰まる所、唯一の超大国アメリカが、国際社会の「ある種勝手な
> 期待と憧れ」に応えていけるかどうか、応えられないまでも応え
> ようと動くのかどうかが、今後最も問われる点だと思ってます

という、けんけんZさんの「期待」はあまりにも過剰なものだと思
います。アメリカはアメリカで独自の国内問題と貧困を抱えた国で
す。決して無限の富を抱えているわけでもなければ、万能でもない。
アメリカが先進諸国の中で頭一つだけ抜けた国であるにすぎないと
いう事実を忘れると、叶えてもらえるはずのない過剰な「期待」を
勝手に裏切られたと思ってしまうことになると思いますよ。

いわゆる「反米感情」というのは、現実のアメリカを鑑みずに、

> そうした期待を集めるだけの圧倒的な繁栄を謳歌して居る

というシンボルとそれに対応する過剰な期待の裏返しの結果に過ぎ
ないのではないか、とも最近思っています。

とりあえず以上です。

でぇは、でぇは。

お返事どうもです
No. :49
Name けんけんZ
Date :2001/11/14(Wed) 11:14
E-mail ken-kenz@kk.iij4u.or.jp

岡島さん>

 現状分析とスタンスの確認、長文に渡る詳細な各論ありがとうございました。
 なんと言うか、表面に現れる言葉ほどにはお互いの認識には距離が無いみたいに
感じました。

 アルカイダとの対テロ戦争で、アメリカがタリバンとも対決する事がやむを得な
いという点に関しては、現時点では私も同意です。
 と言いますのも、タリバンに一定の信用を置いてアルカイダ幹部の身柄確保の交
渉を続けていたら、と言う部分の認識は今となっては「何が正解だったのか」当事
者に聞いたって分かりませんし、分かった所で「後知恵の議論」にしかなりません。
 オマル師がジハドを発布しタリバンが徹底抗戦中の今となっては、私が言ったよ
うな事は全てひっくるめても「単なる同情論」もしくは「希望的観測の一つ」に過
ぎない、今後別の場所で同じ事が起きた時にしか役に立たないモノと思ってます(^^;

 IFの話を引っ張っても実が無いし「ここまでの問題」を私の視点で見ても岡島さ
んの視点で見ても、実は今後については大した差は無いんだと思うんですよ。
 交渉を重ねてタリバンが折れてもアルカイダはノコノコ出ては来ないでしょうし、
じゃあアメリカが実力行使だとなれば「それはまた別の話だ」と言ってタリバン強
硬派が結局抵抗したのかもしれない(苦笑)。

 後は認識の相違の問題は現時点での短期的な政策と、中・長期的に求められる政
策との整合をどのように計るのか、と言う部分に残ると思います。またこの点

> 要はテロリズム防止に関しては短期的には「テロリストそのものの規制」、中期
> 的には「発展途上国の経済発展と民主化」、長期的には(先進諸国に対する反発
> のシンボルとしての)「反米感情の緩和」ということになるでしょうね。
> その意味で、けんけんZさんは短期的な政策(目的とその手法)ならびに中・長
> 期的な政策(目的とその手法)を混乱させていると思いますわ。

 に関しても同意です。

 ただ、「緊急的にテロを封じ込める必要が有る」にしても今のやり方は拙いので
は無いかと言う思いが先の書き込みの動機でして、中長期を見据えると今の短期政
策はスタンスを変えなければ取り返しが付かなくなる危険性があると思っています。

 これからはそっちの話がしたいと思うんですけど、宜しいでしょうか?

 私が今後に望む「北部同盟を武装解除しアメリカ(もしくはPKF)が停戦を実現する」
という点に関してはどのようにお考えでしょうか?
 私はこれを中・長期的な視点に立った「将来の政策」として後回しに論じるのは
少々拙いと感じてます。
 No.45の書き込みでは「北部同盟・アフガン内戦というモノをどう捉えるのか」
を書き損ないました(^^; まずその点を補足します(論点1)。
 その次「短期(現在)から中・長期への整合」という点(論点2)も論じたいと思い
ます。

 とまあ、昨日書き始めたんですが、書いてる間に終わっちまいましたわ(笑)。
 結局

>事態はもはや「場あたり」的な状況に突入したのであって、その場そ
>の場で(短期的に)最善だと思われる政策を決定するしか方法はない
>でしょう。

 これなんですよね(^^;

「アメリカのやってる対テロ戦争って泥縄なんじゃないの?」

 言いたい事を一番端的に言おうと思えばこうですわ(笑)。
 書いた者は既に古くなって(手遅れとも)しまいましたが、一応載せておきます。
話半分に聞いてもらえれば良いです(^^;


1−1.アフガン内戦の認識とか

 さて、現状認識として「アフガン内戦」と言うべきタリバンvs北部同盟の戦闘状
態が今も継続していると思います。
 言うまでも無いですがこれは9/11以前から続いていた事です。
 つまり対テロ戦争とは関係無しに内戦やってて、今もある意味「関係なし」に続
いてる訳で、そこから話を始めるべきなんじゃないかと言うのが私の認識です。
 そのアフガンに政権を樹立する「正当な主権者」としての資格がタリバン、また
北部同盟のどちらに有ったかと言えば、これは「どちらにも無かったのではないか」
もしくは「どちらにも同じだけ有ったのではないか」と思います。

 国際社会から見た正当性で言いますと「ラバニ大統領」が政権担当者として上が
ると思います。
 大統領は今も国連に対する代表権を持ち、反タリバンの闘争にも加わっています。
 しかし同盟内部での立場はむしろ傍流と言うべき弱いプレゼンスしか持ち得てい
ないようで、政治指導力を発揮しているとは言い難い状況です(軍事力・軍事的指
導力は更に限られているとの見方も(^^;)。

 また同盟に属し軍事的指導力を発揮しているラバニ氏以外の各司令官と言うのは、
政治家と言うよりも各民族の利益代表・兼・軍閥の領袖であり、そのメンタリティ
は「アフガン統一」や「民主政治の実現」等よりも、民族・軍閥の利権確保にプラ
イオリティを置いていると認識しています。

 他方、タリバンはパシュトゥーン人を主体とした勢力であり、北部同盟はそれ以
外の各民族の混成勢力、と言う状況です。

 なんか権威を無くした室町幕府を思い出すんですが(^^;>ラバニ大統領

 つまり、これまでのアフガニスタン紛争と言うのは日本で言う「戦国時代」で、
部族単位の軍閥が群雄割拠して勢力争いをしていた(いる)のだと思うんですね。
 アメリカの「対テロ戦争」という視点をとりあえず脇にどかして考えると、どち
らの勢力に国連なり国際社会が「一方的に肩入れ」するのもおかしな話じゃ無いで
しょうか? 近隣諸国が宗派、民族の近い派閥に肩入れするのは理解できますけど、
アメリカにそのような意図が無い事は明らかです。

 私はアルカイダがアフガンに食い込んで、思想的に最も影響を与えやすかったタ
リバンに与したのも、元を辿ればこの「アフガン戦国時代と言うべき状況」が原因
だったと考えます。
 もちろんその点を考慮してもタリバン(と癒着するアルカイダ)を短期的に何とか
しなければならない、だから北部同盟を支援し空爆で叩くことは急いでやる必要が
有る、との分析は出来ると思います。

 けれど、中・長期的に(トータルに)見ると今の状況(短期的な政策)は非常に拙い
やり方や判断を重ねていると思うんですよ。
 「対テロ戦争」と言うアメリカの国益に立脚した視点に立ちかえっても、北部同
盟にのみ軍事援助をしてタリバンの影響力をその北部同盟の武力で排除していくや
り方というのはやはり拙いと考えられ、今の政策は「拙速」と言うべき誤った政治
決断ではないかと感じるのです。


1−2.「北部同盟支援」に危惧する所の概論

 北部同盟が彼らのプロパガンダ通り「対テロ戦争に加わって前線を担当する勢力」
であるなら、国際社会がそれを支援する事に一定の合理性が有ると思います。
 しかし北部同盟は本当にアルカイダを国外へ排除する、またはアメリカに引き渡
す為にタリバンと戦っているのでしょうか?
 もちろん事が終わってみなければ真実は分かりません。
 しかし私はどうも、彼らのプロパガンダを信じてしまうのは「単なる楽観論」に
過ぎない気がしてます(^^;

 何故なら、アメリカが自ら血を流さない為に現地の北部同盟の力を借りている、
という見方はもちろん可能なんですが、視点を変えれば、北部同盟はタリバンとの
勢力争いを有利に進める為にアメリカの対テロ戦争を「巧妙に利用している」とい
う見方も出来ると思うんです。

 アフガンの現状を平たく言えば、ややこしい所にややこしい奴等が逃げ込んだの
でますますややこしくなった、と言えると思います(^^;
 そう考えると優先順位の第一は「アフガン内戦の停止」、つまり一時的にせよや
やこしくない状況を作って「ややこしい奴等」をそれ以外のややこしさから分離し
て処理する事じゃなかったかと思うんです。

 つまり、タリバンとアルカイダの分離の必要を訴える主眼は(同情論を別にして)、
北部同盟vsタリバンのアフガン内戦と、アメリカvsアルカイダの対テロ戦争の分離
にあります。

 もちろん内戦を停止して新たに国際社会に認知されるに相応しい政権を樹立する
為には、アフガンで最大勢力を誇り、尚且つ国際社会に認知されないタリバンの扱
いも、抵抗が有ればやむを得ない「最初の一歩」として武力で排除するべきです。


1−3.北部同盟司令官の「軍功」の功罪

 しかしその「最初の一歩」で北部同盟の各司令官に「軍功」を与えると言うのは、
アフガンの平和回復という最終目的に向かうのに「もっとも大きな障害」となりう
る「危険な賭け」になってしまうと思ってまして、私はその点で対テロ戦争に北部
同盟を利用する今のやり方は「別のややこしい問題」の引き金になると踏んでます。

 何故そう考えるかと言えば、武人が「軍功」を上げれば、その後に当然の権利と
して「論功行賞」が要求されます。和平叶ったアフガンにおいて、内戦の論功行賞
で政治権力の分配が行われるとすれば、これは国際社会が求める水準の統治とは恐
ろしく遠い所から政権運営が始まってしまう事になります。

 しかしだからと言って、実際にタリバンからアフガニスタンを「解放」した野戦
司令官達に「全く政治的な恩賞を与えない」事も現実的では有りません。何故なら
彼らは自発的にタリバンと戦っており、国連に指示されている訳でも無ければアメ
リカ軍の指揮下で戦っている訳でも無いからです。軍功に応えなければそれはそれ
でやはり情勢が悪くなる可能性が有ります。

 実際に命を賭けて戦う彼らが軍功を上げれば、その権益を主張するのはある意味
当然の事で、それを認めなければ彼らは認められるまで戦い続ける(パシュトゥーン
人の土地財産を収奪する等し戦果に見合った権益を自ら確保する等)か、タリバンや
パシュトゥーン人が居なくなっても北部同盟内の他勢力と「これまでのように」戦
い続ける危険性があります。

 その「これまでのように」が一番怖いと思うんですよね(^^;

 過去にもアフガン内戦は、群雄割拠した各勢力が争う中で合従連衡して一時的に
政治主体となり、そのたびに「割を食った勢力」が反攻して新たな合従が生まれ、
寝返り・裏切り・遠交近攻、まさに戦国と言うべき虚々実々の駆け引きが続いきて、
遂に全土を覆う現代的な政権も内戦の停止も成立しなかったと言う状況が有るので、
そういう将来の見通しはあながち的外れとは言えないと思うんです。

 そして、今になってアメリカとパキスタンが、北部同盟軍の「カブール入城」を
盛んに牽制・非難していますが、これこそ本来なら対テロ戦争とアフガン内戦を一
つの事象にするべきでは無かった所を、まさしく岡島さんもおっしゃる場当たりな
対応によって更に困難な状況に複雑化させつつある一つの象徴だと思います。

(下に続きます。無駄に長くて申し訳無いです)

長すぎたみたいなんで分割(こっちが続き)
No. :48
Name けんけんZ
Date :2001/11/14(Wed) 11:13
E-mail ken-kenz@kk.iij4u.or.jp

1−4.「軍功」以降

 私は北部同盟は「カブール入城」という最大の軍功を上げるセレモニーを行った
後で、カンダハルやパキスタンとの国境地帯と言ったパシュトゥーン人の居住地域
への「掃討作戦」をアメリカにやらせるつもりではないかと危惧しています。
 何故なら今までは北部同盟はタリバン以前の支配地域を回復する「名誉の戦い」
でしたが、今後は敵の本拠地へ乗り込んで行っての掃討作戦と言う非常に困難、且
つ将来に新たな禍根を残すかもしれない厳しい軍事行動をする必要が有るからです。

 北部同盟にしてみれば、カブール入城後にアメリカの地上部隊を引き出してタリ
バン(及びアルカイダ)掃討に向かわせれば、こんな「濡れ手で粟の旨い話」は有り
ません(^^;

 これまでの、軍功を上げやすい華々しい戦場(民族の権益が根付いた失地の回復)
では、各軍閥の領袖が手柄争いをするように積極果敢に攻勢をかけてタリバンを排
除しました。彼らは元々の支配地域を回復するという、目に見えて分かりやすい今
後に向けての「影響力の確保」に躍起だったのです。

#注:ここから既に記述が手後れです(笑)

「カブール入城」も同じような、そして最後の「手柄争い」の場になり、アメリカ
やパキスタンの自省の呼び掛けも空振りに終わるのでは無いでしょうか?
 牽制し合う北部同盟の各派にとっては自省どころじゃ無いと思うんですね。

#注:上その通りになりました。
   書いたのは昨日ですが書いてる最中にニュースでカブール陥落って(爆)。

 しかしその後の、タリバンの掃討とパシュトゥーン人が住む南部の平定という作
戦では逆に、所謂「サボタージュ」が横行する危険性が有ります。
 ラマダンにしろそれに続く厳冬期にしろ、進軍を停止するには格好の口実となり
ます。更に言えば、タリバン側はカブール防衛よりも本拠地カンダハルの死守に戦
略的重要性を置いているようで、ここまでの順調な北部同盟の進撃も、アメリカの
空爆による損耗以上に「戦略的な兵力集中」の結果ではないかと言われています。

 彼らにとってそれ(アルカイダ掃討)が何の理も無い軍事作戦だから、この危惧に
は一定のリアリティが有ると思ってます。
 さて、守りを固めたタリバンの本拠地である南部に向かい、北部同盟はラマダン
も厳冬も踏み越えて進撃していくと信頼出来るでしょうか?
 どーもアヤシイと疑って掛かるぐらいが相応と感じるんですよね(^^;

 その時になってようやくアメリカが重い腰を上げるのであれば、これは後手後手
に回った「場当たりのツケ」以外のなんでも有りません。
 タリバン残党やパシュトゥーン人の「負け戦の恨み」を、北部同盟はアメリカに
肩代わりしてもらう事が出来てしまうんです。つまり北部同盟によるアフガン平定
にとっては「将来の禍根」となる掃討戦をアメリカに肩代わりさせ、さらに自らの
権益は「これまでの軍功」で確保出来ているので、それが最も合理的な行動となっ
てしまうんです>サボタージュ

 アメリカは「手を汚さないで」対テロ戦争を行うつもりが、最後の最後で最大の
「汚れ仕事」を押し付けられる可能性が有る。しかしアルカイダがカンダハル周辺
に潜んでいると言われて居る以上、動かなくなった(もしくは手を抜く)北部同盟に
代わってもっとも困難な地上戦をアメリカがやらざるを得ない事になります。

 そうしてタリバン・アルカイダ・アメリカの三者が居なくなった後のアフガンで、
パシュトゥーン人の人権が抑圧されるような事態になれば、テロの危険は更に深刻
化します。
 たとえアルカイダがその時壊滅していても、国外に逃れアメリカのせいで負けた
と「負け戦の恨み」を募らせる人々が、苦労して壊滅させたアルカイダよりも大き
かったら、何のために行われた「対テロ戦争」だったのかという事になります。


2.中・長期戦略から見える短期の方針転換

 繰り返しになりますが、初めにするべきは「アフガン内戦の停止」でした。
 今からでも遅くないので(いえ、今の勢いで明日にでも北部同盟がカブールに入
城したら手遅れかもですが(^^;)北部同盟への支援を止め、アフガン「全土」を国
連軍なりアメリカ軍なりで平定するような方向へ方針転換は出来ないでしょうか?

 北部同盟が今上げている、またこれからも上げる「戦果」や「軍功」は、民族間
の憎悪の連鎖という点と、戦後に論功行賞を行い(もしくは行わずに)不公平感が残
る事の両面から、大きなマイナスだと考えるのです。
 中長期の視点に立って国際社会がアフガンに介入すべきと言うのなら、北部同盟
が「戦に勝ってしまう以前」つまり「出来れば即時に」介入しなければなりません。

#注:↑もちろんこの記述は手遅れです(爆)。

 優れた見識と国際感覚を備えた政治指導者・兼・優秀な戦術家として北部同盟を
まとめていたマスード将軍が仮に存命でしたら、私もここまで極端な悲観論は取ら
なかったと思います(^^;
 ですが、現実には一頭地を抜くカリスマが居ない北部同盟内部では、既に足の引っ
張り合いが起きそうな情勢で、互いに互いを出し抜くような情報戦すら始まってい
るとの話も有ります。

 アメリカがタリバンを交渉相手としなかった以上、同じく紛争当事者である北部
同盟だけを「信頼出来るパートナー」と考えるのは楽観的すぎると思うんですね。
 もちろんタリバンはアルカイダという国際秩序がとうてい容認できないテロ組織
と癒着し匿ったという、北部同盟には無い重大な失敗を犯しています。

 しかし「憎きタリバンの敵だから北部同盟には一定の信頼を預ける」という事は
全く合理的性の無い判断ではないかと思うのですがこの点に関してはどう感じられ
ますでしょうか?

 前回の書き込みと共に要約すれば、私がアメリカの対アフガン政策に求めるのは
以下の三点です。

1.紛争当事者の手を借りずにアフガン内戦を「停戦」に持ち込む事。
2.将来への禍根を残さない「対テロ戦争」(タリバンとアルカイダの区別、一般
  のパシュトゥーン人とタリバンの区別等)の厳格な実行。
3.各民族の扱いに差を設けない「公平中立の立場な」アフガン再建が行われるべ
  く、アメリカ自身が主体的に関わっていく事。

 また、その理由は以下の三点。

1.ここまで関わった(空爆)以上、中途半端に終わっても反米感情が残る。
2.北部同盟は信頼に値する「対テロ戦線の前線を担当する勢力」と言えるのか?
3.民主正義の実現へ向かうのに、一方の勝利で終わる内戦の終了は障害となる。


 ↑以上、長々と力を込めて書いた事は全部オジャンです(笑)。

 さてここから、の事を考えたいと思うんですが、今週中にラマダンに入りますね。
そこが一つのポイントになると思います。

 南部の拠点都市、カンダハルまでは北部同盟も真面目に追撃するかも知れません。
 しかしその後、山脈地帯やパキスタンとの国境地帯、特にパキスタン側のパシュ
トゥーン人の居留区域(実質的に治外法権の自治区と化してます)にタリバンの主力
が隠れたら、北部同盟には追撃が出来ないんですよ(^^;
 そこから補給と兵站を確保して、国境地帯の険しい山脈でゲリラ戦で抵抗する、
ってのが主力を消耗しないまま一気に撤退して行ったタリバンの読みだと思うんで
すが、それに対して北部同盟は、冬の間は余り力を入れた掃討戦は展開しないと思
います。既に国土の大半を手中にした彼らにとっては、窮鼠を追い詰めて行く事は、
既に勝ちが決まった戦争でむざむざ兵力を失うという事になりますので。

 これが組織された「国の軍隊」なら、その先へ進んでいく事も可能なんですけど、
北部同盟は軍閥でして兵隊はみんな各司令官の「子飼いの兵力」かつ「権力の基盤」
です。そうそうアメリカの期待通りタリバンを追い詰めてアルカイダに居場所を失
わせる所まで行くかどうか・・・かなり怪しいかと(^^;

 そうなると当然「対テロ戦争の勝利」を目標に掲げるアメリカ軍が、遅れ馳せな
がらようやくお出ましになります。北部同盟は言うなれば「漁夫の利」で旨いとこ
だけ持ってったカタチになるでしょう。
 んでまあ、対テロ戦争の収支はアメリカにとってはコスト/パフォーマンスで計
るモノでは無いんでしょうけど、それにしてももっと上手いやり方無かったの? 
と思えてしまうんですよね。

 もうここから先はどーゆー上手いやり方も無いでしょう。
 美味しい所を取られた(利用された)事には目を瞑って、アフガン再建にはちゃん
と力を貸してやれよ、と思います。巧妙かつ言う事を聞かない北部主導のアフガン
再建には「やっぱり協力できん」とか言い出すかも知れませんが(笑)、元国王派と
やらをごり押しでカブールに押し込むような事をすれば、今度は昨日まで支援して
た北部同盟相手に戦争しなきゃなりません(これ、本気で言ってます)。

 最初の一手で「北部同盟を使えば手っ取り早い」とした判断が誤りだったと思い
ます。延々そのツケを払う羽目になったと思いますが、横着しないでちゃんと払い
ましょう(^^;
 と、今となっては言いたい事はそんだけです。
 なんか「徒労感」が漂いますが、仕方ないですね。
 もっと早く書いておかなかった自分が悪い(^^;

余談:ジョージ・F・ケナンの言葉は思う所と非常に合致しました。
 ご教授感謝です。

 詰まる所、唯一の超大国アメリカが、国際社会の「ある種勝手な期待と憧れ」に
応えていけるかどうか、応えられないまでも応えようと動くのかどうかが、今後最
も問われる点だと思ってます。
 合衆国大統領が世界の有るべき姿のグランドデザインを描いて、その実現を世界
に訴えるという事が、「テロとの対決」と言う非常に限定された目的においてです
が今回成されたのは、大きな不幸と困難の中に芽生えた一つの希望だと感じます。
 願わくば「貧困の克服」や「資源・食糧問題」や「地球環境問題」等の多くの困
難な問題に対しても、積極的かつ包括的なリーダーシップを発揮して欲しいという
のが私の願いです。
 もちろん公平かつ賢いやり方で、と言う注文は付けたいですが、アメリカが国力
に見合っただけの「問題意識」を世界に向けて持ち、常に先頭きって行動に移す国
であれば、第三世界の民衆の「反米感情」などと言う「些末な問題」は、時間と共
に勝手に解決されるものだと信じています(^^;

 この種の「勝手な期待」にアメリカの政治が応える「義務」が無い事は百も承知
で言ってます。しかしそうした期待を集めるだけの圧倒的な繁栄を謳歌して居る事
も、同時に忘れて欲しく無いんですよね。
 また、無論それは日本についても同じ事が言えると思います。マスコミも政界も
動きが鈍いと感じる事が多いんですが、今回の同時多発テロとそれに続く諸問題に
関するコメントでは、難民問題に取り組んできた緒方貞子・国連難民高等弁務官の
発言がもっとも現実的且つバランスが取れていたモノだったと思います(掲載され
た朝日新聞の基本的な論調とはズレていた辺りが特に(笑))。

 小泉首相が一度は検討したそうですが、田中真紀子氏ではなく緒方氏が今の日本
の外相を務めていたらどうなってただろうなあと、遠い目をしてみたり(笑)。
 外務省が「機能不全」とか言われてる現状ですので「元・国連職員」という方達
や現職の方達に、もっと国政に近い活躍の場が有れば良いんですけどね。

Re[45]: 衛星から引っ越しのネタ
No. :47
Name 岡島
Date :2001/11/13(Tue) 04:55

> けんけんZさんのカキコミ全体で特に気になるのは、政策目的の優
> 先順位が区別されているかどうかという点ですが、この点について
> は後述します。

と述べたにもかかわらず、忘れていましので。要はテロリズム防止に
関しては短期的には「テロリストそのものの規制」、中期的には「発
展途上国の経済発展と民主化」、長期的には(先進諸国に対する反発
のシンボルとしての)「反米感情の緩和」ということになるでしょう
ね。その意味で、けんけんZさんは短期的な政策(目的とその手法)
ならびに中・長期的な政策(目的とその手法)を混乱させていると思
いますわ。

この点が、けんけんZさんのカキコミ全体で気になる点ですわ。

でぇは、でぇは。

Re[45]: 衛星から引っ越しのネタ
No. :46
Name 岡島
Date :2001/11/13(Tue) 03:59

こんにちは、けんけんZさん。すこし遅れましたが、お返事ですわ。
まず、お互いの立場の違いを認識するのは、おっしゃる通りにとて
も大切なことなので、その観点からカキコミをしますね。

(A) 総論(めいたもの)

ところで

>「各論への反論」に移る前に「アメリカが正しいとするスタンス」
> の「総論」を頂ければ有り難いです。粛々と建設的に意見交換す
> る為に、最初にスタンスの説明と現状認識の概説ぐらいは有った
> 方が良いだろうなあと感じていますので。

ということなので、総論めいたものを少しだけ。

第一に私は、主権国家が(短期であれ、中・長期的であれ)国益(
安全保障や経済的利益など)を追及するのは正当だと考えています
し、国益の対立と調整が国際社会の基礎に横たわっていることを当
然と考えています。その意味ではアメリカは単なる(大国ではあっ
ても)一国家だと考えており、アメリカが自国の国益を(短期であ
っても中・長期であっても)追及するのはきわめて当然だと考えて
います。言い方を換えれば、国際社会の一般利益の達成という「国
際統治(international governance)」の問題は省けないけれども、
基本的には国益の調整という「国際政治(international politics)」
の延長に「国際統治」の問題があると考えています。

そのため短期よりも中・長期的な国益を追及したほうが好ましいと
は言えても、国際社会の利益に適ったとしてもその主権国家の国益
を完全に放棄した政策は取るべきではないし、また取れないとも考
えています。

第二に政策の評価に関して、時間や優先順位に関するパースペクテ
ィブがあります。短期・中期・長期に関しては、それぞれ政策目的
が当然に異なるだろうと思います。

けんけんZさんのカキコミ全体で特に気になるのは、政策目的の優
先順位が区別されているかどうかという点ですが、この点について
は後述します。

(B) 各論

それで、各論を述べるにあたっても、けんけんZさんのおっしゃる
ことに対するレスという形で述べさせてもらいます。そちらの方が
やりやすいので。

けんけんZさんの言いたいことをまとめると次のようになるのでし
ょうか?

(1)「アル・カイーダとタリバンの関係」についてはタリバンを
見捨てた(アメリカを含む)国際社会に道義的責任があるのであっ
て、そのような状況においてタリバンが(タリバンの)「国づくり」
に積極的に貢献するオスマン・ビン・ラディンを「引き取った」の
は仕方がないことであり、タリバンを非難すべきではない。
(2)ビン・ラディン引き渡しに関して、タリバンとは交渉可能であ
った。
(3)それにも関わらず、アメリカはタリバンの「断腸の決断」を鼻
で笑い、軍事活動を始めた。
(4)そのような行為はアメリカの独善そのものであり、「ジャイア
ニズム」(笑)と呼ぶべきものであり、テロリズムの温床である「反
米感情」を払拭することはできない。
(5)「反米感情」を払拭するためには、アメリカは積極的にアフガ
ニンスタンの「国づくり」に貢献すべきであり、そのような方向にア
メリカは政策を変更すべきだ。

ということでしょうか?

以下、そのことに対応しながら、私の見解を述べていきます。

(ア) タリバンが「国際社会の孤児」になったことについてタリバン
が責任を負うべきか、国際社会が責任を負うべきか?

大筋としては、けんけんZさんのおっしゃるとおりのプロセスでタリ
バンとアル・カイーダが結びついていったと私も思います。もし国際
社会がアフガニスタンにもっと注意を払ってもっとタリバンを受け入
れていれば、タリバンは違う道を歩めたかもしれないという思いはよ
く理解できます。

この点、タリバンが「国際社会の孤児」になったことについて国際社
会に道義的責任は確かにあると思います。しかし、他にありえたタリ
バンの可能性に関して国際社会の道義的責任を問うことと、アル・カ
イーダなどのテロリスト育成・支援に関するタリバンの責任を問うこ
ととはぜんぜん異なる問題です。つまり、アフガニンスタンに対する
国際社会の道義的責任は、けんけんZさんのおっしゃる「アフガン空
爆の後に望む事」によって応えられるべき問題であり、他方でいま現
在行なわれているアメリカによるタリバン攻撃はテロリスト育成・支
援に関するタリバンの責任に関する問題です。

言い方を換えれば、タリバンがビン・ラディンを受け入れたことに関
して、国際社会がアフガニンスタンを見捨てていたことが、他の諸国
に対するエクスキューズにはならないということです。この点は、し
っかりと認識すべきだと私は思います。

(イ)2001年10月の段階でアメリカにとってタリバンは信頼で
きる交渉相手だったのか?

けんけんZさんは、タリバンが信頼できる誠実な交渉相手だという前
提で「タリバンの苦汁の選択を鼻で笑った」とアメリカの交渉態度を
批判されていると思います。

しかし、1998年8月の段階で、安全保障理事会は(1)内戦の継続、(2)
国際人道法の重大な違反、(3)テロリストの支援と育成、(4)麻薬の輸
出について、タリバンを批判しています。さらに翌年の10月には国連
憲章第七章に基づく経済制裁を課しています。タリバンに対する安保
理決議1267の主要な要求事項は、(1)テロリスト支援を止めること、
(2)ビン・ラディンの即時引き渡しです

http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1267.htm

しかし、タリバンは麻薬の輸出に関しては一時停止したものの、テロ
リストへの支援とビン・ラディンの引き渡しを拒否続けてその2年後
にWTC事件が起こった訳です。

この過程を考えた場合、アメリカ政府がタリバンを信頼できる誠実な
交渉相手と考えるべきだったと言うほうが無理があるように私には思
えます。

さらには「容疑者を第三国に引き渡す用意がある」というのは、外交
においては「時間稼ぎ」と通常は考えられる態度です。そしてテロリ
ズム防止に関してはこの「時間」こそが問題なのです。ロッカビー事
件のように容疑者の引き渡しまで10年もかけてられないと政策決定者
が考えてもなんら不思議ではないでしょう。

また法律論としても「第三国への容疑者の引き渡し」は筋が通りませ
ん。WTC事件に関して管轄権の連結(具体的な事件と裁判所の権限
の結び付き)がない第三国は(法律論としては)ビン・ラディンを処
罰する権限を有さないですから。

(ウ)アメリカの外交政策の失敗?

ジョージ・F・ケナンという人が「American Diplomacy」という本で、
アメリカの外交政策の欠点を分析しているのですが、そこで今回の問
題に関してもズバリあてはまる象徴的な記述をしているので、(有名
な一文なのですが)紹介しておきます。主語は「民主主義」ですが、
「アメリカ」と言い換えていいと思います。

「民主主義というものは、この部屋くらいの長さの身体と、ピンの頭
ほどの頭脳をもったあの有史以前の巨獣に、不愉快なことだが似てい
るのではないかと、私は時々思うことがある。彼は気持ちよさそうな
太古の泥沼の中に横たわり、自分の周囲にほとんど注意を払わない。
彼はなかなか怒らない。事実、彼の利益が侵害されていることを知ら
せるには、彼のしっぽを殴らなくてはならない。しかし、ひとたびこ
れに気がつくと、彼は、盲目的な決断をもって暴れ廻るので、敵方を
破壊するだけでなく、自分の住処もほとんどぶち壊すのである。そこ
で諸君たちはこう思うだろう。彼がもう少し利口であったなら、どう
しようもない無関心から一気に同じようにどうしようもない神聖な憤
怒へと駆られる代わりに、何が起こりつつあるかということに対して、
もっと早くもう少し注意を払って、そのような事態の悪化を防ぐこと
に努めたであろうと。」(ジョージ・F・ケナン(近藤晋一他訳)「
アメリカ外交50年」(岩波現代文庫)、98-99頁)。

今回のアメリカの政策に反対するけんけんZさんの理由がもしケナン
の発言そのものであるのなら、それは私もまったく同感です。「(W
TC事件が起こるまでに)他に別のやり方があったはずだろう」とい
うのは私も同じ感想です。

しかし、この点をもってアメリカと同盟国の軍事活動を「独善の続き」
ないしは「ジャイアニズム」と考えるのは、やはり問題の本質を見失
いかねないと思います。アフガン問題やテロリズム問題に関してアメ
リカが失敗してきたというのは確かに批判の的ですが、その批判は「
武力攻撃のその後」の問題である「(民主的な)国づくり」という問
題に向けられるものであって、同盟国の軍事活動に向けるべきもので
はないですわ(そうでなければ実効的なテロ規制というものは他に方
法がないでしょうから)。

事態はもはや「場あたり」的な状況に突入したのであって、その場そ
の場で(短期的に)最善だと思われる政策を決定するしか方法はない
でしょう。その意味で、(その過程がどうであれ、少なくても1998年
以後は)タリバンはけっしてイノセントな存在ではありませんし、信
頼できる交渉相手でもないことを考えると、更なるテロ行為を防ぐた
めには一刻の猶予もならない状況では、アル・カイーダ懺滅とビン・
ラディン逮捕(ないしは殺害)のためにはタリバンに対する軍事活動
はやむをえないと考えます。

(エ) 武力攻撃終了後の国際社会の関与について

これは基本的にはけんけんZさんの見解に賛成です。貧困こそがテロ
リズムの温床ですし。この点、国連が中心になるのか、アメリカが中
心になるのか分かりませんが、紛争終結後にはアフガニスタンの「国
づくり」に国際社会の関与は必須です(この点は、船橋洋一さんもそ
のコラムで指摘されています)。

http://www.asahi.com/column/funabashi/ja/K2001110800372.html

「アフガニンスタンの現状の混乱に対して国際社会は道義的責任をど
のようにして果たすべきか?」という問いに対する答えはこれ以外に
ないでしょう。

しかし、アフガニスタンの民主主義的「国づくり」はあくまで中・長
期的な政策です。また現時点で求めるような政策ではありませんし、
タリバンと協力できる政策だとも思えません。

この点、アフガニスタンの「国づくり」でアメリカがどのような政策
を取るかは現時点ではよく分かりませんが、ただ、第二次大戦後のマ
ーシャル・プランや日本改革ほど大規模なことが、アメリカ一国でで
きるかどうかはかなり疑わしいです。アメリカが世界で一番の大国で
あるのは事実ですが、第二次大戦直後のような超大国ではもはやあり
ません。ですので、仮にアメリカが中心になるとしても、日本も含め
た同盟国や他の諸国の協力を求めることになるでしょう。


(オ)結論

以上、けんけんZさんが指摘された「各論」について、見解を述べて
きました。というわけでけんけんZさんの見解について(1)は国際社
会への道義的責任の追及の仕方が誤っているのではないか、(2)と(3)
に関してはタリバンに対して現状認識が甘い、また(4)に関しては、
(2)と(3)の現状認識が甘いが故にアメリカと同盟国の政策に対する評
価は不当、(5)に関しては大筋同意しますが、それはあくまでもすべ
て終わった後の話であり、現時点でそれをもって批判の理由とすべき
ではない、ということになります。

長文でしたが、とりあえず以上です。

でぇは、でぇは。

衛星から引っ越しのネタ
No. :45
Name けんけんZ
Date :2001/11/11(Sun) 07:40
E-mail ken-kenz@kk.iij4u.or.jp

 岡島さん、その視点では何も解決されないのでわ?(^^;

>「アル・カイーダ」と「タリバン・アフガン民衆」という区別ではなく、
>「アル・カイーダ/タリバン」と「アフガン民衆」という区別の方が
>おそらく正しいと

 まず基本的な認識として、ビンラディンをとっ捕まえたら反米テロが全部
無くなると思います? 思わないでしょ?
 独力では治世が行えない政治勢力というのは世界中に沢山有るんですよ。
またアルカイダ以外にも金と技術と情報力と民衆に対するアピールを備えた
テロ組織が沢山有る。アフガンで起こった「不完全な政治と完全なテロの癒着」
という図式はこれまでも世界中で起きていたし、これからも世界中で起こり
うる、と言うのが私の見方です。

 そうした「アメリカに対する脅威」の解決の為の新たなスキームを用意し
なければ、そのたびにトマホークとB-52による人権蹂躙が起きますでしょ。
 それがイスラム教vsキリスト教の構図に摩り替わって行くのをどこかの時
点で止めないと、ホントに文明の衝突になっちゃう。

 タリバンに「同情」してアフガンからアルカイダだけを分離しないと、と
私が思うのには根拠が有ります。
 ↓あんまりまとまった情報が無いのでとりあえず参考に。
 http://tanakanews.com/b1105osama.htm

 タリバンはアルカイダと不可分だ! 叩くべし! という見方も「現時点」
では一定の合理性が有ります。
 だってもうタリバン自らが「徹底抗戦」て言うてますからね(苦笑)。

 でも9/11以前はそうじゃ無かったハズなんですよ(^^;

 溯ればバーミヤンの石仏破壊が起きる以前なら後戻りも出来た。
 もう少し溯るなら、アフガンの大半をタリバンが掌握して内戦が一時的に
膠着した時にもチャンスは有った。
 タリバンは自分達による「アフガンの統治」を国際社会に認められたいと
思って活動をしてきたんです。始まりはイスラム原理主義ではなく、素朴な
神学生による「アフガン世直し運動」だった訳ですから。
 それを「民主主義的に正しくない」という一方的な価値観でもって国際社
会は認知しなかった。
 重要なのは「タリバンが望んで孤立した」訳じゃ無いって事。
 国際社会の側が彼らを「秩序の側」に受け入れられなかったんです。
 その辺は山本芳幸氏のカブール・ノートに詳しいので、一度目を通してみ
て下さい。http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/

 タリバンの治世は確かに不完全でした。偏ってました。
 でも国連による難民救済もNGOの支援も全部受け入れてきた。
 何故なら自分達に現代的な政治運営の能力が欠けている事を認めていたか
らです。彼らは初めから原理主義的なイスラム復古に凝り固まってた訳では
無い。そのイデオロギーを持ち込んだのがまさにアルカイダです。
 何故彼らがアルカイダの「政治指導」を受け入れてしまったのか。
 そこに「問題の本質」が有る、と見るべきでしょう。

 オサマ・ビンラディンはアラブの金持ちでイスラム教の(偏った)権威で、
民衆にとってのカリスマで、更に言えば土木の技術と工作機械と潤沢な資金
と豊富な人材をまとめてアフガンに持ち込んだ。そういう人物です。
 別に「狂信的なテロリズムのカリスマ指導者」として受け入れられた訳じゃ
無い。「他に頼る者が無い」タリバンにとって、ビンラディンが非常に重要
な客人になったのは「土木技術や人材や資金」を持ち込んでタリバンの治世
に多大な貢献をした為です。

 自分から金を出してインフラ整備の技術指導をしてくれるような人材をタ
リバンは渇望していた訳ですから、ニーズとシーズががっちり噛み合った。
 ここで、アルカイダが大挙して来る以前に、タリバンが治世の技術を学ぶ
機会が有ったらどうなってたでしょうか? イスラム復古以外の治世の方向
性を受け入れる柔軟性はホントに無かったんでしょうか?

 アルカイダやパキスタン軍情報部といった「偏狭なタリバンなら使いやすい」
と画策する勢力以外に「誰もタリバンを助けてこなかった」のが一番の問題
なんじゃないんですか?

 岡島さんにとっても究極のゴールは民主主義と人権尊重、その為の法治で
すよね?
 以前のアフガンはそれどころじゃなかったわけです。日本で言ったら戦国
時代だった訳で、各勢力の覇権争いで砲弾が飛び交う中で選挙も議会も憲法
策定も望むべくも無い、無理な話しです。
 じゃあアフガンが戦国時代じゃなくなっても、タリバンは選挙や法治を受
け入れられなかったでしょうか?
 私は違うと思うんですよ。
 乱世を統一する為にはイスラム復古のようなイデオロギーが必要だったか
もしれない。でもそれは単に「分かりやすいスローガン」だったから旗印に
なってたんじゃないでしょうか? 「古き良き、平和なアフガン」を取り戻
す為に「田舎のしきたり」や民族の習慣法を尊んでアフガンの大半を掌握し
た彼らですが、国際社会に認知されて行く段階で徐々に民主主義と法治のス
タンダードに刷り合わせて行く事は方法次第で可能だったハズです。

 ところが誰も、彼らに法治や民主主義のシステムやメリットを教えてこな
かった。タリバンの中の「インテリ層」というのはイスラム教の指導者でし
かないし、彼らにとっての学問とは神学のみです。他の治世の知恵や仕組み
を誰からも与えられなかったから、アラーに頼る以外に無かったんじゃない
ですか?
 だからアルカイダ「ですら」受け入れられた。
 アルカイダは彼らに法律を作れとも選挙をしようとも言わなかった。
 けれど道を作って電気を引いて、ラジオで放送する事やプロパガンダで民
衆をコントロールする事は教えた。
 タリバンに食い込んで行ったのがアルカイダで無く、国連のPKOだったら
どうなっていたでしょう?
 PKFが内戦を停止させPKOが民主主義の法治国家へと踏み出す最初の一歩の
「踏み出し方」を手取り足取り教えていたらどうなっていたでしょう?

 国際社会がアフガニスタンを見失った(もしくは見捨てた)事がタリバンと
アルカイダの癒着を生んだ。タリバンに選ぶ権利はなかったんですよ。
 だって他に誰も助けてくれなかったんだから(^^;

 そのタリバンに向かって「アルカイダを放り出せ」って言ったって聞きま
せんでしょう。聞けなくて当たり前なんですよ。
 朝鮮戦争にソ連が全面参戦してアメリカに勝って、日本に対して戦争指導
者のGHQ指導部を犯罪者として引き渡せ、と言ったら聞いたと思いますか?

 それでも初め、タリバンは「証拠が有ればアメリカ以外の第三国に引き渡す」
と「交渉の余地有り」とテーブルに付こうとしていた。
 ビンラディンを国外に出すのは、タリバンにとっては身を切られるような
「恩人を売る」断腸の決断だったハズです。自分達が造り上げたイスラムの
秩序の王道から大きく外れる「苦渋の決断」ギリギリの妥協だったハズです。

 それをアメリカは「テロリストとは条件交渉しない」と一蹴した。

 そこで再びタリバンは落胆した。違うでしょうか?
 国際社会に認知されていない寂しい現実を再び見せ付けられたんですよ。
 その国際社会ってのは彼らからはアメリカそのものに見えちゃう訳です。
 アフガンにはタリバンにとっての法律が有り、タリバンにとっての治世が
有り、彼らなりにアフガンを住みよく維持して行こうと日々努力していた。
その向上心を「アメリカの都合」で全部否定されちゃったんです(^^;
 お前ら半端な勢力で一人前の「国」じゃないと。
 交渉? なにそれ、て態度で「恩人を売る断腸の決断」まで鼻で笑った。

 タリバンが「戦争するしか道は無い」と決断するまでの過程で、もっと血
を流さないで済む方策は有ったハズなんです。鉄砲突き付けて「敵か味方か」
じゃなくて、相手も「一つの主権国家である」と立場もメンツもプライドも
尊重した上で交渉する余地が有ったはずなんです。
 そうした交渉をする為にも「タリバンとアルカイダの分離」が不可欠だっ
たと考えるんです。私の認識どっか間違ってます?(^^;

 9/11の時点では分離出来なくなっていた、と言うのならそれ以前は何をし
ていたんだ、という事を問いたいです。何度も何度もビンラディンの身柄を
手に入れるチャンスが有りながら、アメリカ自身がそれを生かさずココまで
来た。アルカイダ自身が巧妙で慎重だったおかげではなく、アメリカの敵失
によって今日まで生き延びてきた訳です。

 そこから、今後も途上国に根を下ろすテロ組織に対して同じ態度を取るの?
と危惧してるんです。
 国際社会が支援しない「不完全な治世」に食い込んで根を下ろし、支持を
広げて行くテロ組織を「積極的に放置」して、そうした組織に頼らなければ
治世を行えないヨチヨチ歩きの政治勢力には手を貸さないで、挙げ句にテロ
組織が犯罪行為を起こせば「全部まとめて空爆」する。
 これからもそれを続ける気なの? って所がアメリカ不信の根幹です。

 「アメリカの政治」が「アメリカの国益」しか考えない事は重々承知です。
 「世界の平和と民主主義」の為にアメリカは血を流せないでいる。それが
世論だから。
 でももっと早い段階でもっと少ないコストで問題が解決できたはず、とい
う平和実現の手段の「コストパフォーマンスの悪さ」を指摘してるんですよ。

 アフガンからソ連が撤退した後、アメリカが中心となってアフガンにPKO
が入っていれば、そもそも今回の問題は初めから起きていない。
 ソ連と言う対抗勢力を失って、アメリカは逆に孤立を深めた。
 日本にとっては国連は政府より上にあるイメージですが、アメリカにとっ
ては国連も大統領と対等以下の組織です。「たった一つの超大国」が独善と
孤立主義に陥ったツケが巡り巡ってWTCに回ってきた。
 そう捉えて方向を修正して行かないと、これは同じ事が何度でも、もっと
悲惨なカタチで起こり得るんだと危惧してます。

 もっとキメ細やかな視点で世界との関係を深めてもらいたい>アメリカ
 国益のみの独善政治はもう止めて欲しい。

 反グローバリズムもアンチ・アメリカも「アメリカの存在そのもの」を憎
んでる訳じゃ無い。「アメリカのやり方は拙い」と声を上げてるんです。
 ところが世界の大半の市民は当たり前ですがアメリカの政治に関与できま
せん。世界の声を今後もアメリカが無視するような態度を取り続けるのなら、
WTCを何度作り直しても、何度でも爆破されます。
 他にアメリカにメッセージを届ける手段が無いなら仕方が無い、そう考え
るテロリストは、残念ながら「永久に居なくならない」。

 んで、今回のアフガン空爆です。これも独善の続きじゃ無いでしょうか?
 必要なのは「犯罪を犯したアルカイダの壊滅」であって、タリバンとは交
渉を重ねる余地が有ったはずです。
 またアルカイダと分離した後のタリバンに、法治と民主主義の国際水準に
合致した治世を行わせる手は幾らでも有ったハズです。
 タリバンにまで「無条件降伏」を求めるようなのは交渉でもなんでも無い。
 「軍事力を背景にした圧力」という「単なる恫喝」であり、交渉そのモノ
を受け入れなかったのはアメリカの方でしょう。

 今回は「旅客機爆弾」でしたが、既にBC兵器にエスカレートしてる。
 その次に来るのは間違いなく「核テロ」ですよ。
 それでも態度を改めずにアメリカが「君臨」を続けるなら、いつの日か世
界の大半が「アメリカにとっての敵」になってしまいます。
 だから長期的な「アメリカの将来の国益」の為に、タリバンとアルカイダ
を分けて対応して欲しかった、というのが私のスタンスです。

 と、ここまでがスタンスの説明。
 こっから先がアフガン空爆の後に望む事。

 まずアメリカ・ロシアによる北部同盟支援は即刻停止するべきです。
 支援しなけりゃ勝てない勢力に肩入れしたって、何の意味が有るんでしょ
うね? 政治家としてのマスード司令官を支援するなら意味は有ったでしょ
うが、もはや北部同盟に政治的なカリスマは残ってません(^^;

 今は「アルカイダとアメリカの戦い」を「タリバンと北部同盟」の代理戦
争にしてるだけです。北部同盟が勝ってもタリバンが押し返しても、もうア
フガンは元には戻りません。パシュトゥニスタンとそれ以外に別れてしまっ
て二つの国になってしまうか、役者が入れ替わっただけで泥沼の内戦が今後
も継続する危険性がある。

 アメリカがするべきは大規模な地上軍を北部同盟とタリバンの「間」に展
開して、双方を軍事的に圧倒して「停戦」する事だと考えます。

 まずは北部同盟を軍事的に解体しましょうよ。北部同盟の支配地域にはPKO
を入れてアメリカが認める「世界水準の治世」を実現させるべきです。
 まずは「刀狩」をしなけりゃ始まりません。
 国軍と警察以外は銃を持たない治世を始めなければ内戦は収まりませんか
ら。そこからPKOを徐々にアフガン全体に広める事が肝心です。
 それを見てもタリバンが民主主義を理解しないなら、タリバンを実力で排
除する事は「仕方が無い」。そういう順番で実力を行使するならむしろ歓迎
します。
 でも排除に北部の戦士を使っていてはやっぱり駄目です。また空爆でも駄
目です。大量に血を流してもアメリカが自国の軍隊でアフガン全土を掌握す
れば初めて道が開ける。

 イスラムの大義で自国を守るタリバンに対して、民主主義はイスラム教と
は対決しないが、より尊い価値観だと「アメリカ自らが」理念の為に血を流
して始めて、世界がアメリカを尊敬する。
 「楽な戦い」に終始している間は支持も理解も広がりませんよ(^^;

>結局「アル・カイーダ/タリバン」への攻撃と「アフガン民衆」に対する
>救済措置をバランスよくするしか具体的な解決方法はないだろうと現時点
>では考えています。

 岡島さんはこうおっしゃいますが、私としてはどっちも「やるなら徹底」
しろ、と言いたいんですわ。
 アフガン全土で民主主義にのっとった治世が行われるまで、アメリカ軍は
アフガン全土に駐屯する。飴と鞭で言えば飴をたっぷり、余るぐらいに降ら
せるしかない。インフラ整備も法律整備も難民帰還の支援も産業復興も全部
アメリカが持ち出して三年ぐらいで目処を付けたら良い。
 PKOは国連主導でやっても良いけど、PKFは実質的にアメリカ軍が担うべき
でしょう。PKFとPKOで国連を通していたら「間に合わない」のなら、アメリ
カ軍によるGHQを組織したら良いんですよ。

 新憲法を制定して議会を作って裁判所を作って、人材の養成から施設の建
設まで全部アメリカが持ち出す。
 そこまでやって初めて「反米感情」が払拭できる。
 北部同盟が全土を掌握して、昔の国王を担ぎ出したって、爆弾降らしたア
メリカ軍に対する怨嗟は残りますよ。その後にパシュトゥーン族が弾圧でも
されたら元の木阿弥、アルカイダよりもっと強く広範な反米組織が出来上が
る事は間違い有りません。
 ここまで関わったら全部責任取るしかないんです。

 なのに今でもアメリカは「何時でも逃げ出せる体制」しか取ってない。
 アフガンに爆弾を降らせて「壊す」事は出来ても、タリバン後のアフガン
の治世には「なるべく関わりたくない」なんてスタンスを取っている。

 太平洋戦争後にアメリカが進駐してこなかった日本って想像付きます?
 マッカーサーにもGHQにも東京裁判にも功罪両面有ると思います。でも農地
解放や新憲法や援助物資の配給が無ければ「その後の日本」が立ち行かなかっ
た事は想像に難くない。
 今、アメリカはまさにB-29でやったようにアフガン全土に爆弾の雨を降ら
せてる。それ以前から破壊されてきた貧弱なインフラは跡形も無い。
 「アフガン復興計画」を全部持って「戦略的に侵攻する」しか無いでしょ?
 そうじゃなければタリバンとアルカイダの同一視なんてするべきじゃ無い
んです。そこまで責任持って初めてタリバンを攻め滅ぼした「罪」が償える。

 他の方法では「無限の怨恨の連鎖」は断ち切れないんですよ。

 もっと言えば、世界中で敵対勢力を潰して回るより、初めから世界と敵対
しない道を探るべきなんじゃ無いでしょうか?
 私がアメリカに期待するのは世界規模の徳政であり仁政です。
 ソマリアでもチェチェンでもパレスチナでも「全く同じ事」が起こりうる。
 アルカイダ以外にアメリカを敵視する勢力が幾らでも蔓延る下地が、既に
出来上がって日々深刻さを増しつつある。根底に有るのは「南北問題」であ
り、テロ組織なんかより遥かに危険なのは「貧困そのもの」でしょう。

 民主主義と自由経済を世界の理念として普及させたいと本当に思っている
なら、中途半端が一番良く無いんです。短期的な自国の国益だけが大事だと
言うのなら、いつか世界の民衆がアメリカと敵対する。
 もっとも恐るべきは「民主的に反米を打ち出した政権とアメリカの戦い」
になる事です。サウジやエジプトやパキスタンがひっくり返ればホントにそ
ういう日が来る訳ですが、そこにはどんな大義も有りはしないでしょう?
 私はそんな、第二の冷戦みたいな世の中は御免被りたいんです。

 今ならまだ間に合う。
 アメリカが軸足を動かせばそっちへ向かう流れは止められると考えてます。


 と、これで大体説明になりましたでしょうか?
 足らない所はごツッコミお待ちしております。

 あ、ただ「各論への反論」に移る前に「アメリカが正しいとするスタンス」
の「総論」を頂ければ有り難いです。粛々と建設的に意見交換する為に、最
初にスタンスの説明と現状認識の概説ぐらいは有った方が良いだろうなあと
感じていますので。
 実は岡島さんや行里さんが、何を根拠にアメリカ支持なのか私にはちょっ
と見えて無かったりするもんですから、ご面倒かも知れませんが宜しくです。

 それでわ(^_^)/~

音楽という同人ジャンル
No. :44
Name BLEAD
Date :2001/10/30(Tue) 00:43
E-mail blead@gt.sakura.ne.jp

http://www.mct.ne.jp/users/b0008690/

上記が件のムビで歌を歌っていた片霧烈火さんのページ
題名通り結構最近は音系同人サークルというのも増えてきてます。
例えば既存のエロゲ等の音楽をアレンジしてみたりとか、7thMoonとか「遠い音楽」(最終兵器彼女イメージアルバム)というある意味二次創作の違う形を作ってみたり。なお、遠い音楽でも片霧さん歌を歌ってます。

ところで、二次創作の著作権って、結局グレイゾーンのままなんですかね?

それはさておき…

>あの全部同一人物にしか見えないタレ目絵のハンディキャップを(略)

最近の漫画はそのほぼ全てが「髪型マジック」にて成り立ちます。
顔はひとつしかかけなくて確かに細部は違うが髪型が変わるとキャラの区別がほぼつかなくなるという…
村枝氏なんかはそう言う意味で最後の砦だよなぁ…(遠い目)
仮面ライダースピリッツというよりも俺はREDのが好み

うぃ

選挙なんかキライですわ
No. :43
Name フランソワ
Date :2001/10/27(Sat) 14:44
E-mail francoise@mukiryoku.com
Website http://www.mukiryoku.com/

=せんすいかん様
はう。わたくしとしたことが、誤解と勘違い(他のムービーとの)がありまして、7th m○○nの関係者各位の方々にはご迷惑をおかけしてしまったのですわ。誠に申し訳ありませんでしたわ。

言い訳していい?いい?
御画像がオリジナルなのは分かっていたのですわ。

>っていうか、オリジナルの絵はもっとアレです。

んー、この点はわたくし同意できかねるのですわ。7th m○○nのムービーの真に素晴らしいところは、あの全部同一人物にしか見えないタレ目絵のハンディキャップを(略)

…それはともかく。わたくしが思い違いをしておりましたのは音楽だったのですわ。曲単体の完成度が非常に高かったので、よもやオリジナルとは思っておりませんでしたの。女性ボーカルがやや下手…というか好みが分かれる声かな、とは思いましたけど、それを差し引いても、普通のJ-popの基準で見ても充分いい曲と呼べる位に高水準だったものですから。つくづく、才能というのはあるところにはあるものですわね。
重ね重ね、皆さんには失礼致しましたわ。

>Mayoonおもしろかったです

おじや。

つぎはぎだぁらけ〜の〜、せかいをころ〜して〜
No. :42
Name せんすいかん
Date :2001/10/26(Fri) 21:33

フランソワさま

7th Moonっていうのは某同人ゲームの同人イメージアルバム(ややこしいのぉ〜)ですな
で、あのムービーはpromotion movieなのですよ、その7th Moonのね
使用されている曲は7th Moonの2トラック目を切り張りしたものであるし、画像はアレがオリジナルではありません
っていうか、オリジナルの絵はもっとアレです。typemoon.comのサイトでも見て確認してくださいな

う〜ん、何を書いているか訳わからんな〜

簡潔にまとめましょう

1.あのムービーは7th Moonという、去年末に(一部で)大ブレイクした同人ゲーム「月姫」、それの同人イメージアルバムのプロモーションムービー、だそ〜です(平読み口調)
2.あのムービーに使用されている曲、画像共に月姫をこさえた所の著作物をまんま流用した物ではないんですねコレが、ハイ
3.要するあのムービーは違法物ではなく、MAD=即イリーガルじゃね〜ぞ、ムービーを落としたサイトをよく確認してみれゴルァ!・・・って事です(藁

そんだけです、ハイ

・・・あっ、Mayoonおもしろかったです

ギョムレン
No. :41
Name フランソワ
Date :2001/10/25(Thu) 19:48
E-mail francoise@mukiryoku.com
Website http://www.mukiryoku.com/

岡島様の御依頼により、No.17のお書き込みの誤字(コピペ間違い)を修正させて頂きましたわ。対応が大変遅れまして申し訳ございませんでしたわ。

月姫フォントとかコメットさんフォントとか呼ばずにアルジュナフォントと呼ぶいじめ。
No. :40
Name フランソワ
Date :2001/10/24(Wed) 20:24
E-mail francoise@mukiryoku.com
Website http://www.mukiryoku.com/

=皆様
御久しぶりですわ。もしくは御初めましてですわ。(それだけか。)

=パンマン様
月姫といえば「seventhM○○n」とかいったムービーを某所で拝見しまして。あれはゴイスーと思ったのですわ。違法だけど。
何の話だかさっぱりなのですけど、手術の話を御兄様に言った所「どーせ使う機会なんか無いんだから良ーじゃーん」とだだっ子のように言っておりましたわ。(ギャラリーも多かろうこの時期に。) そして、その後急に思い出話をしだしたのですわ。なんでも、昔御兄様が学徒(もちろんピアノは回転しながら弾きますわ)だった頃、ネイティブスピーカーの外国語の先生がおりまして、この方は日本語が全く御分かりにならず、日本語の人名等をアルファベットで見ていても、どうも上手く発音できないという方だったそうなんですの。それで、御兄様のご本名であるところの「Kohei」等も、最初の子音と二つ目の子音を必ず取り違えて発音なさっていたそうですわ。
毎回、御兄様に向かってそれを全く悪気無く連呼だったそうですわ。思いっきり実話なんだそうですわ。

ん、絶縁状?
No. :39
Name 行里
Date :2001/10/24(Wed) 09:18
E-mail yukisato@mcn.ne.jp

私の名前を騙ったメールでも届いたのでしょうか。
というのは冗談ですが、27の書き込みのことを指している
のでしたら、「自分の意に添わない反論に対して誹謗中傷
で応える」のはやめてほしいというのが趣旨です。(1行目)
そのことに関しては、確かに理解も肯定もできない。(交流不能)

「テロ事件に関係する話題で、あなたの主張を肯定したこ
とは一度もありません。」と書いたのは、逆にいえば、肯
定はできないまでも理解はできるということです。
私は別の意見をもっていて、あなたの主張を肯定はできま
せんが、一つの意見として尊重します。
たとえ批判的に述べるにしても、同じ土台で言葉を交わす
ことは可能です。

別段言葉遊びをしているわけではありません。
正直な話、議論の度に人間関係を破壊していたら、身が持
たないですから。(笑)

…なんと言うべきか
No.:38
NameBLEAD
Date:2001/10/24(Wed) 00:10
E-mailblead@gt.sakura.ne.jp

削除されているので途切れ途切れで意味不明。
…むぅ。
したいのは理解できるが、こうやって後から来た人間が意味不明になってしまうのは鯖さんの一つ悪い癖だと思うのですよ。
消すくらいなら初めからもうちょっと推敲すればよろし。
と言うわけ。

終わった祭は放置。


>けんけんZさん
その方がうまくいくことも色々あると思う今日この頃。
いや、単なる生存競争に敗れた男の戯言なんですが(笑)
末子相続…その方が身体が頑強である場合が多いですからな、実際俺は昔の乳児死亡率だったら確実に死ねる程度に虚弱だったのもで、昔から季節の変わり目に風邪は付き物でしたし。
翻って、妹は健康体そのものでした。
まぁ遺伝子を残す云々に関しては、俺の場合男女の違いこそアレ殆ど似たような遺伝子を持つ妹が結婚しましたのでもはや関係ないかなとか思う今日この頃なのですよ。
実際農村部では江戸時代もそんな感じだったらしいですし、一つの村という単位で物事考えて家なんて殆ど考えられずに。

快楽原則と中途半端な「自立」という思考がありますから。
かなり無理臭いですわ。
ただまぁシングルマザーなんかも存在しはじめていますから、そっちの方向に流れていけば似たような物になるのではないかと密かに期待してますが。
俺的には知人がシングルマザーになってそれの応援でもして生きていく生き方を望むものであり。

無論旧来の結婚の形もいいと思いますよ。
それだけじゃないというのもいいと。
どちらにせよ、俺には縁が無さそうだが、このままいくと(苦笑)

次の人類とか言う話に関しては、最近発売された?大槻ケンヂの「ステーシー」を読んでみると良いでしょう。
あ、訂正。最近文庫本化された、だ。

余分な書き込みは削除した。
No.:37
Name
Date:2001/10/23(Tue) 22:50
E-mailhemmi6@land.hokuriku.ne.jp

長々としたレスも必要あるまい。

行里さん

議論の叩きのつもりで幾つかひつじで
の流れに沿って、自分がなにを考えていたのか
を書き込みましたが、矢張り辞めておきましょう。

私は貴方を良き友人だと思っているが、
迷惑になるのならば、確かに心苦しい。

意見の違いはあり、同意を見る事は無いとしても
、そんな事はあたしにはどうでもいい事だ。
論敵は本来良い友でもあるものだと思っている。

ですが、事実上の絶縁状を頂きました。
謹んでお受けしたい。

今まで、楽しい討議をありがとう。
今後もご活躍をお祈りいたします。

では、失礼。

ふむ・・・
No.:36
Name
Date:2001/10/23(Tue) 22:26
E-mailhemmi6@land.hokuriku.ne.jp

納得はいきませんが、平和裏には治めたくもある。

ま、相手が何者であれ、確かに非は非。
無礼な表現に関しては確かにあたしも恥じる所が
ある。

その点は岡島氏に詫びておきます。

失礼した。

もっと穏健な表現で語るべきだった。
その部分だけ「あたしとしては人格に信用を
置く事が出来ない」と言う表現に変えさせて欲しい。

感情に流されて、品のない攻撃手段を取った事は
重ねて謝罪しておきます。

尚、先方があたしを罵倒し、あちこちで誹謗する
権利は貴方は無論引き続き有する。どんどんやって
くれたらいい。それはあたしの信条だから。

我慢はしないが、黙殺はしましょう。
彼の事に関して、どうも流されると自分の品性を
今以上に破壊しそうだから(苦笑)彼に配慮する
つもりは毛頭ないが、自分の主義としてそれを
優先しましょうかね・・・

これ以上語るのは本当に嫌気がさした。

いや、だから・・・・
No.:35
Nameうらかみ
Date:2001/10/23(Tue) 22:09
E-mailplumeria@ss.iij4u.or.jp


そうなるのはさすがにイヤでしょ、って・・・
あのね、だから、そうさせる原因を作ってるのは
いまんとこ、鯖さんでしょ。

それとも、
「みんなに聞かれたから答えたまで。ふってくる人たちに原因がある」
って理屈?

ごめんね、鯖さん。しつこいけど、こっちにも書くわ。
No.:32
Nameうらかみ
Date:2001/10/23(Tue) 21:51
E-mailplumeria@ss.iij4u.or.jp


久々に書き込もうとしたら、どうやっていいのかわからず、
5分ほど悩んだ(笑)。

お久しぶりです。
皆様、お元気そうでなにより。というわけで本題に(笑)。


あのう、鯖さん。
ギャラリーは謝って欲しいわけではなくて、鯖さんの態度に驚きを
感じました、ってことを言ったわけでしょ。
別に、「鯖さんと岡島さんの確執をすべてわかるように話せ」
って言ってるわけじゃないと思うのよ・・・
少なくとも、私はそう。

>これは分からない訳ではない。只、上記の感情と、その
>後、終に「切れる」に至った経緯から、暴言を吐いた
>事は良くないと思う。

>故に、ギャラリーの諸氏には、お見苦しい所を
>見せた事は謝罪させて頂く。彼に対するネガティブ
>な感覚は消えないが。


他のことはともかく、いらん暴言を吐いたことは俺が悪い、と潔く認めたのなら、
その部分を謝るのはギャラリーではなく岡島さんに対してでしょ。
岡島さんが言わせたんだから、岡島さんに対しては謝罪しない!のなら、
ギャラリーに謝っても無意味だと思います。


>だから、あたしに対して、あの人物の事を問うたり
>なさらないで欲しいのです。聞き苦しい言葉を懸念
>なさる方には、特に。あたしも、好き好んでそういう
>言葉を吐きたい訳では決してないので

そう言うわりには、行動が伴ってない・・・。

好き好んで言いたいわけじゃないなら、11のカキコは良くないよ。
行里さんのカキコに対して、岡島さんの話題を出す必要があったとしても
あんな言葉で表現する必要はなかったでしょう。
おしまい、って言ったあとで、衛星でいろいろ言ったことも。
これは鯖さんの落ち度だと思う。


終わった、終わりにしよう、したい、と本気で思うなら、
>行里さんはともかく、ぱん氏も何故にあんなのに拘る?
>あたしは関わりたく無いんだってば(しくしく)
みたいに、「あんなの」とか言わない。
「もうあなたと関わりません」宣言したあとには、相手を悪く言わない。

チャットとはいえ、記録が残ってしまう場所で、過去の掲示板のやりとりを
一方的な立場から語らない。

2ちゃんのことを良く知らないと言いながら
「トラブルあったらしい」(総合)
「だから2chでトラブル起こす様な相手と議論なんぞしたくなかったんだ」(衛星)
みたいに言わない。

よく知らない場所についての出来事を
「俺も詳しくは知らないけどさ〜、あいつって○○だったんでしょ?」
って言う行為をどう思う?(^^;)



まるで鯖さんは「やめたい」と言いながら自分から悪口を続けたいように
見えるよ。
その気がなくても、そう見える。
だから、ROMしてたギャラリーから、意見が出たのでは?


一方的に鯖さんのことを責めたいんじゃないし、どちらの味方ってわけでもない。
二人の間の確執を、他人にわかるように説明するなんて不可能。
メールや過去ログをすべて公開するなんて出来ないし、そもそもしたって意味がない。

だから、鯖さんと岡島さんのもつれを、
「冷静になればいいのに」
「仲直りできないかしら・・・」
なんてぜんぜん思ってない。
撤回して謝れなんて言わないよ。

ただ、本当に鯖さんがこの関係を打ち切りたいなら、たとえ衛星でも
他の場所でも、彼に対する否定的な言葉を、出来る限り言わない
ほうがいいんじゃないか、ってことです。

たとえ話をフられ(たように感じ)ても、
「これ以上、彼とのことはノーコメントです」って言えばいい。
「”あんなの”の話はもうしたくねーんだよ」って言う必要ないじゃない。


彼の話題を振られたから話したまで、じゃなくて、フられるような言動は控える、
もしフられても我慢してノーコメントを通す。

話し声が壁を通して聞こえる距離で(衛星のことね)話すのは、少なくともノーコメントとは言わない(笑)。



■■■■■■■■まとめ■■■■■■■■<最近お世話になってる国内旅行版風(笑)


なんでノーコメントにすれば?と提案するかと言えば、
鯖さんが「だって僕は彼の考えがこうでああで、だからこうした」と言っても
それはあくまで鯖さんの立場の見方で、岡島さんには同じくらいの反論が
あると思うわけ。
それをお互い言い合ったら永遠に終わらない。
それこそもう、18のカキコミの時点で、終わったことでしょ。


「あなたとは議論したくないから、よらないでくれ」とまで言った
相手に対して、
「彼の意見はこう、彼の人間性はこう、だから俺はけったくそ悪いんじゃ」
って言うのはどうなのよ、って。
「議論したくない、する気がない。だからもうおしまい」
と手打ちしたのに、誰かに聞かれりゃ相手の主張を一方的な自分の言葉で
語っていいの?

31の「回想」で、
>以上、ひつじにて。実地と突き合わせて検証されるのも良いでしょう。
って言ってるけど、それは鯖さんの一方的な解釈でしょ。
ここで岡島さんが、岡島さんの立場と考えで、同じことを述べたらどうなる?
彼にその権利はあるよね。
でも、そしたらまた始まっちゃうよ?
鯖さんのいうところの、不毛な議論がさ。

だから、かまって欲しくないというのが鯖さんの本音なら、ノーコメントを
オススメするのです。
続きをやりたいのなら、しょうがないけどね。

偉そうにすみません。
過去に苦い経験をもつ(爆)、ババアの老婆心と思っていただければ。


ではでは。


no title
No.:28
Name行里
Date:2001/10/23(Tue) 18:14
E-mailyukisato@mcn.ne.jp

昼間にちらっと読んだ鯖さんの書き込みは、削除なさったんですね。
>岡島さんに対して無礼な態度をとる免罪符に、私の名前を出されては迷惑です。
の部分は撤回します。

Yankees end Seattle's golden season
No.:27
Name行里
Date:2001/10/23(Tue) 18:09
E-mailyukisato@mcn.ne.jp

>鯖さん
自分の意に添わない反論に対して誹謗中傷で応えるという
あなたの姿勢は、全く理解も肯定もできません。
岡島さんに対して無礼な態度をとる免罪符に、私の名前を
出されては迷惑です。

テロ事件に関係する話題で、あなたの主張を肯定したこと
は一度もありません。
岡島さんとは、発言の方向が私と幾分似ていたのであえて
距離をおき、少し別の立場から鯖さんの主張に批判を加え
たということはありますけれど。

例えインターネット上でも、口を極めて特定の政治的な立
場を非難すれば、反論を受けるのは当然です。
その意味において、やや感情的な部分はあれど17の岡島さ
んの書き込みを、私は全面的に肯定するものです。

鈴木さん、お久しぶり(笑)
No.:26
Name
Date:2001/10/23(Tue) 13:00
E-mailhemmi6@land.hokuriku.ne.jp

姐御はお元気で?

又、一緒に飲んで頂けると幸いです。

勝ち負けを付けたつもりはないです。
見苦しい所を見せて申し訳ない。

あの人物に関してあたしに振れば、あんな言葉
しか出てきません、残念ながら。正直な印象なので
撤回等は無理です。嘘はつきたくないから。

では、又。