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総合 (ろぐ207)
ここはわたくしフランソワが逃げた兄に代わり仕切っていた(過去形)掲示板の跡ですわ。
大体何でも好きに書き込んで下さって構いませんわ。わたくしが気に入らない書き込みはプチ消しますけれどもね。


Re[70]: 「3億人が泣いた!」
No.:71
Name岡島
Date:2002/02/13(Wed) 03:16

ファーストアヤナミストさんへ。

すっかりネタばれ見てしまいました(爆。ベタすぎるストーリーだけに
はまると強烈でしょうね(笑。

>ところで、「家族計画」はプレイされましたか?

電脳紙芝居はここ1年ほどやっていないのです(T^T)。暇と精神的余裕
が欲しいです(T^T)

「3億人が泣いた!」
No.:70
Nameファーストアヤナミスト
Date:2002/02/12(Tue) 21:33

こんばんは、岡島さん。追加情報です。
以下のHPにて詳細(?)が載っています。BS・・・ですね・・・

http://www.sanspo.com/geino/g_top/gt200202/g_top2002021007.html

韓国の日本語HPはこちら
ただしネタバレ混じりなので要注意。(最終話に関する物)http://www.koreanavi.com/entertainment/tv/20001123-1.html
末尾を-2.html -3.htmlに替えたところにも記事があります。ネタバレ
がお嫌でしたらそちらだけ読むのも。

ところで、「家族計画」はプレイされましたか? 同じく山田一先生が
シナリオを担当。
「泣いてみたい方にお勧め」と称される名作。

なんですと!!!
No.:69
Name岡島
Date:2002/02/12(Tue) 07:55

お久しぶりです、ファーストアヤナミストさん。

> うらかみさんとこがここしばらく繋がらないのでここに書きます。
> 「加奈」のパクリもといオマージュで有名な韓国ドラマが日本でも
> 放映されるそうです。
> 最後の決めセリフが同じという噂は本当か?

なんですと!!! 加奈っことしては見逃せない情報(爆。引き続き
詳細プリーズ。

お知らせ
No.:68
Nameうらかみ
Date:2002/02/12(Tue) 01:10


人んちの掲示板でお知らせするのもなんですが、
住人重なってそうなので。
二科展、ただいまオリンピックの影響か、サーバーが
どーかしたらしく、ここしばらくつながりません。
ご迷惑をおかけしますが、復旧まで、もうしばらくお待ちくださいませ。

岡島さんへ
No.:67
Nameファーストアヤナミスト
Date:2002/02/11(Mon) 21:58

うらかみさんとこがここしばらく繋がらないのでここに書きます。
「加奈」のパクリもといオマージュで有名な韓国ドラマが日本でも放映されるそうです。
最後の決めセリフが同じという噂は本当か?

おおよそ
No.:66
NameSOU
Date:2002/02/11(Mon) 00:04

あと、一週間となてまいりましたまっこうオフ!
ここらで中間報告関係をのせつつとおもったら
反応鈍いのでやめ

まあ阪神ファンが
No.:65
NameけんけんZ
Date:2001/12/18(Tue) 02:24
E-mailken-kenz@kk.iij4u.or.jp
Websitehttp://www.kk.iij4u.or.jp/~ken-kenz/kurige/

 どんなに弱くてもフロントが駄目でもチームを応援し続けるのは一つ
の見識だと思いますが、そのファンに甘えっぱなしの球団運営側はファ
ンが付いて来てくれる間は変わらないと思うんですよね。
 私は久万オーナーはアホなんや無くて、したたかなナニワの商人やと
思います。トレードやFAで強いチームを作ったり、優秀なチーム成績に
選手の年俸が跳ね上がったりと「まっとうに」お金を使わずとも、名物
監督でファンの期待を煽った方が安上がりだとタカを括ってるようにも
見えるんですよね(^^;

 しかしそれも、仙一さんなら変わるかも?


IE6、5,5にセキュリティホール>

http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1217/iebug.htm
 先日来OutlookとIEのセキュリティホームを狙ったワームが大流行しま
したが、その後発見されたホールに対するパッチが先週末より出てます。
 当てずにおくとまた新種のワームが流行って混乱するかも?
 当該ブラウザをお使いの方は是非、上記記事で情報を確認の上、MSの
サイトへ行ってパッチを入手して下さい。


岡島さん>

 まずテロの定義ですが。
 なるほど、ビンラディンの「頭の中」においては従来のテロとアルカ
イダのテロとで質を変えてはいない、というのはその通りですね。
 ご指摘通り「新たなテロ」の定義は「大規模破壊兵器」を使用する可
能性の面に絞った方が良さそうです。

 ただそうすると、今後行われる全てのテロが「大規模破壊兵器」によ
る「戦略爆撃テロ」の可能性をもつ訳で……やっぱり市民社会に対する
脅威としてはより広範で深いダメージを与え得る、一層危険なものとな
ると思います。
 個人的に、次の大規模破壊テロは、宅急便で化学兵器や核物質が送り
付けられるんじゃないかと危惧してます。ミサイル防衛構想が完成して
も、ならず者国家やテロリストはミサイル以外の運搬手段を用いれば良
いだけで(^^;

 私はそういう状況はもはや「全面戦争」だと思うんですよね。

「恐怖による支配」という精神的なダメージによって要求を通そうとす
るのではなく、一方の市民社会そのものに物理的・経済的な大打撃を与
えて、相対的に自分達の地位をより優位で強固なモノにしようとする企
てとして、そうしたテロが行われる危険性が有る。

 となれば、それに対応する方もやはり全面戦争の用意が必要になるか
と思います。例えばテロの本拠地を戦術的に攻略したり、テロリストが
使う可能性の有る新種の兵器(それは郵便であったり小包であったり旅客
機だったり、市民社会のインフラそのものでも有るんですが)に対する防
御策を講じたり、といった「戦術レベル」での対抗策では追いつかない。

 もっとロジスティックな視点と戦略によってテロと闘う必要が有ると
思うんです。

 ロジスティック(兵站・補給)の観点から言えば、敵の策源地はアフガ
ン高地の峡谷や、テロを匿う「ならず者国家」では有りません。それは
単に戦術的な戦力集積地で有って、戦略的な拠点では無い。
 ではどこが戦略拠点かと言えば、やはり反米嫌米感情を持ち続ける第
三世界のストリート(市民社会)そのモノが敵の策源地だと思うんですよ。
 そこに打撃を加えるなんて話はもちろん通用しませんよね(^^;

 テロとの戦いが「非対称戦争」と呼ばれるように、戦略的にも極めて
非対称なハンデ戦です。敵はストリートの感情を逆なですれば事足りる。
観光地で外国人を虐殺したり、外国の報道陣の前で米国国旗やブッシュ
人形に火を付けるだけで米国市民の感情を害する事は可能です。
 そちらの感情を盛り上げて強硬論を引き出せば、相対的に(自動的に)
イスラム社会の反米感情も強める事が出来る。対立の構図を陰影を強調
してみせるだけで敵の本拠地がより強固になっていくわけです。

 ではどうするかと言えば、やはり精神的に前線と後方を切り分けて、
敵の正面兵力を暫減していくしかない。
 具体的に言えば、反米感情そのモノを払拭する長く厳しい戦いになる
と思ってます。敵はイスラム原理主義の名を借りたカルト集団では無く、
ストリートに蔓延する「なんとなくアメリカ嫌い」という感情や「イス
ラエルを背後から支援するアメリカ」というイメージそのものだったり
すると思うんで。

 それを攻略するには先に上げた「細心の注意」によって、経済格差の
ある地域に住む、他の民族や宗教による市民社会からも信頼されうる
「新しいアメリカの姿」を作る以外に無いと思うんですわ。

 そうしたハンデをものともせずに勝つ以外に方法が無いと思うんです。
表面的にカルトやテロを一掃しても、その途上でストリートの対米感情
を今までより悪くしてしまえばそれは「利敵行為」に他なりません。
 長期的に敵を一層強くしてしまうだけです。


 次に日本の政府の判断や外交、についてですが、焦点は「対米追従」
の部分じゃ無いんですよ(^^;
 行里さんへのレスに書いた通り政府の外交判断が「日本の民主主義」
として機能しているかどうかなんですよね。

 平たく言えば、今回アメリカの要求を呑んだ経緯が民主主義に照らし
てどの時点でどんな情報を得てどんな検討を重ねた上で判断が有ったか
非常に分かりにくい、という部分が問題だと思ったんです。

 動いたのは結果的に自衛隊ですよね?
 どういう情勢判断が有り、どういう民主的な手続きによって自衛隊が
動いたのか、それが分かり難いまま状況が動いてしまった部分が「怖い」
んです。結果が同じであっても、初動の段階で小泉首相の見解が違って
いたらここまで疑心暗鬼にはならないで済んだと思います。
 アメリカからどんな情報が届いて(公開されなくても種類や確度が分か
れば良い)それを誰(どのセクション)が分析し、結果的に対米支援が必要
だと判断されたのか、それぞれの要素が明らかであれば不安にならない。
 専守防衛の組織と言っても自衛隊は間違いなく日本の国防「軍」なん
ですわ。軍隊を動かす為の情勢分析の材料を、最も重要な同盟国とは言
え根幹の部分が政府首脳に届くより先に「何らかの判断」を下す事が有っ
て良かったのかと問いたい。

>でも、日本の外交政策を『対米追従』とだけしか評価できないと
>すれば、問題です。吉田茂は(後略)。

 いえいえ、歴代政権がずっと対米追従だったと言う認識は無いです。
 問題にしたいのは小泉政権とブッシュ政権との付き合いだけ。

「結果的に」対テロ作戦に日本が自衛隊を動かして協力する事になった
事は私も評価してます。役に立ったかどうかはまた別の問題ですけど(^^;

 しかし次に同じ事をやった場合もアメリカの判断が間違わないと100%
言い切る事は出来ない。アメリカは情報くれない訳ですからその点確証
を得られん訳です。
 こっちで判断出来るだけの情報をくれとアメリカに対して言う事は国
益を損ねてます? 損ねるんなら黙っててもしょうがないですが、言っ
た方がより確実な判断が出来るんじゃ無いでしょうか?

 法案提出時にはそうした情報が届いていたと思います。
 でなけりゃさすがに国会は通らないでしょう(^^;
 んでも、初期の首相談話の時点でもう「どうやって自衛隊を動かすか」
って話になっちゃってましたよね?
 「日本として何が出来るか検討したい」の中身がなんで「最初から」
自衛隊の活用だったのか、結論在りきで話が始まっていたように見えて
しまう所が「不信感」の根っこなんです。

 こっから先は悲観論者の妄想ですけど(苦笑)、「アメリカの要請」を
受けて結論在りきで検討を始める現政府の姿勢が、統帥権を盾にされ軍
部の独走を事後承諾で追認してきた戦前の帝国議会と重なるんですわ(^^;

 軍隊を動かす場合にそういう「分かり難さ」は出来る限り排除して欲
しいんですよね。それはたとえ相手が唯一無二の同盟国アメリカであっ
ても、状況が未曾有のテロに直面した危機であっても、揺るがして欲し
く無い。シビリアンコントロールの精神は、内閣が情勢を把握した上で
自衛隊に下命する事であり、情勢分析に国民に政治を託された政治家が
全ての責任を負う事に在ると思っています。

 自衛隊自らが判断する事は有ってはなりませんし、他国からもたらさ
れた情報を鵜呑みにする事も出来ないはずです。今回アメリカに言われ
て自衛隊を出しましょうとなった後で、アメリカの判断が誤りだったと
なった場合、誰が責任取ってくれるんでしょうか?
 戦地へ赴くのは常に政治家じゃなくて現場の隊員なんですよ(^^;

 彼らに下命する段になって、不確定要素が有ってはならないと考えま
す。以前言いましたが私は個人的に自衛隊が(自衛隊員が)好きなので、
彼らを使おうとする判断に一点の曇り(疑念)が有っても承服しかねます。

 法案成立を受けた後のインド洋への派遣はまだ良かったと思います。
言うまでも無く国会が判断した派遣ですから(記名投票はやった方が良
かったかもですが)。
 しかし硫黄島へ回航する空母を縦隊組んで見送った判断はどうだった
かなと思いますよ。あの時点ではまだ何も決まってなかった筈です。

>外交政策の立案と交渉の結果に対する事後チェックでなされるべきです。
>そして本件に関しては状況が緊急である以上、事後チェックで十分です。

 お金や物資の派遣でしたら緊急の状況を理由にするのはアリだと思い
ます。自衛隊を動かす場合「のみ」は問題を別にしたいんですよ(^^;

 〜〜〜〜〜 ここから書いた時間が違います(笑)
         ので頭を切り替えて読んで頂きたい(^^; 〜〜〜〜〜〜〜〜

 ……とまあ、ここまで書いた所でまた論点が混乱しているなと(笑)、
自覚しまして筆を一旦置きました。
 どーも先日来熱が下がらんで頭がフラフラなんですよ(^^;
 解熱剤呑んで一寝入りして、さっき起きました。

 申し訳ないm(_ _)m<唐突ですが(^^;

 「私の勘違い」ですね。寝てる間に突然に分かりました(爆)。
 ので、ちゃんと関係記事を「熱の下がった頭で」読み返しました。

 アメリカから言われて自衛艦隊の派遣を云々は「方便」でしたね(^^;

 初めに結論在りきだったのはブッシュ政権じゃない。アメリカさんは
自衛隊がちゃんと派遣されるかどうか、良くて半信半疑。まあ最後まで
七分三分ぐらいで聞いてたんだなと(^^;

 派遣したかったのは中谷長官と小泉首相で。要は官邸側の持ち出した
話に過ぎんのでしたm(_ _)m

 湾岸の時の「負い目」が有ったんで、今度の機会を捉えては、もっと
「普通の同盟国」に近付きたいと「しゃにむに頑張った」結果が、現政
権の判断としての「自衛隊を海外に出そう」という「常識での判断」だっ
たんだ(^^;

 なるほど小泉首相の方が戦略家ですわ<今更ですが(^^;

 まあ次がもし有れば「情報の共有」や「機密の取り扱い」に関しても、
もう一歩「普通の(軍事的な)同盟国」になる為の準備として、今回に関
しては安全保障上の機密は要求しないまま自衛隊を初めて海外に出して
アメリカ軍の支援をすると言う実績を見せて、一つ貸しを作ったと。

 んで小沢さんはすかさず「正しい同盟国の在り方」と言う「次に繋が
る議論」の種を蒔いて「この機会を逃さないぞ」とメッセージを送って
いると。

 朝日的偏見を排して見ると、そーゆー事ですかね?(^^;

子供のころ、阪神が嫌いだったのは
No.:64
Name岡島
Date:2001/12/17(Mon) 09:42

フロントがアホウなのが小学生にも分かっていたからです(笑。

議論が混乱しつつあるので、まず整理しておきます。

まず、けんけんZさんの見解を整理したうえで、私の見解を述べておきます。

1.過去のテロリズムとの違い?

けんけんZさんは、従前のテロリズムとアル・カイーダによるテロリズムを
異なるものと捉えられていますね。つまり、従前のテロリズムを(a)「救
うべき民衆」が存在しているのを前提とした上で(b)「市民生活」そのも
のをターゲットにしておらず、(c)あくまでテロリズムの対象は「権力」
であったものと考えていらっしゃると思います。そうした上で、最近のテロ
リズムを(ア)「市民生活」を直接に壊滅の対象としたものであり、(イ)
大量破壊兵器を使用した「戦争」と捉えていらっしゃっていると思います。

おそらく私とけんけんZさんの考えの行き違いは次の点にあると思います。
第一にテロリズムの定義が異なること、第二に従前のテロリズムが「市民生
活」を直接に対象にしていなかったかどうかという問題に対する認識の差異。
もう一つはテロリストによる大量破壊兵器の使用の意味です。

私自身はけんけんZさんのおっしゃる「最近のテロリズム」(特にアル・カ
イーダのテロリズム)に「『市民生活』を直接の壊滅対象とした『全面戦争』
という要素が主であるのは否定しません。しかし、他方で、私は「最近のテ
ロリズム」と「従前のテロリズム」に根本的な違いはないであろうと考えて
います。

一つには「テロリズム」という用語は多義的なのですが、私自身は語源どお
りの意味で「相手に恐怖を与える事で、相手に(肉体的にも精神的にも)反
対させなくさせる政治手法」と考えています。これはそもそもTerrorismと
いう言葉がフランス革命におけるロベスピエール派による「恐怖政治」に由
来しているからです。だから、第一に

>イデオロギーそのものはテロリズムにとっては単なる「便宜上の理由」に
>すぎない

と言っているのです。イデオロギーは変わっても、テロリズム(という手段)
そのものに大きな変更がないのはほぼ当然のことといえましょう。また、テ
ロリズムをこう考える事によって権力によるテロリズム(ナチズムやスター
リニズム)と反権力によるテロリズム(たとえばIRAやバスク解放戦線)
の双方を射程におけます。

この点、ナチズムもスターリニズムも大層な政治スローガンを掲げていまし
たが、実際にやったことは「『市民生活』の破壊」そのものであり、最後に
はそれ自身が目的となってしまった(敗戦直前にヒトラーがドイツ民族その
ものを「慈愛」で殲滅する計画を立てていたことは有名です)。

またけんけんZさんの

>SASと闘うIRAにしろ、バスク民族解放戦線にしろ、無辜の市民に対する
>無差別殺戮を闘争手段としては選んでなかった訳です。

という認識は誤っています。調べ直せばすぐに分かりますが、IRAにせよバ
スク民族解放戦線にせよ、直接に「市民生活」をターゲットにしていますよ
(近年イギリスで最大の被害が出たREAL IRAによるOhma事件はショッピン
グセンターでの爆弾事件であることをお忘れなく)。

二つ目には、けんけんZさんが指摘した従前のテロリズムの要素(aからc)
がアル・カイーダによるテロリズムに見られないかといえば、必ずしもそう
とは言えない。ビン・ラディンの立場から見れば「救われるべき民衆」とは
(卑しむべき西欧文明に犯されている)「イスラム教徒」そのものでしょう
(a)。また、彼にとっての「市民世界」とは「イスラム教世界」であり
(b)、アメリカとは世界を支配する「権力」に他ならない(c)。このよ
うな思想が単なる「妄想」にすぎないというのは、私も行里さんも前のカキ
コミで書きましたが、その「妄想」が彼らの頭を支配しているのは、おそら
く間違いがないでしょう。だから、自分が「テロリスト」と呼ばれることを
ビン・ラディンは頑な拒否する。主観的には彼は自分をあくまで「ムジャヒ
ディン」と考えている(民族解放運動なら「自由の戦士」という言葉になる
と思いますが)。この(主観的)心理状況はなんら「従前のテロリスト」と
は変わりがないです。

ただ他方で、テロリストが大量破壊兵器が容易に入手できる、または開発で
きるという状況は確かに今までにはなかった状況でしょう。テロリズムによ
る被害が以前よりも遥かに大きいのはそのとおりだと思います。その点を捉
えれば、

>「新たなテロの時代」

と呼んでもかまわないと思いますが、その意味においてだけです。テロリズ
ムが「(『市民社会』を直接に対象とした)『恐怖による統治』をめざした
試み」であるということには変わらないと思います。「新たなテロの時代」
と呼んだところで、テロリズムの本質には変わりがないです。

2.日本の外交政策は対米追従?

>YESはYES、NOはNOなんですけど、Yes butと言える同盟で
>ありたいと。

というのは、同意しますけど。でも、日本の外交政策を『対米追従』とだけ
しか評価できないとすれば、問題です。吉田茂は日本国憲法第9条を盾に一
貫してアメリカの再軍備要求を退けてきましたし、1960年の日米安保条約の
改正にもどれだけ外務省が心力を注いできたか、70年代以降の度重なる経済
摩擦において通産省がどれだけアメリカの要求にNOといってきたか、理解さ
れていらっしゃるのでしょうか?さまざまな要素を踏まえて具体的に個別の
国際問題を考えれば、今までの日本外交がベストではなかったけれども、(
日本の国益にとって)ベストであろうと努力をしてきたし、実際ベターであ
ったことは否定できないと思います。

日本政府の外交政策が対米追従であるという一般的印象だけで議論するのは
そろろそやめにしましょうよ(にっこり。そんな議論は(けんけんZさんが
脱却したがっている)アサヒちゃん的議論の典型だと思うので(笑。

ちなみに今回のWTC事件以降の日本政府の対応は、きわめて当然のことと考
えています。大統領が極秘で専用飛行機で逃げ回るような事態ですよ。(ど
の国や組織が敵であっても)アメリカを支援する姿勢をみせるのは、同盟国
として至極当然のことです。アル・カイーダがWTC事件を引き起こした証拠
も軍事活動を始める前に同盟諸国に伝えていますしね。それで十分です。

この点、けんけんZさんはアメリカ政府が十分な資料を日本国民に伝えてい
ないといって憤慨されていますが、その見解は外交(diplomacy)と交渉
(negotiation)の区別がついていないものです。民主的コントロールは
外交政策の立案と交渉の結果に対する事後チェックでなされるべきです。
そして本件に関しては状況が緊急である以上、事後チェックで十分です。

>今回の件で言えばEU諸国はアメリカ大統領直轄の秘密軍事法廷にNoと
>言いました。
>テロとの戦いにおいてアメリカの行動を全面的に支援する「しかし」
>テロリストの人権をアメリカが無視するのであれば、それは容認できな
>いと、Yes butとした訳ですよね。

これは、ヨーロッパ諸国に関しては欧州人権条約体制があるので、軍事裁判
が人権条約第6条(公正な裁判を受ける権利)や第3条(拷問の禁止)を侵害
する可能性や死刑制度を廃止することを目的とした第六議定書に反する可能性
が払拭されない以上、テロリストの引き渡しが法律上できないのですよ。日米
の場合はそのような国際法的制約がない。それだけのことです。

ちなみに私はタリバーン兵や(オスマ・ビン・ラディンも含む)アル・カイー
ダ兵に対しては軍事裁判で十分だと考えています。現在のアフガンの状況は国
際人道法が適用される交戦状態なので。

行里さんへ。

>一方で(当然ながら)イスラム過激派とアメリカとの間で股をさかれるよう
>な立場に、日本が立つべきでないと考えます。

もちろんですわ。そんな「中立」状態を主張しているような政治家はどうにも
ならんです、はい(笑。理想と現実のバランスというのは、政策目標とその実
現可能性といいかえていいですわ。

それでは、また。

弱いチームに貢ぐと
No.:63
NameけんけんZ
Date:2001/12/17(Mon) 02:32
E-mailken-kenz@kk.iij4u.or.jp
Websitehttp://www.kk.iij4u.or.jp/~ken-kenz/kurige/

 何時までたっても強くならないので、勝っていれば球場収入が増え、
負ければ売り上げが落ちるのが健全だと思います。
 んでも勝っても負けても名古屋じゃ中日スポーツが売れてるからあん
まりドラファンだって大きな顔は出来ませんが(笑)。


行里さん>

 結局「筋論」になっちゃうんですよ。理想主義者なので(^^;
 例えば今回日本が対米支援に乗り出す経緯が

 アメリカで同時多発テロとの一報が入る
  ↓
 首相がお見舞いの談話を発表(出来る限り早いタイミングで)
  ↓
 内閣調査室にアルカイダが黒幕との情報(判断材料)が届く
  ↓
 内閣府で検討し支援が必要と認める
  ↓
 首相が対米支援を打ち出す(ここまで24〜48時間ぐらいで)
  ↓
 慎重論を唱える野党「党首」に限って限定的に情報開示とか
 法案を提出する与党側の主要議員に限って条件付きの開示とか
  ↓
 国会へ法案提出

 こーゆー流れだったら文句の付けようが無かったと思うんですよね(^^;

 小泉首相の「常識で判断し」という「判断の中身」が問題だったと思
うんです。例え国民に広く開示できない情報だったとしても、首相自身
は詳細な情勢分析と生のソースを手にした上で「日本として行動が必要」
だと決断したと言うのなら、後は支持率80%小泉首相という人物を信頼
するかどうかだけが国民の判断なんです。
 それは民主主義だと思うんですよ。国民が選んだ国会議員が指名した
総理大臣ですから。緊急時に判断を預ける事が有っても当たり前です。

 ところが「開示は出来ないがアメリカは確たる情報を掴んでいる」ら
しいと聞いたから「内閣として出来得る限りの対米支援を行いたい」と
なると、日本つう国はどないな国やねんと言いたくなるんです。

 ブッシュ大統領に投票したアメリカ人なら大統領を信じて付いていく
事も可能ですが、残念ながら我々はブッシュ大統領を直接信任したわけ
じゃ有りません。
 そのアメリカが「開示できない情報だが信用して付いて来て欲しい」
とか「テロとの戦いでどっちに付く? 敵か味方か?」とか言い出して
も、日本政府はそれにツッコミ入れてない。

 どこに「日本の民主主義」が挟まってます? 国民の判断がどこかで
機能しますか? どこにも無いんですよ。
 無いのにインド洋に艦艇を派遣する法案だけは出来ちゃう。

 おいおいそれはちょっと待てよ、と(^^;

 もう一点。
 ここのところ私個人がトーンダウンしてきた最大の理由は、ビンラディ
ンがテロの成功を得意げに語るVTRを見たからです。
 あれが100%信頼に足る情報と言えるかどうかの判断は置いても、あの
映像を公に出してきた以上、アメリカはビンラディンを捕縛し普通の裁
判(公開は無理でも弁護士と陪審員が付く通常のモノ)にかけても勝てる
という確証を得た上で公開を決めたと思うんですよね。

 だから、今はさっさととっつかまって裁判して欲しいと思ってます。
 人が犯した罪を司法が裁く事には何の問題も有りません。
 でもそれ以前には、アメリカが「ちゃんと」裁判をする確証どころか、
ビンラディンが「容疑者かどうか」すら我々には明らかでなかった。

 となると、例えば沖縄で米兵が事件を起こした時どうだったかとか頭
を過ぎる(^^;
 日本の司直が容疑者だと言っても「駐留している米軍兵士」を容疑者
として引き渡すかどうかは米軍内で判断させろと言う国と付き合ってき
てる訳です。人権に配慮し通訳を付け弁護士も付けさせろと。それがア
メリカの人権配慮だと言ってきた訳です。

 それならビンラディンにも通訳付けて弁護士付けて陪審員付きの裁判
させたらんかいと、思うんですよね。

 どっちも恐ろしく一方通行じゃないですか?
 民主主義に必要な情報も、人権上の判断も、全部向こうに下駄を預け
て(もしくは取り上げられて)何が主権国家かと。おまえ主権国家の看板
だけと違うかと小一時間(略)。

 もちろん内調に機密を預けられない(法体系の不備)とか外務省が機能
していない(官僚機構の不備)とか、こっちで反省すべき点は多々有った
と思います。殊にマキコ大臣が外務大臣を務めていた時点でこういう事
態が起こった事は不幸中の不幸としか言いようが無い(苦笑)。

 それでも、同盟国なら安全保障上の情報の融通や、判断するに足りる
だけの材料の提示が有ってしかるべきだと感じるんです。
 「同盟国だから黙って付いて来て欲しい」じゃ無くて、同盟国だから
信頼してこれだけの材料を預ける、だからそちらで判断してくれと。

 それが正しい安全保障条約の有るべき姿じゃないんでしょうか?(^^;

 ですから今回の件では小沢さんを大いに見直したんですよ。自民党も
言わない正論、筋論を吐いていたのは一人小沢さんだけでしたから。

 あの時点で情報を全部アメリカに「握られて」不安を感じなかった行
里さんの「アメリカ政府の判断に対する信頼感」はどこから来てたのか
を改めてお聞きしたいです。
 私は、権力と言うモノは(例え悪意が無くとも)いつか必ず間違うモノ
だと思っています。だから民主主義という手続きが有るんだと。
 もちろん安全保障の為の迅速な判断において手続きが「後回し」にな
る事は有っても良いでしょう。でも後回しにして良いのは手続きまでで、
民主主義の精神まで後回しにされたんではたまりません(^^;

 そこまで公権と言うものを信用する事は出来んのですわ。


 それでわ(^_^)/~

虎ファンは立派だと思います。
No.:62
Name行里
Date:2001/12/17(Mon) 00:57
E-mailyukisato@mcn.ne.jp

ドラファンはチームが弱いと手の平を返す傾向がありますから。(爆)

○岡島さん

> バランスをとるということと「中立」というのは全然異なりますよ(笑。

そうですね。岡島さんは別の意図で書いたのかもしれませんが少し。
トニーブレアが「理想主義に聞こえるかもしれないが」と枕詞を置
いて語っているような内容のリベラリズムであれば、私も賛成です。
バランスをとることが大切だと思います。
一方で(当然ながら)イスラム過激派とアメリカとの間で股をさか
れるような立場に、日本が立つべきでないと考えます。日本の伝統
的革新政党の主張は、お題目を唱えながら金儲けに専念するという
ことのように思いますから。
No58の私の岡島さんに対するレスは、明らかに二つの問題を混同す
るかのような書き方をしていますね。前回の発言は撤回します。

○けんけんZさん

一つ書き忘れていました。今回のアメリカに対するテロ戦争は、政
治的背景を越えた人道に対する罪です。文化相対主義による擁護は
不可能です。擁護と受け取れるような論調も、百害あって一利ない。
これが湾岸戦争であれば、平和裏にフセインに兵を退かせることも
可能で、そうすべきだった(=拙速だ)という批判も成り立つと思
いますが、今回は無理ですね。私はそう考えます。

と、ここまで書いたところでNo61の文章を読みましたが、けんけんZ
さんが日本政府のどのような政策に不満なのか分からないので、保
留します。軍事法廷の是非について積極的に発言しろということで
しょうか。
イラクに攻撃の手を広げるべきでないと、私は思っています。中谷
防衛庁長官が先日渡米して、その際は日本の姿勢を見直すこともあ
ると伝えましたね。イラクへの経済制裁解除という動きはヨーロッ
パ諸国にはあるようですが、似た話でアメリカの意に反する形でイ
ランとの関係を強めているのが日本でした。
日本がアメリカの言いなりになっているという風には、私には感じ
られないので、とりあえずの相違点かなとは思います。

味覚が遠い(T_T)
No.:61
NameけんけんZ
Date:2001/12/16(Sun) 22:55
E-mailken-kenz@kk.iij4u.or.jp
Websitehttp://www.kk.iij4u.or.jp/~ken-kenz/kurige/

 熱や咳は我慢出来ますが、鼻が詰まったせいか味がしないのが何とも
困りモノ。煮物を作ったつもりが佃煮のようになったりして(苦笑)。
 ま、カミサンにうつされた風邪でして、現状は二人揃って味オンチに
なってるのが唯一の救い(苦笑)。


余談>

 阪神を強くしたければ、毎年の最下位にも関わらず甲子園へ行って球
団にお金を落とすファンの意識から変えないと駄目でしょう(^^;
 球団経営も選手の意識も、最終的にファンが育てるもんでしょうから
ね。まぁ、そーゆー意味では仙一さんは適任かな>意識改革

 鉄拳飛びそうですが(^^;


さてレスです>岡島さん

>現代的な意味での(政治的)テロリズムは19世紀から存在していま
>すし、ナチズムやスターリニズムの存在した20世紀はテロリズムが
>氾濫した世紀であるのは間違いないと思いますので。

 う〜ん、私はビンラディン=アルカイダの示した「新たなテロ」は、
過去の政治闘争(手段)としてのテロとは本質的な部分で大きく乖離して
しまっているように思うんですよね。

 例えば共産主義革命を志した武装闘争には「救うべき民衆」が(タテ
マエに過ぎないにしても)存在した訳です。打倒すべき相手(権力装置)
に暴力を見舞い結果的に市民を巻き込むにしても、現体制においてその
偏った恩恵を受けている階層を標的とした階級闘争としてのテロであっ
た訳で。
 #もちろんそれが正しいともやむを得ない犠牲だとも思いませんが、
 #そういうエクスキューズが通用する余地を残そうという意図が感じ
 #られたという部分で今回のとは違うと思う。

 パレスチナにおけるインティファーダも「圧政者」としてのイスラエ
ル軍なり「侵略者」としての入植地のイスラエル市民なりを標的として
きました。SASと闘うIRAにしろ、バスク民族解放戦線にしろ、無辜の市
民に対する無差別殺戮を闘争手段としては選んでなかった訳です。
 無論、現実には巻き込まれる市民なり徴兵され否応無く戦わざるを得
なかった非職業軍人なり、過去のテロにおいても無数の「市民」が傷つ
いている訳ですが、「多数の市民を傷つける事自体が目的」というテロ
では無かったと思うんです。

 その変質は恐らくビンラディン=アルカイダ以前のチェチェンゲリラ
からだと思いますが、相容れない側の「市民生活」そのモノを標的とし
たテロとして行われているのが新しい部分かな、と感じています。
 つまり、モスクワのアパート前で自動車爆弾が爆発した辺りからテロ
と呼ばれるモノの変質が始まっていたと思います。
 同時多発テロがアメリカ社会におけるムスリムを抑圧から救う為のテ
ロであれば、ホワイトハウスが標的になる事は有ってもWTCが標的にな
る事は無かっのでは?

 彼らが「アメリカの体制」では無く「アメリカの市民社会」自体を憎
悪し、市民生活そのものを標的とした部分に今回のテロの異質な面が凝
縮されていると感じるんですよ。

>というのは、テロリズムの本質は「恐怖による支配」であって、イデオロ
>ギーそのものはテロリズムにとっては単なる「便宜上の理由」にすぎない
>からです。(後略)

 だから私には彼らの「新たなテロ」が「恐怖による支配」を目的にし
ているとも思えないんですね(^^;
 彼らは「政治手段」としてのテロではなく、「全面戦争の一局面」と
して「たまたまテロと呼ばれる手段」を用いたに過ぎないと思うのです。

 全面戦争とは即ち「総力戦」ですね。

 総力戦ですから当然ライフラインや経済活動や市民個人の生命そのも
のが標的となり得る。
 言いかえれば「戦略爆撃的なテロ」とでも言いましょうか。
 かつての過激派にそういう「戦略爆撃テロ」は実行不可能、もしくは
実行しても効果が上げられるほどの規模に出来なかったんだと思います
が、燃料満載の旅客機を都市破壊兵器として用いる用兵の転換や、生物
化学兵器、また核兵器を入手する事によって「単なる過激派」や危険な
カルトにもアメリカとの全面戦争が実行可能になってしまった。
 それが「新たなテロの時代」なんだと思います。
  #そういう意味においてオウム真理教の地下鉄テロは時代を先駆けて
  #いた危険な兆候だった訳です(^^;

 もはや彼らのテロに政治的な大義名分も救うべき民衆という建前も必
要無いんです。そこが怖いんですわ(^^;
 彼らはある意味、市民社会とは全く遊離して存在するカルト集団とし
て行動してる。そんな彼らをテロリストと呼ぶ事で一番迷惑を被ってい
るのは、由緒正しいテロ組織(そう自覚する人々が居るかどうかは知りま
せんが(笑))でしょう。アルカイダは「アメリカに対する憎悪」を理由に
市民まで殺戮する「非法集団」に成り下がってしまってますので。
 旧来の政治目的テロ集団から見たら良い迷惑なのかもしれません(^^;

 そんなアルカイダの主張に一片たりとも同情・共感すべき所は無いん
だと思うんですよ、本来は。
 にも関わらず、殺戮集団のスローガンに共感し支持を表し、その成果
に熱狂する「市民」が一方に居る、という恐ろしさ。その「一方の市民」
が居る限り、殺戮集団は姿を換えて脈々と生き続けると思うんです。

 だからアルカイダには「民族と宗教の闘争」を演出するだけの理由が
有る。ムスリム対クリスチャンの戦いにしてしまえば大義名分無き殺戮
集団にも「生存を許される空間」が生まれてしまうんで。
 ある意味「イスラム教」すら手段に過ぎないんじゃないかと疑ってし
まいます。お前ら「ジハード」って言いたいだけとちゃうんかと。もう
ね(以下略)。

 理性的なイスラム法学者が言う通り、彼らの行動も主張も、とっくに
「イスラム原理主義ですら無い」んですから(^^;

> 文化の普遍性と相対性の問題だとは思いますが、食文化とテロリズムを同
> 一文脈で語るのは(かなり)気が引けます(笑。どちらにせよ、
>
> >「文化の輸出」に晒される側の脅威や嫌悪
>
> を理由に、爆弾を使われたら堪りません(笑。文化相対主義に基づく相互
> 理解というのは今後の大きな課題ですけど。

 爆弾使うホントの理由は「アメリカ嫌い、イスラエル嫌い」だけで(^^;
 文化輸出に対するデリカシーの無さは、単に「もう一方の市民」に対
してのエクスキューズに「体よく利用されている」モノの一種に過ぎま
せん。ですが、食に代表される日常生活の文化・慣習と言うのは、ドメ
スティックな「民族の精神」の中庭のようなモノだと思います。
 他の文化がそこに向かって土足で上がれば無用の「感情的な反発」を
当然招く訳です。
 そんな事を一々理由にするなと言っても始まらんのですわ(^^;
 理性も法治も通用しない非法集団から言い訳に使われるような文化摩
擦は極力避ける為の細心の注意が必要だと思います。
 貧富の差であれ社会体制の不備であれ民族・宗教への差別であれ、理
由はなんでも「後から付けられて」しまうので、薄氷を踏むようにして
付け込まる隙を潰すように慎重に行動する他無い。

 もちろんもう一方で「一般のムスリム市民」と「原理主義者」との精
神的な分離・隔離も必要だと思います。んでもそれはイスラム教圏の政
治指導者なり宗教指導者なりが自らチャレンジして少しづつでも地歩を
固めていかなければならない「もう一方のテロとの戦い」です。

 他の文化圏から口を挟めばまた無用の反発に遭うかもしれない(^^;
 信じて見守る以外に無いです。

 側面から援護できるのは「摩擦の解消への努力」だけでしょう。

>具体的には、どのような政策なのでしょうか?けんけんZさんにとって
>「日本の理念」って具体的にはどのようなものなのでしょうか?

 私にとっては憲法前文、及び条文ですね。
 自由と平和と民主主義が理念なわけですが、そこには経済的な繁栄を
追求するとも外交政策で米国に追従するとも一切書いてない訳です(^^;

 思うに、アメリカが民主主義を妨げている局面が有るんのでは無いで
しょうか? アメリカの政策によって「専制と隷従、圧迫と偏狭」が維
持されている地域が有るんじゃ無いでしょうか?

 でもそういう判断はして無いように見えるんですよ>日本の外交

 理念と国益が相反する時、どっちを取るか決めるのはまさしく政治の
役割だと思いますが、考えるまでも無く短期的な国益の維持と経済の発
展を取ってきたように思います。まあ、まさか理念の為に国を危うくし
ろとは言えないですが(石原莞爾じゃあるまいし)、それでも米国の国益
追求と世界の公共益が相反する時、米国の単独行動主義に異を唱える場
面がもっと有って良いと思うんですよ(^^;

 要するに、YESはYES、NOはNOなんですけど、Yes butと言える同盟で
ありたいと。
 長期的にはそれが国益に適うんじゃないかと私は思うんですけどね。

 今回の件で言えばEU諸国はアメリカ大統領直轄の秘密軍事法廷にNoと
言いました。
 テロとの戦いにおいてアメリカの行動を全面的に支援する「しかし」
テロリストの人権をアメリカが無視するのであれば、それは容認できな
いと、Yes butとした訳ですよね。船橋さんの

>自由と人権、法治と適法手続きを執拗(しつよう)に守ってこそテロリ
>ズムとの長く辛(つら)い戦争も戦える。それらの価値を守ることがそ
>もそもテロリズムとの戦いの目的でもあるのだから

 に関しては私も諸手を挙げて賛成です。
 法治の精神は、対テロ包囲網において指導的な役割を果たすアメリカ
の施策に対しても、軌を逸するならそれを糾さなければならない筈です。
 無二の同盟国であっても協力の実行にはすべからく是々非々で検討す
べきであり、アメリカが間違えたと思った時に躊躇せず注文を出す。
 それだけの気概と覚悟が有っての日米同盟であって欲しいんです。

 とまあ何時にも増してまとまりませんが書き続ける内に熱が上がって
支離滅裂になってきた自覚が有るので(苦笑)、この辺で(^_^)/~

阪神は監督を代えたぐらいじゃ再建は難しいでしょうね
No.:60
Name岡島
Date:2001/12/15(Sat) 21:43

オーナー辞任が一番重要だと思う(笑。

けんけんZさんへ。

風邪の方はいかがでしょうか?

さて、

>国際社会はアメリカとアルカイダが対峙した時のような「共闘」には
>立ちませんが、積極的にイスラエルを止める方向にはもはや向かえない。
>これがロシア政府にとってはチェチェンにおけるイスラム過激派にな
>り、中国政府にとってはウイグルにおける独立派の処遇ともリンクして
>いく事になると思います

いわゆる「オサマ・エクスキューズ」ですね。この点に関しては、私は

>自由と人権、法治と適法手続きを執拗(しつよう)に守ってこそテロリ
>ズムとの長く辛(つら)い戦争も戦える。それらの価値を守ることがそ
>もそもテロリズムとの戦いの目的でもあるのだから

という船橋さんの見解に賛成しています。問題は中国もロシアも「法の支
配」という(イデオロギーとしての)リベラリズムを具体化した統治形態に
敵対的ないしは(少なくても)慣れ親しんではいないという点でしょうか。
この点に関しては確かに懸念はあります。しかし、他方で「オサマ・エク
スキューズ」をもって、

>テロの世紀はようやく幕を開けたという所でしょうか?

という認識はおそらく間違いでしょう。現代的な意味での(政治的)テロ
リズムは19世紀から存在していますし、ナチズムやスターリニズムの存
在した20世紀はテロリズムが氾濫した世紀であるのは間違いないと思いま
すので。それと、

>多分この種の対立はアングロサクソンの「グローバリゼーション」が
>進む限りは無くならないと思う

というのも、やはり誤っていると私は思います。「グロバリゼーション」
があろうとなかろうと、それがアングロサクソン的であろうとなかろうと
(私自身は「アングロサクソンの『グローバリゼーション』っていった
い何?」と聞きたいのですが(笑))、テロリズムがなくなることはないと
思っています。

というのは、テロリズムの本質は「恐怖による支配」であって、イデオロ
ギーそのものはテロリズムにとっては単なる「便宜上の理由」にすぎない
からです。(全体主義の)権力によるものであろうと、(マルキシズムや
イスラム原理主義といった)反権力によるものであろうと、他者を恐怖で
もって支配しようとする試みがテロリズムです。この「恐怖による支配」
という本質は「アングロサクソンの『グロバリゼーション』」とは関係が
ない。むしろ(肉体的にも精神的にも)傷つきやすく、したがって(傷つ
くのを恐れる)「恐怖感」が人間性の一部であるというきわめて当たり前
の事実の方に関係があります。テロリズムというのはその「恐怖感」につ
け込むことで、他者を(心理的に)内部から支配する試みです。「恐怖に
よる支配」というのは、(「恐怖感」を増強させることは人格(人間)を
破壊する試みと同義なので)永続的で安定した統治方法ではなく、むしろ
その内部に崩壊の種子を蒔きつづける手法なのですが、それでも短期的に
はきわめて実効的なのもすでに歴史が証明しています。極端な政治思想を
もっているが、それを実現する手段を持たない連中にとっては、テロリズ
ムの短期的な実効性が極めて「魅力的」なのも否定はできません。この「
魅力」こそが、(グロバリゼーションがあろうとなかろうと)テロリズム
がなくならないであろうと私が考える理由であり、その「魅力」が(人間
性を破壊するという意味で)邪悪なものであることが、私が(どのような
イデオロギーであれ)テロリズムに反対する理由の一つです。

>せめて犬食や捕鯨に反対するメンタリティは何とかなりませんでしょうかね(^^;

文化の普遍性と相対性の問題だとは思いますが、食文化とテロリズムを同
一文脈で語るのは(かなり)気が引けます(笑。どちらにせよ、

>「文化の輸出」に晒される側の脅威や嫌悪

を理由に、爆弾を使われたら堪りません(笑。文化相対主義に基づく相互
理解というのは今後の大きな課題ですけど。

あと、

>「フランスとイギリスの中間ぐらいの親米路線」って無理ですかね?(^^;

具体的には、どのような政策なのでしょうか?けんけんZさんにとって
「日本の理念」って具体的にはどのようなものなのでしょうか?「個人
が幸福を追求できる環境を整備する」というのが、私にとっては究極的
な「日本の理念」で、そのために「社会の繁栄と独立の維持」というの
が日本政府の取るべき政策目標だと思います。その観点からいえば、過
去50年間の日本政府の外交政策はかならずしも「無策」ではないと思い
ますよ。

それと、国内政治に関しては保留しておきます。

行里さんへ。

>現実主義かリベラリズムかという外交方針の議論は、当然バランス
>が重要という無難な点に落ち着くのでしょうか。かといって「中立」
>という名前の無関心にも陥りたくないし、と思ってます。(笑)

バランスをとるということと「中立」というのは全然異なりますよ(笑。

それでは、また。

パンダの親指
No.:59
NameけんけんZ
Date:2001/12/14(Fri) 20:21
E-mailken-kenz@kk.iij4u.or.jp
Websitehttp://www.kk.iij4u.or.jp/~ken-kenz/kurige/

 表題に「なんじゃそら」と思った方は一度調べてみると面白いかも。
要するに生物の淘汰と進化の歴史は、何らかの目的が有って形質を獲得
したのではなく、場当たり的に行われてきた偶然の積み重ねに過ぎない
という寓話ですが>パンダの親指


時々刻々>

 さて、ビンラディン関与の「動かぬ証拠?」も出てタリバンに続いて
アルカイダも壊滅に向かってますが、中東の方は昏迷を増してますね。
 ムジャヒディンが反共戦における「パンダの親指」だったのと同じで、
パレスチナ暫定自治政府も中東和平のパンダの親指に過ぎなかったのか
なと。アラファト氏とペレス氏はどっちも「民族解放テロの闘士」を経
験した戦う人ですが、やはり両雄並び立つのは無理なんですかね(^^;

 アメリカのアフガン戦役における「アルカイダとタリバン」の関係を、
イスラエルにとっての「ファマス」と「自治政府」と同一であると規定
する事によって、イスラエル政府はアメリカの外交政策からほぼフリー
ハンドを得る事になりました。
 国際社会はアメリカとアルカイダが対峙した時のような「共闘」には
立ちませんが、積極的にイスラエルを止める方向にはもはや向かえない。
 これがロシア政府にとってはチェチェンにおけるイスラム過激派にな
り、中国政府にとってはウイグルにおける独立派の処遇ともリンクして
いく事になると思います。

 引き金を引いたアルカイダもそれを殲滅したアメリカも矛を収めるで
しょうが、テロの世紀はようやく幕を開けたという所でしょうか?

 多分この種の対立はアングロサクソンの「グローバリゼーション」が
進む限りは無くならないと思うんですが、せめて犬食や捕鯨に反対する
メンタリティは何とかなりませんでしょうかね(^^;

 共感や理解が進むより対立が激化し、インド人が欧米文化に対して
「牛食うな」と抗議し、ムスリムがキリスト教徒に「豚食うな野蛮人」
と声を上げる日が来るのかも。

 私は何を食べていようがそれぞれの勝手だと思うんですけどね。
 とりあえず日本政府には、韓国の人が犬を食べる事に口を出させない
方向にアピールして欲しいかな>W杯

 昔は牛鍋(すきやき)を文明開化と受け入れた日本ですが、現代社会に
おいてはマクドナルドが同じ役目を担っているような……大勢としてそ
ちらに向かうとしても、歓迎される局面ばかりじゃない事は理解して、
「文化の輸出」に晒される側の脅威や嫌悪に配慮する必要に留意して欲
しい。


岡島さん>

>ハンナ・アレント「全体主義の起源」(大島和郎訳、みすず書房)
>エーリッヒ・フロム「自由からの逃走」(日高六郎訳、東京創元社)

 ご紹介どうもですm(_ _)m
 年内は中々暇が有りませんが、年が開けたら図書館で探してみます。


 さてレスですが、日米安保は「現実問題」としてもっとも国益に叶う
「手段」だと思います。ただそこにどんな「理念」が有るのかと、ケツ
の青い左向きは考えてしまうのですよ(笑)。

「フランスとイギリスの中間ぐらいの親米路線」って無理ですかね?(^^;

 ロシアや中国みたいな「自律外交」は日本には無理だと分かり切って
ますが、フランス式の「自己主張の有る協調外交」って羨ましいんです。
 「日本の理念」と「アメリカの政策」が合致するのなら何処まででも
対米追従すれば良いと思うんですが、理念を忘れて手段が目的になりか
ねない現状は危ういなと。

 それでもアメリカがコケない内は対米追従が一番賢いんでしょうが、
アメリカが勝ち続ける事によって日本の外交上の「無策」が糊塗されて
しまうのであれば、日本は精神的な衛星国になってしまうのでないかと
危惧します。

 しかしまあ、害務省がああいう状態ではどーにもならんのでしょうね(^^;


 政界再々編は、やはり「YKK+鳩菅」が枢軸ですかね。

 民主左派は横路氏を筆頭に旗色を鮮明にしつつあるような。
 ただ四分五裂してしまえば社会党に戻る事も共産党と連携する事も出
来ず、結局はジリ貧になって消えていくような気がします。
 未だに大義(目標)と現実(手段)の間が埋まってない万年野党の精神を
脱し切れていないのかもしれないですね。
 村山内閣ではその「間の埋まらない悲劇」を嫌と言うほど見せ付けら
れているので(苦笑)「現実路線の左派」というのが簡単にサイレントマ
ジョリティの支持を得る事はもう無いでしょう(^^;

 あと、社民党と共産党は日本国会の尾てい骨みたいなモノでは?(笑)
 有って良かったと思う事が少なくなっても、無くなる事も有り得ない。
 反対野党も全体の1/6ぐらいなら有った方がむしろ健全かなと(^^;

 中道の中道、と口で言うのは簡単ですが現実は厳しいですね。
 自民党の「田舎政党」な部分を小泉首相がバッサリ切ってしまえば否
応無く再々編だと思うんですが、それも難しいようで。

「田舎政党」と言うのは抵抗勢力で守旧派で弊害だみたいにマスコミに
は言われるんですけど、それでも看板換えて誤魔化したり改革派のフリ
したりするよりは、地方の権利や自営業者や農林漁業、土木建設業者の
利権を「正面から主張する政党」として有った方が良い(健全だ)と思う
んですよ。ただそれが自民党の総意みたいな姿があかんつう事で(^^;

「公明・保守」と「橋本・亀井派」で「年寄りと田舎を大切にする政党」
って分かりやすくした方が話は早いと思います。
 今より支持基盤がはっきり見えて来ますし。
 んで自由党には社会−共産の正反対の側で少なくとも1/6を取って
保守の正論を堂々掲げてもらって、残りの2/3を自民の田舎とYKK+鳩
菅で半々にして、是々非々の論戦有りの、政権交代も有りの国会運営っ
てなモノを長期的には望みたいところです。

 今のトコロは絵に描いた餅ですが(苦笑)。


行里さん>

 成る程、「平時の議論」と「安全保障の為の短期的な手段の実現」を
混同するなと言うのがひつじでの主張の根幹だった訳ですね。
 聞いておいて良かった(^^;
 それなら大筋合意です。
 短兵急な派遣の実施も「安全保障の為」なら拙速をもって次善と認め
る、ぐらいの現実思考は出来るつもりですので(笑)。

 ただし、筋論から言えば次善ですが<相変わらず左向きで申し訳ない(^^;

「同盟の価値」というプレゼンスを明らかにする為に、日本も共に行動
するといち早く表明し、アメリカにアピールする事は良いんですよ。た
だそれとアメリカの進む方向に注文を付ける/付ないという事は両立可
能な事だと思います。
 小泉首相が「常識で考えよう」と言うのも首相の役割なら、他の政治
家が「原理原則を曲げるな」と異を唱えるのもそれぞれの役割かなと。
そこで膠着して先に進まないのであれば意味無いですけど、行きつ戻り
つ妥協点を探っていくのは無駄に見えても必要な作業では?

 今後に関して言えば、これを機に「安保の精神」と言うか「日本の安
全保障の理念」を確立して欲しいつうのが私の願望(妄想かも)です。

 今回EU(NATO)内では既に死刑を廃止した国から「米国への犯人引き渡し」
に対する慎重論が出ました。またそうした「注文」の付かない日本の対
応が有り難かったと言う話も聞こえてきます。NATO同盟間で綱引き(政策
の擦り合わせ)が行えるのも、北大西洋条約が「対等同盟」だからこそだ
と思うんですよね。
 日米安保はそうなっていない。
 小沢さんが言ってるのも「そこをちゃんと考えようじゃないか」って
事だと思うんです。
 その先に来るのが改憲+日米同盟強化なのか、専守防衛の明文規定化
と自立軍備になるのかは今の時点では見えませんが、国民投票でも安全
保障を争点にした総選挙でも、一度ちゃんと経験した方が良い。
 今回の件で言えば安全保障では菅氏の方が中曽根−森派に近く、橋本
派がむしろ公明寄りだった事がハッキリしたのは収穫だったと思います。
 その中で鳩山氏が現実路線と党の理想の間で齟齬と軋轢に苦しんだ事
も良く分かりましたし。

 そうした議論が熟成すれば、その過程において「政権を担える野党」
の姿も国民に見えてくるんじゃないでしょうかね?

 とか思うアタリはまだまだ政治(家)に期待し過ぎかもですが(苦笑)。


 まとまりませんがこんなとこで(^_^)/~

野村佐知代、脱税容疑で逮捕。野村監督辞任。
No.:58
Name行里
Date:2001/12/06(Thu) 21:55
E-mailyukisato@mcn.ne.jp

うーん、日本の球界は非常に景気が悪いですね。(T_T)
ボンの会議は、10月に亡命先から戻ったカルザイ氏を、国王派が首
相に指名したようで。元ムジャヒディンで英語も堪能、北部同盟と
の関係も良好なパシュトゥン人という、非常に無難な結論ですね。


民主党は、鳩山由紀夫の「常駐なき安保」論が、アメリカに、場合
によっては日本の核武装まで視野に入れた民族主義思想と受け取ら
れているふしがあるのが興味深いと思います。それでアメリカが、
日本の現政権をあんまり追い詰めちゃいかんと、経済交渉等で譲歩
してくれればラッキーなんですが。いや現実には、日本が核の不拡
散という方針を転換することはないでしょうから、これは悪い冗談
です。

結局、93年から起きた政界再編の最大の成果は、旧社会党が潰れた
ことでしょう。社民党は土井たか子党ですし。民主党は色々言われ
てますが、社会党の100倍ましだと思います。ブレアの労働党やクリ
ントンの民主党も、対立政党の政策を取り入れて政権を取ったわけ
で、日本の民主党も大いに苦しんで欲しい。党の方針が場当たり的
だと非難されたりして。
社会党は、とうとうそういった葛藤を経験しなかった。小沢一郎が
90年ごろにしきりに発言していたのは、そういう第二政党の駄目さ
ですから。それで私は、小沢ファンになったんです。w

今回に関しては、泥縄で対処せざるを得なかったから仕方がないと
はいえ、法的な不備が色々あるらしい。それを指摘していくのも野
党の役目ではあるので、小沢一郎の主張が正論に聞こえるのではな
いでしょうか。


○岡島さん

>国際関係をホッブス的「自然状態」とみるか、国際共同体とみるかと
>いう問題は国際関係論ではきわめてよくある議論です。この点に興味
>があるのであれば、ヘドリー・ブルの「国際社会論」(臼杵英一訳、
>岩波書店)をお勧めします。

紹介ありがとうございます。人に薦められでもしないと、余り専門
的でない本しか読まないので助かります。本屋で手にとってみたの
ですが、面白そうな本ですね。4300円と高めなので、貸し出し中だ
った図書館の返却を待って読んでみます。

現実主義かリベラリズムかという外交方針の議論は、当然バランス
が重要という無難な点に落ち着くのでしょうか。かといって「中立」
という名前の無関心にも陥りたくないし、と思ってます。(笑)


○けんけんZさん

>そうですね、疑問が残るのは「日米安保に対するスタンス」かも。
(中略)
>そこのトコロが最初の「スタンスの違い」じゃ無かったでしょうか?

いや、テロ事件発生当初の議論に返るなら、アメリカが日本の安全
保障の大きな部分を支えているという現実について、良し悪しの議
論をその段階ですべきでないというのが私のスタンスです。それは
平時の議論ですから。同盟国としての日本が、国家の中枢に打撃を
受けたアメリカに対して連帯を示し、支援していくことは当然の義
務だと考えますので。
アメリカの外交政策やイスラム原理主義の背景といった分析は、個
別の政策を論じる段階で整理すれば良い問題だと感じました。テロ
事件の翌日になっての小泉首相の声明は、むしろ遅すぎたくらいに
私は思っているので、それを拙速とするご意見に異を唱えたのです。
(時差を口実にして、欧州諸国首脳の反応が出揃うのを待っていた
のかもしれませんが)

それにテロというのは、国家間の協調による安全保障の枠組みに対
する挑戦ですし。アメリカのテロに対する脆弱さが露になったと涼
しい顔でいう人がいますが、それなら日本はそれ以上に脆弱だとい
うことであって、他人事ではない。テロに対して強い姿勢で臨む国
家であると示すことが、日本の安全保障と国益に適う行為でしょう。
湾岸戦争の後にクウェートがニューヨークタイムズにだした広告で、
日本がフィリピンより下の扱いを受けたということは、別にたいし
た恥だとは私は思っていません。福田赳夫総理がテロリストを世界
に放ったことを、日本の恥だと思っているんです。

Re[53]: Ichiro captures AL MVP
No.:57
Name岡島
Date:2001/12/04(Tue) 11:57

行里さんへ

> そういえば、ひつぢ小屋掲示板で、岡島さんが、ホッブスを話題に
> だしたことがありましたね。あれも、『リヴァイアサン』の「万人
> の万人に対する闘争」が「万国の万国に対する闘争」と読み替えら
> れて、国際政治の基本原則になったということだと、私は解釈しま
> した。つまるところ、国家と国家の関係というのは、猜疑心の体系
> であると。

国際関係をホッブス的「自然状態」とみるか、国際共同体とみるかと
いう問題は国際関係論ではきわめてよくある議論です。この点に興味
があるのであれば、ヘドリー・ブルの「国際社会論」(臼杵英一訳、
岩波書店)をお勧めします。

あと、「御伽噺的世界観」というのは私的にヒットなのですが(笑、
人間が簡単に落ちる思考の罠なので、お互いに気をつけたいものです
ね。くわばら、くわばら(笑。